犬と猫は仲良くなれるのか?
※愛犬家のためのフリーペーパー「WONDERFUL STYLE」の休刊のため、
WEBサイトで連載していた「秋田犬とフランス田舎暮らし」のブログ記事を再掲載します。
ご覧いただいていた方は、再掲載分が終わり、続編になるまで、再度お付き合いください。
秋田犬の子犬のユキを家に入れるにあたり、
私の最大の心配事は猫でした。
うちには家と外を自由に出入りしている、
我が家で生まれた4歳半の兄妹猫2匹がいます。
猫たちが生まれた時から先犬のジャーマン・シェパード、アカントがいたので、
犬に免疫はあるというものの、犬と猫の仲が決してよかったわけではなく。
家の中だけで一緒に暮らしていたならば、事情は異なったのでしょうが、
外で自由に暮らしている犬と猫だったため、
居場所を限定されるわけではないし、お互いの共通する趣味もないし、
言うなれば接点がなかったわけです。
アカントは家の中に入るのは禁止だったため、
家は猫たちのパラダイスでした。
そこに、子犬のユキを入れるのは、
猫たちのテリトリーを犯してしまうわけですよね。
好きに外に出られる猫たちだからこそ、犬が家にいることになると、
逆に家の中に入って来なくなるんじゃないかという心配があったのです。
案の定、ユキが来てから約1週間は、
家の中に猫たちが入って来ても留まらず、すぐに出て行ってしまいます。
何が一番問題だったかというと、生後2カ月の子犬であるユキは遊びたい盛り。
すでに猫よりも大きな体の子犬ながら、
猫を見ると一緒に遊びたくて仕方がありません。
反対に猫も4歳半ともなると外では元気に走り回っていたとしても、
家の中ではおとなしく寝ているだけ。
さらには自分の気のない時にちょっかいを出されるのが、
猫としてはもっとも嫌うべきこと。
家の中に入ってくるたびに、子犬に追い掛け回されてはたまりません。
また、各自の性格の相性もあることでしょう。
メスの黒猫のクロクロは穏やかで、
物事にあまり動じない性格。
したがってユキが遊びに誘っても、気にせずに寝ているため、
遊び相手としてはあまり面白くないのです。
オスでサバ白猫のパシャは神経質で臆病。
ユキがちょっと姿を見せただけで、家の中を逃げ回ります。
パシャが嫌がって逃げれば逃げるほど、
ユキとしては面白い遊び相手なわけです。
となると、パシャはさらに追い掛け回される羽目になり、
ユキはさらに嫌われるという悪循環に。
とはいえ、さすがに動物たちも慣れることを知っています。
1週間を過ぎると、うちの猫たちは今まで通り、
ユキがいることも気にせずに、日中は家の中で寝ることに。
ユキだって、寝ている猫は遊んでくれないことを学び、
ひとり寂しく遊ぶ、または同様に寝ることにしたようです。
もちろん、時々猫を追い掛け回すこともありますが、
1度、パシャに耳をひっかかれて猫の血の洗礼を受けたユキは、
猫との関係は距離を置くべきものと覚えたことでしょう。
こうしてユキは、ようやく家族の仲間入りをしました。
それにしても、私の夢である、犬と猫が一緒に仲良く寝ている光景が、
いつかは見られる日がやって来るのでしょうかね?