ノルマンディーの風

カテゴリ:うちの果樹園( 7 )

緑の季節

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                   どこへ行っても最近の話題と言えば、
                   「もう、雨ばっかり(怒)!!」。
                   この話題、4月から恐ろしいほどぜんぜん変わっていない。

                   5月になれば~、6月になれば~、
                   という私たちの願いも空しく、
                   6月中旬に至っても、
                   「もう、雨ばっかり(怒)!!!」。

                   近頃はそこに、「そういえば、今年の春はなかったよね」と言う、
                   さらに悲しい思い出話も加わり、寂しさもひとしお。


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                   と、人間たちが天候不順に不平不満を言っている間にも、
                   相変わらず自然界は前進あるのみで、
                   今やうちの果樹園は緑の世界へと様変わり。

                   花を咲かせてから葉を茂らせる果樹たちは、
                   街路樹などの樹木よりも新緑の季節が遅いのです。


                                      
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                   みずみずしい葉の間には赤ちゃん果実も見え隠れ。
                   今年もすっかり花を見損なったカシス、
                   濃い緑にほんのり赤みが差したりんご、
                   葉に負けず劣らず新緑色のさくらんぼ、
                   産毛がかわいらしいベビーコワン。
                   みんな、まだまだケツの青いヒヨッ子。

                   それでも天候不順の影響は一目瞭然で、
                   去年と比べると果実の数が少ない、少ない。
                   寒さで花がイマイチ咲かず、
                   咲いた花も嵐で吹き飛ばされ、
                   なんとか実をつけたところでさらに雨で叩き落され。
                   さらには太陽が十分に顔を出してくれなければ、
                   仕上がりの味にも響いてくる。

                   天候は人間の思いどおりにならないばかりか、
                   植物の思いどおりにもまったくならない。


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                   そんな中、一番元気な奴らといえば、
                   雑草といったところの草花。
                   ちなみにフランス語で雑草は、
                   “mauvaise herbe(モーヴェーゼルブ)”と言うのだけれど、
                   私は意味を知らずに最初に聞いた時、
                   「誰が“悪い草”って決めたのよ!」
                   となんだか腹が立った。

                   ま、日本語の“雑草”というのも可哀想な言い方ではあるけれど、
                   どんな環境でも強かに生き抜くのがこの分野の草たち。
                   強風が吹こうとも、雨が多くとも、
                   がっちり地面に根を下ろし、ニョキニョキと思う存分葉を生やす。
                   その生命力や、賞賛に値するほど。

                   果樹の間の地面もすっかり草でぼうぼうに覆われ、
                   今年のFanFanの雑草との戦いも完敗となった模様。
                   うちのチビどもだって、顔を覗かせるのが精一杯な成長ぶり。


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                   「あれ?強力な助っ人たちはどうしたのよ」
                   とFanFanに聞くと、
                   「果樹の葉や果実まで食べられそうだからやめた」とのこと。

                   賃金値上げや労働条件改善を求めるのは、
                   どこの労働者でも同じこと。
                   今や果樹に膨らみ出した実があれば、
                   頭を下げて地面の草を食むよりも、
                   頭を下げずに採れる目の前の果実を食べるのは当たり前?

                   といっても馬たちみんなが、木に成る果実をも食べるとは限らず、
                   欲張りなのは性格によるらしいのだけれど。
                   強力な助っ人ではなく、欲張りな労働者となった馬を、
                   芝刈りに雇うのはあきらめたFanFan。
                   さらに雨続きを理由に芝刈り機を作動させるのも怠ったのは、
                   自分のせいだろ。


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                   そんなこんなで放って置かれた果樹園は、
                   果樹も地面も見事に緑に染まったわけであります。

                   もしかして、
                   こういうのをオーガニックって言うのかしら?


