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ノルマンディーの風

カテゴリ:うちの鶏物語( 7 )

続・“たまご”から“ひよこ”

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            卵を人工孵化器に入れてから22日目。

            朝起きたら、昨日のひよこの鳴き声が一段と大きくなり、
            1階中に響き渡っている。
            
            朝1番に家の中に入ってきたパシャが、
            それを聞き逃すはずはなく、
            一直線に孵化器に向かい、中を覗き込む。

            すると、



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            うぎゃあ、産まれている!!!

            卵が並んだ孵化器の中にひよこが1羽、
            突如、現れた!

            本当に本当だったんだ、
            有精卵を温めるとひよこになるという話。

            あの白身と黄身だけでできた卵が、
            もちろん有精だとしても、
            温めただけで(湿度もだけど)“ひよこ”になっちゃうなんて。

            とてつもない“自然の完璧さ”を見せられた気分。
            卵という小さな殻の中には、
            無駄も不足もなく、“ひよこ”ができあがるための要素が詰まっているのだ。



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            だって、この羽毛なんて、
            白身と黄身のどの部分に隠されていたんだろうと思うでしょ。
            目もくちばしも小さなトサカも、
            ぜんぶ卵からできたものだなんて!

            人間の出る幕なんてありゃしない。
            自然は卵1個を取ったって、
            それだけですべてが完結しているのだ。



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             ね、クロクロもびっくりですよ。




             ここからが孵化ラッシュ。
             他にもいくつか穴が開いている卵があるけれど、
             また24時間後か、と油断していたら、
             ぱっかぱっか、産まれる産まれる。



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             隣のキッチンでお昼を食べていたら、
             ゴトンと音がしてすでに外に出ていたクロ子。

             一子はいつ産まれたのか分からないけれど、
             こちらは正真正銘、産まれたて。
             羽毛がまだ乾いておらず、ピンクの肌が見えています。

             この羽毛が乾いたところでひよこを孵化器から出し、
             外のアトリエ内に作ったひよこ電球スペースに移動させるのです。



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             しかし、また産まれる瞬間を見逃した!
             と再び、孵化器の横に陣取り、
             定期的に中を覗きながら、進まない仕事を開始。

             卵に穴が開いて、殻の外に出るまでの時間は、
             ひよこによってさまざま。
             最初の穴を開けたひよこは、
             さらに卵を一周するようにくちばしで亀裂を入れます。
             その後、ひよこは全身を使ってその亀裂を左右に押し広げ、
             その時、殻がパリパリと割れる音が聞こえるほど。
             最後に頭と足を伸ばして卵を一気に開けて、
             外に出るという寸法です。

             これが何度見ても面白い!

             亀裂が広がる時に卵が膨らんだり縮んだりして見え、
             卵自らが小動物のように呼吸しているみたい。

             同じことの繰り返しだと分かっていても、
             「ほれ、がんばれ!もうちょい!」と応援しながら、
             ひよこが外に出てくるまでを何度、何度も見てしまいます。

             

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             こうして、産まれたひよこは計20羽。
             しかしながら、生後数時間で死んでしまったひよこがうち3羽。

             最初のひよこの後は、
             私がまったく殻割りを手伝うことなくみんな出てきたのですが、
             中には肉の塊みたいなものを引きずって産まれてきたものもいました。
             それが原因かは分かりませんが、
             産まれた時にちょっとおかしいな、と思うのはやっぱりすぐに死んでしまう。

             そして、24日目に産まれた2羽。
             23日目に殻には穴が開いていたのだけれど、
             24日目にまだ外に出ないため、私が手伝って穴を広げて外に出してあげる。
             1羽は見るからに足が曲がっている感じで、変な歩き方をしていたから、
             やばいかもと思ったのですが、何気に持ち直し、
             一番小さな体ながら、今でも元気にしています。



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             しかし最後に産まれた黒いひよこは、
             殻の外に出たはいいけれど、立ち上がることも歩くこともできない状態。
             実は穴が開いている場所が、普通ならば上側にあるはずなのに、
             下側になってしまっていた卵。
             
             産まれたばかりのひよこたちは、
             それはもうすごい勢いで動き回るのだけれど、
             まだ産まれていない卵を転がす転がす。

             私も気になりながらも、羽毛が半渇きになるまでは、
             アトリエに連れて行くのを待っていたのですが、
             それがいけなかったのかも。

             横になったまま、足をバタバタさせ、鳴き続けるひよこを、
             私はどうしていいものか分からず。
             とりあえず、アトリエに連れて行き、
             他のひよことは隔離して置いておくことに。

             時々、水を無理やり飲ませると、なんとか飲むため、
             そのまま3日間は生き続けていました。


             
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             結局、46個の卵のうち、元気なひよこになったのは16羽。
             残った卵をいくつか割ってみると、中は普通の卵で、
             半分以上が無精卵だったよう。

             それでも、人工的に孵化させてこの確率だと思うと、
             “生を受ける”というのは、
             決して普通であたりまえのことなのではないと思います。
             1つの生物が産まれて生きるということは、
             本当に奇跡なのでしょう。



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             ひよこたちが普通にエサを食べて、糞をするところさえ、
             見ると感動してしまう。
             よしよし、体の各機能がちゃんと働いているね。

             さらに、成長は驚異的で、
             生後5日目のひよこたちには、
             すでに羽が生え始めていました。




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             と、初めて動画に挑戦してみました。
             忙しい現代人のために1/3以下に長さを短くしたので、
             だいぶ穴も大きくなったところで始まっています。

             ひよこが殻を頭に載せて立ち上がりそうになった時に、
             思わず私の笑い声が入っています(笑)。

             おまえはカリメロか~!





