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ノルマンディーの風

カテゴリ:春のこと( 9 )

暖炉陥落事件

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                   うちには薪ストーブが設置されている
                   サロンの暖炉と向かい合う形で、
                   キッチンにももうひとつの暖炉がある。

                   この暖炉がほぼ唯一、昔の面影をそのままに残しているもので、
                   FanFan曰く、「たぶん17、18世紀に遡るんじゃないか?」という、
                   家の中で一番古い部分。


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                   アーチ形になったところは昔のパン焼き釜。
                   残念ながら、空洞だった部分は埋められてしまっているけれど、
                   また壊して開ければ、パンはもとより、ピザだって焼けるんじゃないの?
                   なんて空想を描きつつも、現在はご覧のとおり何にも使われてはいない。

                   夏の果実の収穫時にFanFanが大鍋を置き、
                   コンフィテュールをせっせと作る時以外はただの物置き場。
                   FanFanはキッチン側にも、
                   小さな薪ストーブを設置しようかと考えているみたいだけれど、
                   床暖房もあるし、特に必要に迫られているわけでもなく。

                   こうして放って置かれている昔ながらの暖炉に、
                   ある日突然、利用者が現れたのです。



                   時は3月。
                   待っていましたと、春の始まりとともに家の外からも、
                   鳥たちの鳴き声が盛んに聞こえ始める時期ながら、
                   ひとつの鳴き声だけは、やけにはっきりとしていて、
                   その響き方からすると、どうにもキッチンの中に鳥がいる感じ。

                   そう、あの使われていない暖炉の煙突の中に、
                   なんと鳥の巣がある様子なのです。
                   たぶん、ヒナのようで、鳴き声に合わせて、
                   こっちも口笛を吹くと応えてくれるほどの楽しさ!

                   まあ、こちらとしては特に何の問題があるわけでもないから、
                   時々、煙突の中の同居鳥とのやり取りを楽しみつつそのままにしておくと、
                   いつの間にやら、見知らぬ鳥は巣立ったようで、
                   キッチンにも静けさが戻ってきた。

                   となると、気になるのは煙突の中。
                   一体どういう状態になっているのか、
                   FanFanと一緒に煙突をふさいでいる鉄板を取り除いてみる。



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                   落ちてきたのは細い枝、枝、枝。
                   よくまあ、これだけ煙突の中に運んできたと思うぐらい、
                   出てきた大量の枝は手押し車3杯半分!

                   家は3階分あるため、屋根の高さは約11m。
                   大量の枝は、その高さを底から持ち上げて、
                   半減しようとしたものなのかも?
                   安全で暖かい場所に巣を作った結果が、
                   使われていない暖炉の煙突の中だったのだろうけれど、
                   せっせと枝を長い煙突内に運び込んだその労力や、
                   母鳥さまさまでしょう。

                   まあ、仕方がないので出てきた枝はすべて取り去り、
                   これを機会にとキッチンの暖炉の煙突内を、
                   すっきりきれいにしてしまったのです。

                   と、ここまでは、2013年の話。


                   さて、その翌年、去年の春のこと。
                   うちは床暖房も使っているため、
                   サロンの薪ストーブを常に使っているわけではなく。
                   暖かくなってきた3月ともなると、薪ストーブの出番も少なくなります。
                   
                   ふと気が付くと、この春に聞こえてくる鳥の鳴き声は、
                   なんと、サロン中に響いているではありませんか!

                   サロンの煙突は薪ストーブを使っているため現役だし、
                   また大量の枝を持ち込まれて火事にでもなったら大変!
                   と、FanFanが薪ストーブに火を入れて、
                   煙で鳥を追い出す荒業を行使。

                   その後、何だかすごい音がする、と思いながら、
                   そのサロンでいつも通りに仕事をしていた私。
                   FanFanが帰ってきてサロンに入ってくるなり、
                   「何があったんだ!」とびっくりしています。

                   一緒に暖炉を見てみると、
                   暖炉の石の壁が陥落している!!!!

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                   いや~、サロン内にいながら全然気が付きませんでした(汗)。
                   しかし、暖炉の石って、
                   そんなに簡単にひび割れてしまうものなわけ???

                   いくらなんでもこれでは薪ストーブも使えないし、
                   季節が春だったからまだしも、
                   次の冬までには修理をしなくてはいけません。

                   サロンの暖炉はキッチンの暖炉ほど
                   原型をとどめていない状態だったため、
                   使われていた元の石と同じ石で作り直したもの。

                   それを修理となると、また同じ石を使ってもらわなくてはいけないし、
                   なんといっても、もちろんお金がかかるわけですよ。
                   それで、なかなか重い腰をあげないFanFan。

                   自分でもできるんじゃないかと、ぶつぶつつぶやく、
                   ブリコラージュなフランス男に、
                   「いや、プロの石工じゃないと無理でしょ」と、
                   下手に暖炉を変なものに作り変えられると困る私が否定。