                   
                   
                   
                                                   
                   
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by yokosakamaki | 2012-06-18 04:01 | うちの果樹園

つかの間の花宴

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            去年のことを思い返してみると、
            4月中旬には“春爛漫”だったわけだから、
            今年は花の満開が遅かったことがわかる。

            とはいえ、去年は去年で、
            4、5月はいいお天気続きで、
            「雨が降らない。雨が降らない」と、
            水不足を嘆いてもいたのだから、なんとも言えず。

            今年は今年で、4月は嵐の日々で、
            家の中から窓越しに果樹園に花が咲き始めたのを見えていたけれど、
            なかなか写真を撮りにも行けず。

            それでも5月1日、メーデーの祝日、
            うつらうつらと居眠りしていた春が、
            突然、ぱっちりと目を覚ましたかのように、
            一気に暖かな陽気が帰ってきた。

            「やっぱり5月だしね、そうこなくっちゃ!」と、
            いつものごとく猫どもを引き連れて、
            ちょっと遅れた花見へと繰り出したのです。


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            まさに台風一過といった、すがすがしい青空。
            大気から草花、樹木まで、そこらかしこに、
            雨の余韻である水の粒子が浮遊している感じ。

            中庭にあるさくらんぼの花は、
            嵐に吹き飛ばされてすっかり終わってしまったけれど、
            果樹園にあるさくらんぼの花はまだ満開の木がある。
            

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            暖かいね~、気持ちいいね~、
            花見に間に合ってよかったね~、
            と、猫たちと歩いていると、
            独り列を外れて脇でごそごそやっていたクロクロ嬢。
            軽快にスキップをしながら、少し遅れてやって来る。
            口にはなにやらくわえていますけど。

            ああ、そうですか。おやつですか。


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            最盛期は過ぎてしまったけれど、
            タンポポの絨毯もまだまだ健在。

            この時期はタンポポに限らず、さまざまな野花で彩られる牧草地。
            風に吹かれてどこかからやって来た、草花たちの侵略ぶりはすさまじく。
            FanFanは中庭の芝生や山小屋の庭にはびこられては、
            芝刈り機で格闘しているけれど、
            私は結構好きだな。色とりどりでぼうぼうの庭。

            隣の牧草地の野花はもちろんのこと、どこかのお家の花の種まで飛んできて、
            他所の家で勝手に花を咲かせる様子は、
            まさに大地がつながっているということが実感できるもの。

            そんな大海原のようなタンポポの絨毯を泳ぐように渡る猫たち。
            と、そこにまだ、おやつをくわえたままのクロクロ。

            遠足におやつを持ってくるのは自由ですが、
            みんなで分け合えないなら、さっさと食べてしまいなさい!


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            洋ナシやりんごの花は半分以上が終わってしまって、
            すでにやわらかい若葉をふさふさと茂らせている。

            その足元から、お面のような白い顔をヌーッと出しているのは、
            うちで一番人懐っこい、牡馬のボスクー。

            なぜ、果樹の間に馬がいるのかと言うと、
            1人では侵略される草花の勢力になかなか勝てないFanFan。
            “馬”という自然芝刈り機を強力な助っ人として雇うわけです。
            雇い賃はもちろん、草花を刈った分だけ食べ放題!


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            馬が一定期間放たれていた部分の草は、
            ほれぼれするほど、一定の短さを残して隅々まで刈り込まれる。
            はっきり言って、FanFanが芝刈り機で刈った後よりも、
            すばらしい仕上がり。

            いかさまじゃないか!と私は思うのだけれど、
            放って置くだけで雑草が刈られる自然芝刈り機に、
            FanFanは満足、馬も大満足、。
            馬がボットンボットン落としていく、
            巨大な糞はそのまま肥料にもなるしね。



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            そ~んなのどかな春の日もあっと言う間に過ぎ去り、
            再び雨が降ったり止んだりの天候不順の今日この頃。
            今ではタンポポのみならず、
            果樹園の花々もすっかり姿を消したところ。

            今年の果樹園の花宴は、
            まさに“つかの間”で終わってしまった感じです。




                        
            

            
            
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by yokosakamaki | 2012-05-20 23:44 | うちの果樹園

りんごの収穫

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                   よくよく考えてみたら、
                   夏の間にノルマンディーで家の外に出たと言えば、
                   友達や親戚の家に夕飯をご馳走になりに行くか、
                   ちょいと買い物に出たぐらい。
                   近所にある海は、見事に一度も見ずに終わった。

                   こんなの田舎暮らしじゃな~い!!

