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ノルマンディーの風

パリにゃん、“ノルマン猫”に戻る

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                   家の中での3日間のウォーミングアップを経て、
                   外猫に戻る時期が来たパシャ。

                   他の猫との仲も、けんかしながらも落ち着いてきたし、
                   問題はないと思うのだけれど、
                   それでも心配なのは、外に出した途端、
                   どっかに行ってしまうのではないか、ということ。
                   
                   例年よりも気温は穏やかながら、
                   12月に入って雨が多いのも不安。
                   4ヶ月間、家の中でぬくぬくと暮らしていた“パリにゃん”が、
                   果たしてノルマンディーの自然の中にすんなりと戻れるのだろうか。

                   でも、そんなことをうじうじ考えたところで、
                   私もず~っとノルマンディーの家にいるわけにはいかないし、
                   外に慣れるのは早ければ早いほど、
                   パシャにとってもいいに決まっている。

                   よし、と心を鬼にして、
                   パシャが戻ってきてから5日目の、
                   ちょうど太陽がひょっこり顔を出した日、
                   サロンの扉を全開にしてみたのです。

                   いままで外と家を自由に出入りしている兄妹たちを見て、
                   何で自分だけは外に出られないのか、
                   納得のいかない顔をしていたパシャ。
                   不意に目の前で開かれた扉を見て、
                   はて、これはどういう意味なのか、と考えているよう。


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                   いいのですよ、外に出て。
                   どうぞ、自由の身になってください。

                   実は、プリュムとクロクロも去勢&避妊手術をした直後、
                   家に閉じ込めたことがあった。
                   「傷口にバイキンが入る恐れがあるから、
                   すぐに外に出すなんてとんでもない!」
                   と獣医さんに叱られ、
                   2匹を生まれて初めてサロンの中に閉じ込めたのだ。 

                   病院から戻ってきた日は、やっぱりショックだったのか、
                   外のことなど忘れたようにおとなしくしていたプリュムとクロクロ。
                   でも、ひと部屋の中であまり動き回りもせず、
                   寝て食べるだけを繰り返す2匹を見ていたら、
                   こっちが耐えられなくなってきた。

                   食べることだけが楽しみな人生なんて、
                   私には耐えられない!

                   翌々日、キッチンからサロンに戻ってきてみると、
                   換気のために隙間を開け、猫トイレでブロックしておいた扉が、
                   なぜか大きく開いている!
                   慌てて勝手に外に抜け出していた2匹を捕まえ、
                   サロンの中に連れ戻した。

                   でも、これで緊張の糸が、
                   ぷっつりと切れてしまったのです。

                   外を思い出した2匹が窓辺でミャーミャー鳴くのを見て、
                   「そんなに外に出たいならば、外に出なさい」
                   と扉を開けてあげた。
                   
                   再度外に出て、最初に2匹がしたことといえば、
                   地面の上でゴロゴロと転がり、土を体中になすりつけること。
                   「傷口が・・・」なんて、
                   私の余計なおせっかいは聞いちゃあくれません。
                   そして、その日はそのまま飛び出して行ったきり、
                   2匹とも晩ご飯まで戻ってきませんでした。


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                   パシャの場合はさすがにブランクがありすぎたのか、
                   開いた扉の前で外を恐る恐る眺めたまま静止。
                   そしてふと、決意をしたかと思うと、
                   ダーッと外に飛び出して行き、
                   すぐさまダーッとサロンに飛び戻ってきた。

                   相変わらず、臆病な奴め。

                   それでも再び、外に飛び出していくと、
                   サロンには戻ってこなくなった。
                   逆にビビッた私は外に出て、
                   「パシャ、パシャ~!」と呼び、ちゃんと戻ってくるパシャを見て、
                   遠くへ行っていないことを確認。

                   パシャはサロンのすぐ脇にある塀の上に、
                   とりあえずの自分の居場所を見つけたよう。


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                   久しぶりの外の世界はいかがですか?
                   君の知っている空気よりも、
                   ぐっと冷たくなった空気ですけれど。

                   おっかなびっくり自然を楽しんでいるらしいパシャを見ながら、
                   私も思いっきり、ノルマンディーの澄んだ空気を深呼吸をする。

                   はぁ、これでなんとか、
                   パシャも外猫に再デビューできたようです。
by yokosakamaki | 2012-01-06 21:31 | うちの猫物語