                   そのまま、名案を考えること2か月。
                   ようやく友達から、暖炉の修理には保険が下りると聞き込んできた。

                   とはいえ、うちの暖炉の煙突は半手作りですから、
                   本当に下りるのかは怪しいところ。
                   ダメ元で保険屋さんに来てもらうと、
                   おお、なんと、修理代を払ってもらえるとのこと。

                   善は急げと、早速、以前に暖炉を作ってもらった石工さんへ連絡。
                   すでに代が変わっており、仕事を継いだ息子さんが来てくれ、
                   見積もりを出してくれる。


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                   そして7月の工事当日。
                   若くてイケメンの、とても感じのいい職人さんがやってきて、
                   暖炉の石を取り除くと、やっぱり大量の枝が出てきた!
                   原因は枝で熱がこもって暖炉の石内が高温になったため、
                   石が割れたんじゃないか、とのこと。
                   犯人はただの鳥だと、侮れません。

                   翌日、寸法通りに切った、はめ込む石を持ってきたのだけれど、
                   その塊の重さや3トンもあるのだとか。
                   私は見逃してしまったけれど、
                   野次馬FanFan曰く、特殊な機械を使って持ち上げ、修理したとのこと。
                   「やっぱり自分じゃできなかったな」と、感心するFanFan。
                   あたりまえじゃ!

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                   飾り溝はまたひびが入ると心配と、入れなかったけれど、
                   出来栄えはさすが職人技。
                   とにかく、冬までに修理ができて、私は大満足です!

                   そして、今年、2015年春。
                   修理をした暖炉に設置した、
                   薪ストーブを無事に稼働している日々ですが、
                   1月末から早々とキッチンの暖炉からは、
                   鳥の鳴き声が聞こえてきました。

                   やっぱりね、お互いに仲良く共存しようと思ったら、
                   相手の居場所も分け与えてあげるべきですよ。
                   サロンの暖炉を再び壊されないためにも、
                   とりあえず、キッチンの暖炉の煙突は掃除をせず、
                   見ず知らずの同居鳥に使わせてあげましょう。

                   もう今や、巣立ちの直前のようで、
                   鳴き声とともにバタバタという羽音もキッチンに聞こえるくらい。
                   うちの猫たちも姿の見えない鳥の音に興味深々です。

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                   ところで、同居鳥がいったい何の鳥なのか、
                   いまだに私にはわからず。
                   いつか、ご対面できる日はあるのでしょうかね?
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by yokosakamaki | 2015-04-04 02:50 | 春のこと

3月の大雪

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            前日の朝から降っていた雪は、
            その夕方になっても一向に止む気配がなく、
            FanFanの姪っ子の新居に夕食に呼ばれていた私たちは、
            長靴を履いて、マイ・スリッパ持参で隣村まで出向いた。

            夕食中も雪の勢いは治まることを知らず、
            さらに問題は風の強さで、
            びゅんびゅん、びゅんびゅんと窓辺に雪を叩きつけてくる。

            姪っ子夫婦は、明日は仕事に行かない(というか行けない)宣言をし、
            私たちも帰れなくなったら大変!といつもより早めにお暇。

            帰りは、雪の吹き溜まりとなった窪んでいる所で、
            車高が高い四駆でも通るのがギリギリだった場所が。
            運転手のFanFanもその積雪にビビッたみたいだれど、
            まあ、ともかく無事に家まで帰って来た。


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            翌朝起きると、外は真っ白な世界!
            は、さることながら、
            まだ雪が降り続いている!!

            このまっさらな銀世界を踏み荒らす前に撮っておこうと、
            2階からカメラを構えると、
            「飯だ~!」と叫びながら雪の上を飛んでくるチビ1匹。

            パシャのテンションの高さは、雪であろうが何だろうが、
            変わらないところがスゴイわ。

            雪の上にはすでに猫の足跡があるところが、
            もう一巡回した後だったらしい。

            すぐにクロクロもぴょんぴょん飛びながらやって来る。
            そうか、雪が深いから飛ばないと渡って来れないのね。
            この時点で猫の足が付け根まで埋まるくらいの深さだから、
            15cmくらいは積もったのかしら。


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            続いて飛んでくるのは、
            FanFanに檻から出してもらったアカントさん。
            この方のテンションもいつもとまったく変わりありません。

            残りの猫2匹もすぐにやって来て、みんなの安否確認は無事完了。
            サロンの中に、猫4匹を入れてほっとひと安心。
            こういう日はみんなが目の前にいないと不安でしようがない!

            と、待てど暮らせど村のパン屋さんに、
            バゲットを買いに行ったFanFanが帰って来ない。
            ようやく帰って来たと思えば、
            途中で動けなくなり、車を置いて歩いて来たらしい。
            家から近所のパン屋さんまでは車で2分くらいの距離なのだけれど、
            その道の途中の積雪がすごくて、なんとFanFanの腰のあたりまであったとか。

            というか、こんな雪の日に四駆とはいえ、
            スノータイヤでもない車で行く?