                   というわけで、ようやく自由の身になったところで、
                   田舎暮らしっぽいこと、してみました。

                   “りんごの収穫”。

                   りんごの産地、ノルマンディーの田舎暮らしでは、
                   これは避けては通れないことでしょう。

                   と言っても、私が家の中に缶詰状態だった間も、
                   他の果物だって着々と収穫されていましたけれどね。


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                   たとえば、プルーンだとか、洋ナシだとか。

                   8月は雨が多かったノルマンディー(パリも)。
                   「今年の夏はなかった」というのはここ数年、
                   フランス北部で毎年繰り返されている話。
                   私はヴァカンスを除き、ほとんど外に出なかったため、
                   正直、どーでもいい話でしたけど。

                   そんな夏がないと言われる季節の中でも、
                   実をつけ、実を膨らませ、
                   収穫されていく果物たち。
                   私が家の中でウンウン唸っている間にも、
                   人々が天気にブツブツ文句を言っている間にも、
                   ちゃーんと自然は着実に前進しているわけです。

                   そうして迎えたりんごの収穫。
                   私は赤い長靴を履いて、
                   久しぶりに足を踏み入れた果樹園の色の変化にびっくり。
                   そこはすっかり秋の景色に変わっていました。

                   
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                   つい1ヶ月前までは、
                   まだ緑色だった果樹の葉っぱは黄色に変色、
                   それとは逆に、枝を垂らさんばかりに、
                   丸々と大きくなった実。
                   まるで果実が少しずつ、少しずつ、
                   生気を吸い上げて膨らんで行くにつれ、
                   少しずつ、少しずつ生気を吸い取られた葉が、
                   色あせて萎んでしまったよう。

                   私はりんごの木に登り、
                   周りを囲む一面の秋景色をぐるりと眺め、
                   秋の澄んだ空気を思いっきり深呼吸。
                   そしてふっくら膨らんだ果実を
                   ひとつひとつ、収穫し始めた。 

                   その、丸いりんごを手でつかみ、
                   くるっとひねって“もぐ”という行為は、
                   自分自身がまるで、サルになった気分。
                   はしごを使ってとはいえ、木に登り、
                   手をぐ~んと伸ばして果実をつかむ様子は、
                   手長ザルそのもの。ウッキー!

                   それとも原始時代の髣髴かもしれない。
                   太古からず~っと人間が行ってきた果実の収穫。
                   この基本動作は、人間が手で果物を採り続ける限り、
                   いつまでも変わらないものだろう。

                   せっせと収穫するりんごの中で、
                   うちで一番多い種類が、ボスコープ種(Boscoop)。
                   黄色っぽい表皮に、ほどよく酸味がある締まった果肉で、
                   生食も加熱調理にも向くスグレモノ。
                   FanFanの一押しのりんごなのです。

                   それにしても今年はノルマンディーでは大豊作だそうで、
                   片っ端からりんごをもいでも、もいでも、終わらない!

                                     
                                     
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                   そんなりんご収穫機と化した原始人を、
                   すぐ側で眺めているのは、うちの犬、アカントと、
                   ようやく1歳を超えた馬のアパッシュにポニーのルキー。
                   
                   アカントが側にいるのは分かるけれど、
                   馬たちも人間の側から離れないなんて、
                   なんて情深い馬たちかしら!とちょっと感動。

                   「この2頭、忠犬アカントみたい!」と言うと、
                   「りんごがもらえるから側にいるだけだよ」とFanFan。
                   そういえば、さっきから一部分だけ腐ったりんごを見つけては、
                   ポ~ンと柵で囲まれた馬の牧草地に投げ入れるFanFan。
                   やっぱり馬は犬ほど忠実ではないのね。

                   猫のミヌーもさっきまでトラクターの上を徘徊していたし、
                   昼寝から目覚めた子猫、プリュムとクロクロまでやって来て、
                   私たちがりんごの収穫をしている周りで、ぴょんぴょこ遊んでいる。

                   家族みんなが果樹園に集合した様子は、
                   りんごの木の周りをぐるりと囲み、
                   果実の収穫をみんなで踊って祝う、
                   まさに収穫祭さながら。

                   天の高い真っ青な秋の空の下、
                   徐々に傾く西日のやわらかい光が果樹園に充満している。
                   日に温められたりんごをもいでは、手に残るやさしい感触。
                   それは、これ以上ないほど完璧な、
                   穏やかで秋らしい田舎の1日でした。

                   ひとつ欲を言わせてもらえば、
                   動物たちもちょっとは収穫を手伝ってくれ!ということ。
                   それはまぁ、欲張りというものでしょうけれど。

