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ノルマンディーの風

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暖炉陥落事件

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                   うちには薪ストーブが設置されている
                   サロンの暖炉と向かい合う形で、
                   キッチンにももうひとつの暖炉がある。

                   この暖炉がほぼ唯一、昔の面影をそのままに残しているもので、
                   FanFan曰く、「たぶん17、18世紀に遡るんじゃないか?」という、
                   家の中で一番古い部分。


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                   アーチ形になったところは昔のパン焼き釜。
                   残念ながら、空洞だった部分は埋められてしまっているけれど、
                   また壊して開ければ、パンはもとより、ピザだって焼けるんじゃないの?
                   なんて空想を描きつつも、現在はご覧のとおり何にも使われてはいない。

                   夏の果実の収穫時にFanFanが大鍋を置き、
                   コンフィテュールをせっせと作る時以外はただの物置き場。
                   FanFanはキッチン側にも、
                   小さな薪ストーブを設置しようかと考えているみたいだけれど、
                   床暖房もあるし、特に必要に迫られているわけでもなく。

                   こうして放って置かれている昔ながらの暖炉に、
                   ある日突然、利用者が現れたのです。



                   時は3月。
                   待っていましたと、春の始まりとともに家の外からも、
                   鳥たちの鳴き声が盛んに聞こえ始める時期ながら、
                   ひとつの鳴き声だけは、やけにはっきりとしていて、
                   その響き方からすると、どうにもキッチンの中に鳥がいる感じ。

                   そう、あの使われていない暖炉の煙突の中に、
                   なんと鳥の巣がある様子なのです。
                   たぶん、ヒナのようで、鳴き声に合わせて、
                   こっちも口笛を吹くと応えてくれるほどの楽しさ!

                   まあ、こちらとしては特に何の問題があるわけでもないから、
                   時々、煙突の中の同居鳥とのやり取りを楽しみつつそのままにしておくと、
                   いつの間にやら、見知らぬ鳥は巣立ったようで、
                   キッチンにも静けさが戻ってきた。

                   となると、気になるのは煙突の中。
                   一体どういう状態になっているのか、
                   FanFanと一緒に煙突をふさいでいる鉄板を取り除いてみる。



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                   落ちてきたのは細い枝、枝、枝。
                   よくまあ、これだけ煙突の中に運んできたと思うぐらい、
                   出てきた大量の枝は手押し車3杯半分!

                   家は3階分あるため、屋根の高さは約11m。
                   大量の枝は、その高さを底から持ち上げて、
                   半減しようとしたものなのかも?
                   安全で暖かい場所に巣を作った結果が、
                   使われていない暖炉の煙突の中だったのだろうけれど、
                   せっせと枝を長い煙突内に運び込んだその労力や、
                   母鳥さまさまでしょう。

                   まあ、仕方がないので出てきた枝はすべて取り去り、
                   これを機会にとキッチンの暖炉の煙突内を、
                   すっきりきれいにしてしまったのです。

                   と、ここまでは、2013年の話。


                   さて、その翌年、去年の春のこと。
                   うちは床暖房も使っているため、
                   サロンの薪ストーブを常に使っているわけではなく。
                   暖かくなってきた3月ともなると、薪ストーブの出番も少なくなります。
                   
                   ふと気が付くと、この春に聞こえてくる鳥の鳴き声は、
                   なんと、サロン中に響いているではありませんか!

                   サロンの煙突は薪ストーブを使っているため現役だし、
                   また大量の枝を持ち込まれて火事にでもなったら大変!
                   と、FanFanが薪ストーブに火を入れて、
                   煙で鳥を追い出す荒業を行使。

                   その後、何だかすごい音がする、と思いながら、
                   そのサロンでいつも通りに仕事をしていた私。
                   FanFanが帰ってきてサロンに入ってくるなり、
                   「何があったんだ!」とびっくりしています。

                   一緒に暖炉を見てみると、
                   暖炉の石の壁が陥落している!!!!

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                   いや~、サロン内にいながら全然気が付きませんでした(汗)。
                   しかし、暖炉の石って、
                   そんなに簡単にひび割れてしまうものなわけ???

                   いくらなんでもこれでは薪ストーブも使えないし、
                   季節が春だったからまだしも、
                   次の冬までには修理をしなくてはいけません。

                   サロンの暖炉はキッチンの暖炉ほど
                   原型をとどめていない状態だったため、
                   使われていた元の石と同じ石で作り直したもの。

                   それを修理となると、また同じ石を使ってもらわなくてはいけないし、
                   なんといっても、もちろんお金がかかるわけですよ。
                   それで、なかなか重い腰をあげないFanFan。

                   自分でもできるんじゃないかと、ぶつぶつつぶやく、
                   ブリコラージュなフランス男に、
                   「いや、プロの石工じゃないと無理でしょ」と、
                   下手に暖炉を変なものに作り変えられると困る私が否定。

                   そのまま、名案を考えること2か月。
                   ようやく友達から、暖炉の修理には保険が下りると聞き込んできた。

                   とはいえ、うちの暖炉の煙突は半手作りですから、
                   本当に下りるのかは怪しいところ。
                   ダメ元で保険屋さんに来てもらうと、
                   おお、なんと、修理代を払ってもらえるとのこと。

                   善は急げと、早速、以前に暖炉を作ってもらった石工さんへ連絡。
                   すでに代が変わっており、仕事を継いだ息子さんが来てくれ、
                   見積もりを出してくれる。


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                   そして7月の工事当日。
                   若くてイケメンの、とても感じのいい職人さんがやってきて、
                   暖炉の石を取り除くと、やっぱり大量の枝が出てきた!
                   原因は枝で熱がこもって暖炉の石内が高温になったため、
                   石が割れたんじゃないか、とのこと。
                   犯人はただの鳥だと、侮れません。

                   翌日、寸法通りに切った、はめ込む石を持ってきたのだけれど、
                   その塊の重さや3トンもあるのだとか。
                   私は見逃してしまったけれど、
                   野次馬FanFan曰く、特殊な機械を使って持ち上げ、修理したとのこと。
                   「やっぱり自分じゃできなかったな」と、感心するFanFan。
                   あたりまえじゃ!

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                   飾り溝はまたひびが入ると心配と、入れなかったけれど、
                   出来栄えはさすが職人技。
                   とにかく、冬までに修理ができて、私は大満足です!

                   そして、今年、2015年春。
                   修理をした暖炉に設置した、
                   薪ストーブを無事に稼働している日々ですが、
                   1月末から早々とキッチンの暖炉からは、
                   鳥の鳴き声が聞こえてきました。

                   やっぱりね、お互いに仲良く共存しようと思ったら、
                   相手の居場所も分け与えてあげるべきですよ。
                   サロンの暖炉を再び壊されないためにも、
                   とりあえず、キッチンの暖炉の煙突は掃除をせず、
                   見ず知らずの同居鳥に使わせてあげましょう。

                   もう今や、巣立ちの直前のようで、
                   鳴き声とともにバタバタという羽音もキッチンに聞こえるくらい。
                   うちの猫たちも姿の見えない鳥の音に興味深々です。

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                   ところで、同居鳥がいったい何の鳥なのか、
                   いまだに私にはわからず。
                   いつか、ご対面できる日はあるのでしょうかね?
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by yokosakamaki | 2015-04-04 02:50 | 春のこと