            とりあえず、大変な思いで買って来てくれたらしい、
            焼きたてバゲットでおいしい朝ご飯を済ませ、
            一緒にトラクターに乗って車を救出に向かった。


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            道の脇に突っ込んだのかと思いきや、
            なんと、車は道のど真ん中に乗り捨ててある。
            しかも、その後に除雪車がやって来たようで、
            当たり前ながら、置き去りにされていた車のところで引き返した跡が。

            「こんな日に通る車なんていない」というFanFanの言葉に惑わされて、
            のんびりと朝食なんて食べている場合じゃなかったじゃない!!

            ま、自分で雪に車を突っ込んでおいて、
            自分で救出しているのだから世話ないわな。

            と、車を救出したところで向こうからやって来るのは、
            迂回してやって来た除雪車ならぬ、除雪トラクター。
            雪国でもないここら辺は、除雪車なんてハイテクなものはありませんから、
            道路の雪を除くのはトラクターに大きなシャベルをつけた、
            近隣の農家の人たちなのです。


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            その間にも、雪は降り続く、降り続く。

            風向きによって周りの風景が時々、クリアになったりするのだけれど、
            完全に吹雪いています。
            同じ道でもそれこそ、人間の腰まで積もった場所もあれば、
            猫の足の長さまで積もった場所もあり、まちまち。
            周りの牧草地から、うちの近所にある教会まで、
            すっかり真っ白けっけ。

            道路は除雪されたし、自分の車も救出したしで、
            いい気になったFanFanはこのまま車に乗って、
            うちの裏手に位置する実家の様子を見に行くことに。


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            こんな大雪は初めてだとか、
            いや、何十年前に一度あったとか言い合い、
            こんな日は家の外に出るもんじゃないと、みんなでうなずき合う。
            でも、家に閉じこもっているのも、みんな退屈なものだから、
            実家でお昼ご飯をご馳走になることになった。

            そこで、再びパンとケーキを買いに村のパン屋さんへ行くことに(苦笑)。


            先ほど、FanFanの車のせいで中断されていた除雪も終わっていて、
            パン屋さんに行く道はスムーズだったのだけれど、
            家の中に閉じ込めたままの猫たちが気になる、と、
            うちに立ち寄ったのがいけなかった。

            除雪されていない細い道に入り、
            曲がろうとしたところで積雪の多い場所にぶち当たった。
            ちょうど目の前にいた高校生くらいの男の子2人を避けようすると、
            あれれ~、と車が横に滑っていく。
            さらにあがくと、タイヤが空回りするばかり。

            男の子たちが押してくれて軌道修正したものの、
            石壁にぶつかりそうになるわで、助手席に乗っている私はヒヤヒヤ。

            もう、お家に帰りた~い!!


            日ごろはほとんど歩行者なんて見ない、
            田舎の村ながら、この日は仕事も学校も行けなかった人々が、
            スキーウェアのような格好で道を歩いている。
            村外れの道では、前日の夜に乗り捨てられたらしい車が数台、
            雪に埋もれて残っていた。

            前夜に家に帰れた私たちは幸運だったらしい。
            というか、こんな日に車に乗る人なんてFanFanぐらいだ!


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            FanFanの実家でお昼ご飯を食べている間も、
            まだまだ雪は降り続く。

            いつも暇している実家の犬、ボキーは、
            私たちに遊んでもらえないと分かると、
            窓から見える白い世界に興味深々。
            外に出してもらったら、雪の上をやっぱり飛び跳ねている。

            動物たちって、本当に雪でも元気よね。。。


            うちに帰ってインターネットが使えないことが分かると、
            仕事をする気もまったくなくなり、
            たまりにたまった針仕事をやっつけることに。

            軟弱人間の代表である私は、
            ぬくぬくと家の中から雪を眺めているのが一番。
            さらに膝の上に猫でものせて手仕事をする、
            これぞ雪の日の素敵な過ごし方というものでしょ!


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            外からは鳥の声も車の音も聞こえず、
            時々、吹きつける風の音がするばかり。
            まだ、雪は降っているけれど、
            外界を覆った白い絨毯が反射する光は、
            家の中をも不思議な明るさで満たしている。
            そんな、いつもとは異なる空間では、
            時間の進み方もちょっと違うみたい。

            異常に明るく、真っ白な世界に囲まれていると、
            世の中から完全に隔離されてしまった気分。
            それとも、光り輝く別の惑星に、
            家ごと吹き飛ばされてしまったとか。
            
            
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            その夜まで降り続いた、
            3月中旬の大雪。

            それは何だか特別な1日でした。




            
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by yokosakamaki | 2013-04-01 01:35 | 春のこと

生なる春

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            暖かな春らしい日が訪れたかのも一瞬のこと、
            嵐のような日々が続くフランス。
            ノルマンディーでも巨大な雲たちが、
            群れをなす宇宙船のごとく、次から次へと現れては
            空を一定方向に向かって超高速で走っていく。