                   “私は”収穫を手伝ったんだしさ、
                   ブログに載せるから、りんごのデザートをお願いしますよ、と頼むと、
                   「まかせとけ」とはりきるFanFan。

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                   そして、作ってくれたのが、
                   “りんごと洋ナシのクラフティ(clafoutis aux pommes et poires)”。

                   まったく、相変わらずです。
 
                   
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by yokosakamaki | 2011-10-16 03:05 | うちの果樹園

さくらんぼの季節

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                   さくらんぼの季節は本当に短いのです。
                   なぜなら、鳥たちとの競争だから。
                   みんな、一番おいしい季節を知っていて、
                   今か今かと待ち構えているんですもの。
                   「そろそろ実が熟す頃だぞ~」とホクホクしていると、
                   次の日には何もない!なんてことに。

                   記録係が慌てて見に行った時は、
                   すでに木に残っているのはわずかばかりの実。
                   私だけだったら鳥たちに完敗ですな。。。

                   でもうちには凄腕FanFanがいますからね。
                   鳥に負けず、ここぞという時にいち早く収穫したさくらんぼは、
                   ちゃ~んと家の中に運び込まれています。


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                   さて、これらのさくらんぼを使って作るのが、
                   「さくらんぼのクラフティ(clafoutis aux cerises)」。

                   フランスではどの家庭も食後のデザートがあるのが一般的。
                   世の中の働く主婦たちはどうやってデザートまでこしらえているのか、
                   私にはさっぱり分からないのだけれど、
                   はっきり言って“デザートまで作っている余裕”は、
                   私にはありませ~ん!!

                   しかも食後のデザートの必要性を感じない私。
                   なんせデザート文化育ちではありませんからね~。
                   「デザートは食べたい者が作れ!」というわけで、
                   うちのデザート係は、
                   デザートが食べたいFanFanなのです。

                   といっても、お菓子作りを趣味とする、
                   几帳面で繊細な(?)男性でもないFanFan。
                   一時期、彼の中で突然流行っていたのが、
                   「ババ・オ・ラム(baba au rhum)」。

                   ブリオッシュっぽい発酵生地をラム酒のシロップに浸して作るお菓子ですが、
                   なぜ、彼がそれを作り始めたかというと、
                   ただ単に家にイーストがあったから。
                   最初はレシピに忠実に作るので、
                   第1作目はなかなかおいしく出来たのだれど、
                   徐々に彼の適当さが出始め、
                   第2~4作目ババは「これはクラフティですか?」といった、
                   生地が膨らまないお菓子に化学変化。

                   「デザートを作るのなら、レシピをちゃんと読んで作れ!」と、
                   私に叱られたFanFanはさっさとババを断念。
                   それ以来、もっぱらクラフティなのです。

                   クラフティならば、卵、砂糖、小麦粉、バター、牛乳を混ぜ合わせ、
                   さくらんぼと一緒に焼くだけの簡単レシピだから、
                   サルでもできる!FanFanでもできる!
                   
                   本来、「さくらんぼのクラフティ」は、
                   さくらんぼの種を取らずに焼く方がおいしいと言われています。
                   でも、私はこれは疑問だな。
                   なぜなら、食べる時にいちいち種を口から取り出さなくてはいけないし、
                   さくらんぼは香りや果汁が逃げない分、
                   生地とは分離されたままな気がする。

                   種を取ってから焼けば食べやすいし、
                   さくらんぼと生地が微妙に混ざり合って仕上がる。
                   ま、さくらんぼの種を取るのも大変なので、
                   たいてい種つきで焼いてしまうのですけれど。

                   うちではさらにノルマンディー名産のカルヴァドス(calvados)を、
                   たっぷり加えて焼くのが原則。
                   カルヴァドスとはりんご酒、シードルを蒸留させたお酒で
                   (またいつか、詳しくご紹介しますね)、
                   実は、ババ・オ・ラムもカルヴァ風味で作っていました。
                   これぞ、ノルマンディー風クラフティなわけです。