        
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by yokosakamaki | 2014-04-13 03:44 | うちの鶏物語

“たまご”から“ひよこ”

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            フランスは全国的にお天気マークが輝き、
            一気に気温が上がって、
            このまま夏に突入しちゃうんじゃないかと、
            思うほどの快晴続きだった3月。

            私はノルマンディーにこもって、
            原稿書きの傍らでせっせと励んでいたこと。

            「鶏の卵を温めていました。」

            えぇ、もちろん、
            私のお尻の下で温めなくとも、
            世の中には便利なものがあるわけで、
            FanFanがネットで購入した卵の人口孵化器を使ってです。
            とはいえ、出費をケチった(本人曰く見つからなかった)ため、
            すべて自動というわけではなく、
            ある部分は人間が手を掛けないといけないのです。


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            仕組みは至って簡単。
            まずは現在、うちにいる雄鶏1羽と雌鶏15羽の間で産まれた有精卵から、
            形や大きさの基準に合う卵を選びます。

            卵51個も入る孵化器ながら、うちの卵たちは大きめで、
            基準に合う卵だけにすると半分も埋まらないため、
            なるべく小さなものを混ぜながらようやく46個を選択。

            卵形をした容器に1個ずつ並べているのは、
            これから1日2回、朝と晩に外に飛び出た取っ手を回して、
            卵をひっくり返さないといけないからです。

            さらに重要なのは温度と湿度。
            温度は37~38℃に保たなくてはいけず、
            湿度は60%、最後の2日間は70%にしなくてはいけないとのこと。
            温度は自動で調節してくれますが、
            湿度を保つためには、毎日水を加えなくてはいけません。

            しかしながら、設置された湿度計がなぜか表示しない!
            いやまったく、幸先がよろしいようで~。



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            こうして待つこと、21日間。

            私は毎日、孵化器に水を加え、
            朝と晩に取っ手を左右に振って卵をひっくり返し、
            という地道な作業を繰り返しながら、
            卵を観察し続けたのですが、
            その間、ウンともスンとも言わない卵たち。

            ライトで卵の中を照らして検卵という方法もあるのですが、
            見てみたところ、何にも見えないし、
            はっきり言ってワタクシ、疑っていました。

            だって、うちでは普通に食べている有精卵。
            本来、冷蔵庫の中に入っている卵はオムレツになるところ、
            孵化器の中で温めた卵はひよこになっただなんて、
            どう考えても、子供だましみたいな話でしょ?

            最後の2日間は、卵を容器から出して網の上に置き、
            もうひっくり返さずに孵化するのを待つのだけれど、
            卵を手に持ってみたところ、卵はただの卵。

            何も変わっていないじゃ~ん!!!



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            と、前日まで思っていた、21日目。

            朝、起きて孵化器を覗いてみると、
            まさかまさかの、卵1個に穴が開いている~!!!

            さらには、この状態でひよこの鳴き声も聞こえるんですね。
            もう、これからは仕事どころじゃありません。

            仕事位置を孵化器の横に移動させ、
            いつ出てくるか、いつ出てくるか、頻繁に覗き込む。

            が、一向に穴が大きくなる気配がない。

            説明書によると、殻を開けるのに難儀するひよこもいるそうで、
            その場合には手助けをするように、とのこと。

            なんといっても生まれて初めて見る、卵の孵化。
            記念すべき、最初のひよこが難儀しているのかどうかが分からない。

            ピンセットでちょっと穴を大きくしてみたけれど、
            果たしてどこまで手助けすればいいのかも分からない。


            
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            ネットで調べてみると、
            世の中にはいっぱい卵を孵化させた人がいるもので、
            「最初の穴が開いて24時間は卵から外には出ない」そうで、
            「そこを無理やり開けてしまうと、
            内臓が体の中に入りきらない状態で出てきてしまう」とか!
            げっ、穴を大きくしてしまったけれど、うちの子は大丈夫かしら?

            とにかく、すぐには出てこないことが分かり、
            ようやく気を落ち着けることに。
            ピヨピヨと聞こえてくるひよこの鳴き声に、
            適当に返事を返しながら、その日の午後を過ごしたのでした。
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by yokosakamaki | 2014-04-04 23:13 | うちの鶏物語

続・“おんどり”から、さて

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            久しぶりに晴れた10月頭。
            いよいよ決行の日がやってきました。

            「何の?」って?