            真っ黒な雲が大粒の雨を叩きつけたかと思うと、
            その雲が通りすぎるのを待っていられないとばかりに、
            太陽の光が射し込む。
            仕舞いにはお互いの出番を譲り合う余裕もなくなり、
            時折、さあっと太陽に照らされながら、
            雨たちが真昼に降る流星のように幾重にも、
            細い金色の線を描いて落ちてくる。

            ようやく開き始めたさくらんぼの花びらは咲いた途端、
            横殴りの風と雨の暴力によってあっという間に、
            水平に飛ばされていってしまう。

            
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            そうだよな。
            毎年、春が確実にやってくる保障なんて、
            なにもないのだもの。


            ここ近年のフランスの話をすれば、
            春を告げるはずのイースターの時期は常に天気は悪く。
            今年は特に例年よりも寒い感じで、
            春用の革のジャケットを着始めたものの、
            冬用のコートにすればよかったと後悔することもしばしば。
            冷たい風が吹き付ける時は、毛糸の帽子が欲しくなるほどで、
            もう5月になるというのに周りの人々もまだまだ冬の装い。


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            とはいえ、この春の嵐が終われば、
            基本的にはお天気が続くはずながら、
            待ってました!とデカイ顔で現れる、
            太陽の威力も一気に強烈に。
            その日差しはすでに夏のような強さのものになるだろう。

            となると、結局のところ、
            うららかな春の日はいったい、どこへ行ってしまったことやら。
            例年通りとなると、5、6月が夏のような暑さに気温が一気に上り、
            そして7月には早々と秋の気配が漂い始め、
            そのまま長い、長い冬へと突入~というあらすじ書きになる。


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            そんな不安定な気候を、もろに影響として受けるのは、
            もちろん植物たち。
            花が咲く頃に寒い日が続くと、もちろん花が咲いてくれず、
            果物たちの実りにも響いてくる。
            去年中庭に植えた桜の木は無事に満開になってくれたけれど、
            ミモザの木は私が喜び勇んで撮影していた“霜”にやられ、
            すっかり茶色に干からび、花を咲かせたのは足元の数本の枝のみ。

            中庭の芝生はさまざまなところから飛んできた野の花たちが、
            さあ!と一気に咲き始め、猫たちにとってジャングルと化した頃、
            FanFanの芝刈り機によって一気に刈り込まれ、
            人為的に一瞬の春で終わってしまった植物たちもいる。


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            何が起こるか分からない状況にあるのは、
            動物たちも同じこと。
            鳥小屋へ引越しを済ませた小にわとり30羽は、
            すでに2羽が死んでいるのを発見。

            5つの卵が入っているのを見つけた木の上の野鳥の巣は、
            次の週にヒナが見られるかと、見学に行ったらまんまと空っぽ。
            はては、うちの猫どもが食べちまったのか?

            そんな殺生事となるとうちの中庭では、春とは言わず日常茶飯事。
            何やらを口にくわえて来ては、むしゃむしゃ食べている猫や、
            平らげるのならまだしも、
            弄ばれたまま打ち捨てられたネズミの死骸が転がっているのは普通のこと。

            半野生であるうちの猫たち自身だって、
            1匹や2匹、いなくなってもおかしくはなかったのだから、
            明日はわが身ということだって大いにあり得る。


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            次の春は来るのか、どころか、
            明日はどうなることすらわからない自然界。
            だからこそ、個々がその瞬間、その瞬間を、
            必死に生きていくことができるのだろう。

            「自分探しの旅」や「引きこもり」になっている暇など、
            彼らにはまったくない。
            この不安定な気候の中でさえも、
            そんな個体、個体が自分のやるべきことを着実に成してくれるからこそ、
            “春”と言うものが、この地上に訪れてくれるのだろう。


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            本来は人間だって同じ立場のはず。
            いつ何時、事故に遭うのか、病気になるのか、
            そして大災害が襲ってくるのか分からない身。
            “生と死”という、自然サイクルの一部でしかない
            私たちにとってできることといえば、
            植物や動物と同様に、
            “生”をつないでいくことだけなのだと思う。




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            春の嵐の隙間を狙って散歩に出た果樹園は、
            去年と同じ、緑の草地にはタンポポが散りばめられ、
            さくらんぼとりんごの木には花が開き始めている。

            そして今、私の傍では、
            タンポポと果樹の花々が咲く、まさに同じような風景の中で、
            去年生まれた子猫たちが一緒に歩いている。

            気温は少し低いけれど、
            周りには自然界すべてでもたらしてくれた、
            “生なる春”が溢れている。
            今年もみんなで一緒に、この季節を迎えられたことに、
            心から感謝します!!
            
                       
            
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            と、そこに乱入して来たのは、うちの犬、アカント。
            いや、決してあなたを忘れていたわけではないんだけどね。

            追い返すわけにもいかず、
            仕方がないので今度はアカントと一緒に散歩を続行。
            もしかしたら子猫たちは中庭に逃げ帰るかしら?という不安はよそに、
            少し間隔を置いて、3匹ともついて来た、ついて来た!

            なんだみんな、やればできるじゃん!!