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                   私自身は甘さ控えめのお菓子が好きなので、
                   さくらんぼも酸味が強いグリオット(griotte/上の写真右側)で作るのがイチオシ!
                   さくらんぼ以外にもさまざまなフルーツで作れるクラフティ。
                   カシスの季節はカシスで、
                   さくらんぼの季節がすでに終わってしまった現在では、
                   プルーンの一種であるミラベルでと、
                   FanFanのクラフティも季節によって変わります。

                   ま、いつも同じフルーツの同じクラフティじゃ、
                   さすがに能がないからね。

                   な~んて、
                   フルーツの収穫からデザート作りまでやってくれるFanFan、
                   感謝、感謝です!!(本当よ~)
                   
                   
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by yokosakamaki | 2011-08-07 20:14 | うちの果樹園

収穫祭のはじまり

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                   はじまっています!フルーツの収穫!!
                   何種類かあるうちの一種類のさくらんぼがふっくら膨らみ、
                   愛らしい色に頬をぽっと染めたのを皮切りに、
                   じわじわといろんなフルーツが実を成しつつあります。

                   次に収穫を迎えたのは、赤黒々としたカシスの実!
                   って、うちにカシスがあるなんて、
                   FanFan、言わなかったじゃない!!
                   と、カシスの花は今年すっかり見損ねましたけど、
                   そちらは来年のお楽しみ。
                   その横で熟しつつあるスグリの実も、
                   あるなんてまったく聞いていませんでしたけどねっ!


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                   これらのフルーツ収穫のために、
                   毎週うちにやって来るのはアルバイトの学生たち。
                   “夏休みに果樹園でバイト”なんて、
                   なんともフランスらしいアルバイトではないですか!

                   といっても、バイト意欲が満々というわけではまったくなく、
                   FanFanが近所のパン屋さんに貼った、
                   求人広告の紙切れを見てやってくるわけですが、 
                   ママンが子供のために電話で問い合わせしてくる
                   パターンが多いこと(特に男子!)。
                   それから1週間(正味3日)以上は続かない!

                   これってフランス人だからなのかな~。
                   私が学生の頃はバイトばっかりしていましたが、
                   現在の若者全体がこんな感じなのかしら
                   (なんて書くと私も完全におばさん)。
                   
                   できれば、私も赤い長靴に麦わら帽子をかぶって、
                   収穫祭に参加したいところですが(本当に!)、
                   私自身の仕事(&子猫の世話とか)があるため、
                   記録係&味見係に徹することに(おい!)。


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                   次々と家に運ばれてくるカシスの実は、
                   ジャムに変身させられます。

                   フランスでジャムといえば、
                   果肉と砂糖を煮たコンフィテュール(confiture)と、
                   果汁と砂糖を煮たジュレ(gelée)があります。
                   上記のカシスやスグリの実、他にもりんごやマルメロは、
                   ジュレにするのが一般的。

                   普通の家庭では漉し布などで漉して果汁を絞ることもできますが、
                   FanFanはこんな3段重ねの果汁抽出機(って言うの?)を使用。
                   一番下に水を入れ、一番上にカシスの果肉を入れ、
                   火にかけると蒸気でカシスが蒸され、
                   真ん中に落ちた果汁のみが出るという仕組み。

                   最後に果肉をつぶして果汁をすっかり落としたら、
                   鍋に入れて砂糖と一緒に煮ます。
                   カシスはもちろんコンフィテュールにしてもいいのですが、
                   FanFan曰く、
                   「小さなカシスのそれまた小さな枝を、
                   ひとつひとつ取ってはいられない!」とのこと。
                   果汁のみを使うジュレにすれば、そんな手間も省けるわけですね。 

                   といってもジュレにするのもフルーツによって向き、不向きがあるようで、
                   一般的にジュレにするフルーツでも場合によっては、
                   うまくゼリー状にならないことも。
                   ペクチンなどを加えすぎて、まさに固いゼリーになってしまってもいまいち!
                   そんなこんなで私自身は、ゼリーちっくなイメージのあるジュレは、
                   食べるのもあまり好きではないのだけれど、
                   カシスのジュレは別格!