            初の“犬&猫合同散歩”と無理やりなったわけだけど、
            まあ、ともかく、今日は会いたい馬がいるのです。

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            今や、最大限にお腹が膨らんだ、牝馬のセリア。
            左側が右よりも尖った形になっていて、
            そこにはたぶん足があるのかも、と私は勝手に想像。

            そうです!
            今年は子馬が見られそうですよ!!!
         
            
            
               
            
            
            
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by yokosakamaki | 2012-04-29 20:49 | 春のこと

馬に乗ってお買い物

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            ようやく天気もよくなってきたし、
            久しぶりのお馬さんの出番です。
            乗るのはもちろん、のんびり歩行のうちの老馬たち、
            イスパノとヴィオレットのお二方。

            では、はりきって、
            のんびりと行ってみましょう!


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            暖かくなってきたとはいえ、
            まだまだ凍えるような冷たい風が海から吹いてくる3月末。
            防寒用の足まで隠れる長いコートをしっかり着用しての乗馬です。
            野原は青々とした柔らかそうな草で覆われているけれど、
            多くの木々はまだ黒々とした裸のまま。

            パリではすでに、木々はうっすらと緑のヴェールをまとい、
            さくらんぼの花も満開になりつつあるというのに、
            うちのさくらんぼの木もようやく蕾が膨らみ始めたくらい。
            やっぱり、パリとノルマンディーとは季節に時差があるのですね。


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            冬と春が混ざり合ったような、
            冷たい風と暖かな陽気を交互に感じながら、
            ぽっくり、ぽっくり、足を進める。
            その先にあるのは、
            これまたお久しぶりね♪の近所の海。

            霞がかっていますが、
            あの地の果てに海があるのが見えるでしょうか?


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            と、突如ワープして着いた近所の海には、
            広い砂浜の上に細長いテーブルのようなものがずらり。
            上に載っている網の中には牡蠣がゴロゴロ入っています。

            実はノルマンディー地方は、
            ブルターニュ地方、ポワトゥ・シャラント地方と並んで、
            フランスで牡蠣(huître)の3大産地のひとつ。
            モン・サン・ミッシェルで知られるように、
            潮の干満差が大きいノルマンディー地方の海岸は、
            牡蠣の養殖に適しているというわけなのです。


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            満ち潮の時はすっかり隠れてしまう牡蠣テーブルも、
            引き潮の時はすっかり姿を現し、
            すぐそばまで馬に乗って近づくことが可能。

            でもよくよく見てみると、
            牡蠣が載っていない空のテーブルもチラホラ見えますよ。

            実は数年前から牡蠣の全滅が危ぶまれているフランス。
            牡蠣の赤ちゃんである稚貝の約80%が死んでしまうという状況が続いているのです。
            原因は新型ウィルスとのことながら、対処法は未だに発見されておらず。
            値段が少々高くなっていつつも、今はまだ普通に買うことができるけれど、
            数年後、フランスから牡蠣がいなくなってしまうということもあり得るわけです。
            1960年代にも同じように病気で絶滅してしまったフランスの牡蠣。
            現在出回っている牡蠣は宮城県から取り寄せた日本種の牡蠣なのです。

            ブルターニュ地方の牡蠣の養殖屋さん、フィリップが言っていたけれど、
            今回も日本に牡蠣の救済を求めたというフランス。
            さまざまな手続きを踏み、
            いざ、宮城県からフランスへ、再び種牡蠣を送ろうとしていたところ、
            起きたのが、かの東日本大震災。

            自分のところの牡蠣が壊滅状態になってしまったため、
            そのまま話はストップしてしまったのだそう。
            逆に牡蠣の養殖復興を助けるため、
            フランスから日本に支援物資が送られたのだとか。

            そう、自然の恵みは地球全体の財産なのですね。
            自分ちの国の自然、他所んちの国の自然と区別することは無理で、
            私たちは地球という球上でつながった自然を共有している。
            だからこそ、あなたの国の問題はあなたのもの、
            私の国の問題は私のもの、なんて他人事では済まされない。

            東北の牡蠣、フランスの牡蠣が、
            ともに仲良く復活してくれることを祈るばかりです。


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            そんな2国の牡蠣に思いを馳せていると、
            無性に牡蠣が食べたくなってきました。

            そこですぐそばにある、牡蠣養殖屋さんの仕分け倉庫へ。
            いろんな牡蠣屋さんの倉庫が並んだエリアなのですが、
            一般人でも少量を買うことができます。
            まさに産地直売!
            といっても馬で乗りつけてくる人は少ないでしょうが。

            牡蠣を2kg買ったら、そのまま家へ一直線。
            今年初のテラスご飯は、生牡蠣と白ワインのご馳走です!


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             うちでは生牡蠣はシンプルにレモンをかけて食べるのがお決まり。
             でも、うちに来るたびに、ノルマンディーの牡蠣をたらふく食べて、
             プロヴァンス地方に帰るアランが、
             「絶対、生牡蠣にはビネガーソースじゃないとヤダ」と抜かすので、
             生牡蠣用エシャロット入りビネガーソース(vinaigre à l'échalote)を作ったら、
             あら、やっぱりおいしいのね。

             作り方はみじん切りのエシャロットに、
             赤ワインビネガーをたっぷり注いでこしょうを少々振り、
             しばらく漬けておくだけ。
             食べる時に牡蠣の上にこのビネガーソースをたらし、
             つるりと口に流し込むと、
             生牡蠣のとろりとしたミルク感にエシャロットの辛味が絶妙なアクセント。

             さらにフランスでは、ここにバターを塗ったパンを、
             合いの手として食べるのが基本。          
             さっぱりしすぎる牡蠣の味にバターのコクがプラスされ、
             食べて納得の組み合わせ。

             この2大必須コンビが、
             フランス人の生牡蠣の大量消費を促す名脇役というわけ。
             でも、私としてはFanFanの食べる3分の1量の生牡蠣で、
             十分に大満足ですけれどね。

             春の暖かな日差しを浴びながら、
             昼から白ワインとともに食べる生牡蠣。
             あぁ~、これぞ至福の時間です。                      




            
                                    
           
            
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by yokosakamaki | 2012-04-07 23:46 | 春のこと

散歩道

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               何事も足で歩いて把握することをモットーとしている私ながら、
               さすがに車社会の田舎ではなかなかそうもいかない。
               そもそも週の半分はパリにいるし、
               住み始めの1ヶ月ほどは家に篭って仕事をしていたから、
               家の裏の小川さえもあることを知ったのは、
               1ヶ月半後のこと。

               うちの中でさえもそんな感じだから、
               うちの外はまだまだ未開の地。
               実は村にあるパン屋さんさえ、
               たぶん徒歩8~10分ほどの距離だと思うのだけれど、
               いまだに歩いて行ったことがない。

               なんといっても田舎は規模がデカすぎるのだ!

               さすがにこのままではいかん、と、
               お天気もよくなってきたし、探検に繰り出すことに。
               さらに今日はちょっと目的もあるのです。
               
               FanFanに散歩に出かけることを伝えると、
               「田舎は人さらいが多いから、
               護衛犬としてアカントを連れて行きなさい!」
               との仰せ。

               護衛となるかはかなり疑問だけれど、
               まあ、見た目は大きな犬だから魔よけにはなるのかも。
               それよりも問題は、
               奴が私にちゃんとついて来るのか、
               そもそも私の言うことをちゃんと聞くのか、だ。

               誰にでも愛想のいいアカントのこと、
               どこまで私のことを身内として見ているのかがよく分からない。
               この初のツーショットで、
               奴の本性が暴露されるのかも!!!

               と、ドキドキしながらアカントを散歩に誘うと、
               素直にひょこひょこついて来る。
               ちょっと緊張しますが、
               それでは仲良く散歩に出かけましょうか?

               この日は快晴ながら、まだ冷たい風が吹き、
               ちょっと肌寒いほどの陽気。
               でもその分、空気は澄んでいるようで、
               思いっきり深呼吸したくなる散歩日和。

               当のアカントといえば、
               道を右へ左へと忙しく歩きながら、
               私をリードしている。
               ま、私よりも彼女の方が詳しい家の近所。
               さあさ、どんどん、どんどん、歩いてください。

               うちの周りは高い山はないけれど、
               穏やかな丘陵地帯が続き、
               歩くとなかなかのアップダウン。
               ヨイショと登った丘の上からは、
               この時期ならではの風景が一望だ。

               牧草地の緑色に菜の花畑の黄色がモザイクをなし、
               鮮やかなことこの上ない。
               そこに果樹や名も知らない樹木も花を咲かせ、
               やさしい色合いを加えている。
               
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               さらにアカントに連れられて先に進むと、
               そこに現れたるは牛の一群。
               私たちが近づいていくと、
               野原に寝そべっていた牛たちが次から次へと集まって来る。

               その数の多さにビビッてウロチョロするアカントが、
               特に興味をそそるらしく、
               彼女の動きに合わせて牛たちの頭も行ったり来たり。
               仕舞いには私たちが歩く方向に、
               牧草地の端までついて来てくれて、
               みんなでお見送りしてくれるほど。

               いやぁ、ありがとう、ありがとう。

               と、手を振って、
               振り返ったそこに現れたのは、
               この日の目的である、

               菜の花畑、


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               の向こうに見える、


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                海!