                   抽出されたカシスの甘酸っぱい果汁が、
                   ジュレで凝縮され、さらにさらに濃厚な味わいに。
                   まったりとゼリー状になった赤黒いジュレは、
                   見ているだけで口の中にじんわり唾液がたまってしまう。

                   というわけで現在、
                   家中がカシスの甘酸っぱい香りで充満しています。
                   それはそれは、
                   やさしく甘美な初夏の香りです。
                   

                   
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by yokosakamaki | 2011-07-10 20:52 | うちの果樹園

春爛漫

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            うちのテラスの温度計が30度を指す暑い日が訪れた週、
            うちの果樹園が一斉に活気づき始めた。
            つい先日までただの黒い林だったのに、
            日に日に色とりどりの別世界へと変身していく様子は、
            ただただ唖然とするばかり。

            すごいね、すごい!

            まさに色の洪水。
            視界から色が溢れ出している。


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            といっても、すべての果樹が一気に花を開くわけではなく、
            それぞれが時間差をつけて最盛期を迎える。
            片側に並ぶ洋ナシの木の列が、
            天へと枝を伸ばし、花を開いたら、
            もう片方に並ぶさくらんぼの木の列が、
            大きく広げた枝にこぼれんばかりの花をつける。


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            果樹園のあちらこちらで、
            喜びのウエーブを起こしていくかのように、
            もしくは果樹合唱団として一団となり、
            自分のパートをタイミングを見計らって歌い上げていくように、
            みんながそれぞれの役割で、
            春の歓喜を表しているみたい!


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            そんな果樹園の春の宴もそろそろ終わり。
            今や満開となったりんごの花が最後の演目を演じ上げたら、
            次の季節へと進まなくてはいけない。
            彼らにはこれから実を成すという大仕事が待っているのだから、
            いつまでも春を喜んでいる暇はないのだ。


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            でも、私たちにはまだまだ春を堪能できる。
            牧草地全体に広がったタンポポの野原を走りまわる、
            遊びに来ていたベティに声をかける。

            ね、あんたもうれしいよね。
            私もうれしいよ! 
            
            
            
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by yokosakamaki | 2011-04-16 20:49 | うちの果樹園

初春の果樹園

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            うちには小規模ながら果樹園があって、
            さまざまなフルーツの木が植わっているらしい。
            まだ花も葉も実もない、すってんてんの状態の木を見ても、
            私には何が何の木なのかさっぱり分からない。


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            その果樹園の中で、今年初めて花を開いたのは、
            アプリコット(あんず)の木。
            一番最初ということで、なんとなく恥ずかしそうに開いた花びらは、
            まるで梅の花みたい。
            そういえば果実も梅に似ているし、と思ったら、
            アプリコットと梅は近縁種なんですね。


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            そんなアプリコットの花が咲いたのを見て、
            FanFanが慌てて始めたこと。
            ノルマンディー地方の名産である、
            りんごの木の剪定作業。

            電動はさみを使ってジャキジャキ適当に切っているように見えるけれど、
            もちろんちゃんと決まりがあるとのこと。
            りんごの実を大きく育てるために、
            余分な枝に栄養を持っていかれないようにするのが目的。

            芽が出ている部分のすぐそばを切り落とす。
            全体に満遍なく日が当たるように、枯れた枝や余計な枝も切り落とす。
            作業がしやすいように、通路をふさぐような枝も切り落とす。

            てな感じだそうです。


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            続いて行ったのは、
            コワンというフルーツの木の植え付け。
            先日植えた桜の木など、鉢に入って売られた樹木は、
            いつ植えても問題ないけれど、
            根が土から出て裸になった樹木は冬のうちに植えるべきとのこと。

            樹木はショックを与えると枯れてしまったりするため、
            できるだけ自然の流れの中で植えてあげることが大切。
            成長を止める冬眠中の時に植えつけて、
            春に目が覚めるとともに、何事もなかったように成長しだすのが理想的なのだそう。
            できるだけ、引っ越したことがバレないほうがいいというわけね。

            へぇ、植物って面白い!
            

            
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            問題のコワンというフルーツは、日本ではマルメロと呼ばれているもの。
            私は日本ではまったく馴染みがなかったけれど、
            フランスでは結構ポピュラーなフルーツ。
            生食はできないけれど、
            コンフィテュールやジュレなどに加工して食べるのです。

            といいつつ、こんな立派な実をつけるには、
            これから3~4年はかかるとのこと。
            木が枝を伸ばし、ふっくらとした実を成すまで、
            のんびり、じっくり、気長に待ちましょう。



            
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by yokosakamaki | 2011-03-26 23:53 | うちの果樹園