                実は私たち、海から3kmほどのところに住んでいるのですが、
                これまた諸々の事情により、海を見るのも毎日とはいかず。
                2週間以上、見ないのも普通なんです。

                そんなもんですな、
                海の近くに住むと言っても(トホホ)。

                久しぶりに見た海は、
                色を春仕様に濃くした様子。
                菜の花の甘酸っぱい香りを海風が吹き飛ばし、
                そこら中に春香を撒き散らしている。

                そうか、ここは牧草地の緑色に、菜の花畑の黄色、
                さらに海のブルーがモザイクをなす場所なんだ!
                まさに野にも山にも海にも!春が来た、
                ってヤツですよ。

                と、ルンルンして写真を撮っている私の傍らで、
                お行儀よく待ちながら海を眺めるアカント。
                やっぱりアンタは賢いジャーマンシェパードなのね。

                その後、私たちは来た道を辿って、
                無事に仲良く家に帰ったことは言うまでもなく。
                この日、私はとっても、
                彼女のことが好きになったのでした。

                
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                また一緒にお散歩しようね。
                海を見に、この道を通って。



                                
                
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by yokosakamaki | 2011-04-23 02:35 | 春のこと

桜の行方

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                   ぽかぽか陽気が続いた春うららかな日、
                   ついに先日植えたうちの桜の木も満開になりました!

                   と、うれしいお知らせをしたかったのですが、

                   よく見ると、

                   “一重咲き”じゃない!

                   植えた時についていた札の写真を見て不吉な予感がし、
                   初めて開いた花を見て、さらに嫌な予感はしていたのですが、
                   満開になった今、よくよく見ても、

                   “一重咲き”じゃな~い!!(泣)


                   私は今までず~っと引越し人生を送ってきたため、
                   必要以上に物を持つことが嫌い。
                   物が多くなると身も心も重くなるし、
                   なんといっても引越しをするのも、
                   それ以上に、日々掃除をするのも大変。

                   買い物をするのも好きではないけれど、
                   私は好みがはっきりしているので、
                   何か欲しい物があれば明確なイメージを持って買い物に行く。

                   買い物をするとなったら執念深いたちで、
                   自分のイメージに合う物が見つかるまでとことん探す。
                   一日中、しらみつぶしに店を回っても、
                   自分の欲しいものが見つからず、手ぶらで帰ることも多い。
                   そんな時は、自分に技術と時間があれば、
                   イメージ通りの物を手作りするのに!とつくづく思う。

                   そんなうるさい人間だから、
                   人から物をもらうのが好きではない。
                   私も相手の欲しい物がはっきり分かる以外は、
                   食べ物とか花とか、消えてなくなる物を贈るようにしている。

                   それは私のつきあってきた彼にも宣言をしてきたことなので、
                   誕生日やクリスマスなどにプレゼントを贈り合うという、
                   かわいらしい行為はとんとしていない。
                   もちろん、これが欲しいと指差して買ってもらうのはアリアリだけれど、
                   欲しくもない物をもらって箪笥の肥やしになるよりも、
                   欲しい物を自分で徹底的に探して見つけた方がうれしいというもの。

                   ま、なんだかんだと面倒な女なのである。

                   いや、プレゼントはいらないと言っているのだから、
                   楽な女なのか?

                   FanFanにも“プレゼントいらない宣言”はしているのだけれど、
                   物が花ということで、気が緩んだらしい。

                   とはいえ、私だってすべての物にうるさいわけでは決してない。
      
                   例えば、このミモザの木。

                                      
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                   FanFanが桜の木と一緒に突然、買ってきた物。
                   黄色いボンボンがかわいらしく、
                   素敵じゃないですか、ミモザ!

                   南仏など、暖かい地方のイメージが強いミモザながら、
                   ノルマンディーやブルターニュ地方でも場所によってよく見かける花木。
                   木が大きく育ち、全体に黄色い花をふさふさ咲かした様子を思い浮かべると
                   今からウキウキします。

                   でも、問題は今回のブツが、

                   ただの花ではなく、桜だということ!

                   「なんで?きれいじゃん」と、首をかしげるFanFan。
                   遠くから見ると、ピンクの色の花がポッと浮かんで、
                   もちろん、きれいですとも。

                   でも、近くで見ると、花びらは細長く、しかも八重咲き!
                   私の欲しかった桜のイメージとは違うのだ!
                   さらに樹木となれば、まさに一生モノの買い物であるはず。
                   私は毎日毎日、自分の気に入った桜の木が育つのを眺め、
                   毎年毎年、自分の気に入った桜の花を、
                   思う存分眺めて暮らしたいのだ。

                   というわけで、
                   来年も私たちは桜の木を植えることになりそうです。

                   そんな私はやっぱり面倒な女、
                   なんだろうな。
                                      

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                   えぇ、きれいですけどね。
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by yokosakamaki | 2011-04-05 23:55 | 春のこと

春の訪れ

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            今年最初の春として我が家を訪れたのは、
            黄水仙。

            2月の末に庭で最初の1本が蕾を膨らませたのを、
            FanFanが目ざとく見つけ、ジョッキリ。
            夜、花瓶に入れておいたら、
            翌朝、起きてみると輝くばかりの黄色い花を咲かせていた。
            
            黄水仙にしてみれば、
            今年最初の花こそ、庭で咲かせたかったものだろうに、
            ジョッキリ切られてしまってなんだか申し訳ない気分。
            でも、おかげ様で、
            早々と春の訪れをうちの中で楽しむことができました。

            続いて訪れたのは、こちらも黄色く輝くレンギョウ。
            こちらはパリ郊外の家から持ってきたもの。
            と言っても、パリの方が先に花が咲いたというわけではなく、
            単にノルマンディーの家の庭にはレンギョウがないため。
            
            茶色い枝に黄色い花を散りばめた、
            シンプルで凛とした佇まいは、
            どこか日本的な風情があって私は大好き。
            花瓶に挿しているだけなのに、
            今や枝の先から緑の葉がニョキニョキ出てきて、
            生き生きとした姿は元気をくれます。

            そして、この方も早速、
            我が家を訪れてくれました。

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            先日植えたばかりの桜の木。
            記念すべき、一番最初に開いた花びら。

            春は着実に進行中です。


            
                        
            
            
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by yokosakamaki | 2011-03-19 23:33 | 春のこと

子羊雲

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            この2週間ほどでちらほら花が咲き出し、
            世界が徐々に色づいていくのを感じるのだけれど、
            それより早く、春を待ちきれずにわらわらと飛び出してくるのが、
            動物の子供たち。

            酪農王国フランスならではの、
            至るところで見かける牛、羊、ヤギの群れに、
            この時期はチビッ子たちの姿がチョロチョロと加わり、
            いつになく動物界が活気で溢れている様子。

            周りの木々はまだ黒々したままだけれど、
            よおく見ると芽がひょっこり頭を出していて、
            出番を今か今かと待ち構えている。
            自然界全体に生のエネルギーがフツフツみなぎっていて、
            野原に立っているだけでグワングワンと揺り動かされそうだ。
            

            生まれたての子羊はピンクの肌が透けて見える産毛状態で、
            毛がない分、さらにひと回り小さいサイズ。
            このくらいふわふわの立派な毛が生えているのは、
            すでに生後一ヶ月くらいだとか。

            若草でやさしい色に染まった牧草地に、
            ぽっかりぽっかり浮かぶ、大中小、さまざまなサイズの毛糸玉。
            親羊たちと一緒に草を食んで移動する姿は、
            牧草地を流れる穏やかな春の雲のよう。



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            しかし、観察しているとさまざまなチビッ子がいるもので、
            ふと私の気配に気がついてじっと見つめる勘のいい奴、
            その後ろに隠れて恐る恐る覗き込む臆病な奴、
            何かが気に食わなくて喧嘩をおっぱじめる短気な奴、
            などなど。

            さらには寝ながら飯を食う無精者までいて、
            いまからそんなに堕落的な生活で、
            私はこの子の行く末を杞憂してしまうのです。



            
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by yokosakamaki | 2011-03-12 22:08 | 春のこと

福花

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            ピッカピカの赤い長靴を履いて最初にしたこと。
            “桜の木”を植えること!
            
            以前、住んでいたヴェルサイユの街には、
            庭付きのそりゃまあ豪勢な一軒家が多かった。
            私はひと様の家や庭を眺めるのが趣味で(失礼!)、
            どこへ行っても、いつもキョロキョロしながら歩いている。

            ある日、一軒の家をふと覗き込むと、
            道路側の窓からサロンのテーブルと椅子が見え、
            さらにその向こうにある窓を通して庭の桜の木までが見えた。
            桜はまさに一番美しい時で、
            これ以上にないほど全開に広げた花びらを、
            時折斜めに吹く風が戯れに振り落としていた。
            夕暮れ時の赤みがかった光が反対側から差し、
            透けた花びらは輝きながら縦長の窓のフレームの中を、
            ひらひらひらひらと静かに舞っていた。

            それは涙が出そうなくらい美しい光景だった。
            ひと様の庭でのそんな景色を窓越しに眺めたら、
            一瞬、自分がこの家の住人になった気がした。
            そして私はこの家の本当の住人に少し嫉妬した。
            彼女はこのサロンの窓から一年中、桜の木を眺めて過ごしているのか。 
            
            その時、自分が庭つきの家に住むときは、
            必ず桜の木を植えようと決めたのだ。
            それも、ふと顔を上げると窓越しに眺められる一番の場所に。
            でも桜はフランスでよく見かける八重咲きの華やかなものではなく、
            一重咲きの儚げで情緒的な日本風の桜がいい。

            との私のリクエストに、
            FanFanが園芸センターのお兄ちゃんと植物辞典をめくり、
            ようやく探し出して持って来てくれた桜の木。
            その名も「FUKUBANA」と和名が書いてある!

            つけられた写真は濃いピンクの花びらで、
            私の欲しかった可憐な桜のイメージとはちょっと異なるけれど、
            むむむ、これもちょいフランス風ってとこで勘弁?
            まだ1メートルほどの背丈だけれど、
            すでに蕾も膨らんでいて、今年から花を愛でられそう!

            そう、桜の季節がもうすぐやってきます。




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            ところで、“赤い長靴”は写真を撮っているだけじゃないのかって?
            
            ま、そういうことですな。



            
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by yokosakamaki | 2011-03-09 03:03 | 春のこと