            これから“おんどり”を“絞める”のです。

            でも、誤解のないように言っておきますが、
            卵を得るために雄鶏が“邪魔”だからというわけではありません。

            美味しい時期にそのお肉をいただこうということです。
            “ひよこ”としてうちにやってきて7ヶ月。
            年を取るにつれて肉は硬くなっていきますから、
            そろそろリミット。

            暑くもなく、寒くもない、穏やかな秋の日。
            平和すぎるくらいの静かな朝に、
            私とFanFanは意を決して鶏小屋に向かったのでした。


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            朝から出動する2人組を見て、
            何事が始まるのかと鶏小屋の周りをウロウロするパシャとプリュム。
            ちなみにうちの犬、アカントは何をしでかすのかわからないので、
            自分の檻の中でおとなしく待機です。

            FanFanは棒のついた網で、
            まずは最初の1羽をキャッチ。

            あんなに獰猛だった雄鶏ながら、
            取り押さえられると暴れもせず、されるがまま。
            さらに足を捕まえて逆さにし、
            鶏小屋の外の木にそのままの姿勢で吊るします。

            もちろん、私は鶏の屠殺を見るのは生まれて初めて。
            FanFanは慣れたもので、
            作業をしながら説明してくれる。

            「こうして雄鶏の嘴を開け、
            舌の根元の頚動脈を切って血を出すんだ」

            と、吊るされていた雄鶏が、
            舌を切られて我に返ったように、
            突然、羽根を広げて暴れだした!


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            一体、どうするのかと眺めていた私は、
            口から血を流しながら雄鶏がもがくのを見て、
            すごく不快になり、何だか腹が立ってきた。

            「もっと即死させる方法はないわけ!」

            「これが一般的なやり方なんだよ。
            先に頭を打って気絶させるという方法もあるみたいだけど」
            私に噛み付かれたFanFanは困ったように説明。

            頭を打つって言っても、小さな頭の鶏のこと。
            一発でうまくいくかも怪しい。
            2羽目は首の頚動脈を切ってみたものの、
            状況はまったく変わらず。
            やはり最初のやり方で進めることに。

            その後は2人、ひたすらもくもくと作業を続ける。
            FanFanが雄鶏を網で捕らえると、
            私は鶏小屋の2つある扉を開け閉めして、
            彼がスムーズに外に出られるように誘導。
            雄鶏を木に吊るし、舌を切って血を出す。

            次々と雄鶏を吊るしては、
            無言でてきぱきと作業をこなしてゆく。
            まるで熟練したプロの殺し屋のように、
            無慈悲に、冷酷に。


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            次に絞める雄鶏がいるときは、
            吊るしたらすぐ、鶏小屋に雄鶏をつかまえに戻るため、
            雄鶏がもがく姿を見ずに済む。
            それでも、6羽目でいったん次の作業段階に移ろうという時、
            最後の雄鶏が息絶えるのを待たなくてはいけなかった。

            口から血を流し、最初はバタバタと羽根を動かしていたと思ったら、
            それが痙攣のような小さな動きに変わり、
            そしてまったく動かなくなる雄鶏。

            私たちは何も言わずに並んで、
            ぼんやりとその様子を見守った。


            そう、これが“命をいただく”ということ。
            私たちはこの残酷な行為を経て初めて、
            食べ物が口にできるのだ。


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            ほとんどの作業をFanFanがやり、
            ただのアシスタントだった私も、
            一度だけ生きている雄鶏を手に持つことに。
            ずしりと重い体からは息遣いが、
            手に持った頑丈な足からは温かな体温がじんわり感じられた。

            魚を獲った時とは異なる罪悪感。
            でも魚介だって、私たちとは違う生き物というだけで、
            その“命”をもらっていることに変わりはない。
            野菜や果物だって、“生”を奪うと考えれば、
            残酷なのは同じこと。

            そもそも生きるということは、残酷なことなのだと思う。
            私たちは他者の“生”をもらってしか生きられない。

            その残酷さが現代の生活では、
            プラスチックのトレーに入れられて、
            クリーンに包装されているだけにすぎない。
            まるで血なんて一滴も、流れていないかのように。

            人間だって獲物を獲る動物たちとまったく変わりはないのだ。
            

            
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            雄鶏を絞める作業はまだ続きます。
            次は、羽根をむしらなくてはいけません。 

            鍋に湯を沸かして、雄鶏を丸ごと入れ、
            毛穴を開かせる。
            こうすると、面白いくらい羽根が抜けるのです。
            これが、私が一番気に入った作業。
            
            するとびっくり、
            まさにプラスチックトレーの上で見られる、
            あの鳥肌が出てくるではありませんか。

            本物の鶏とトレーの上の鶏肉の間に差がありすぎて、
            スーパーではもっと特殊なことをしているのかと思っていたら、
            やっぱりアレは羽根をむしっただけのちゃんとした鶏肉だったのね。

            残った羽根はバーナーであぶってさらに取ります。

            続いて首の脇にある餌を貯めておく素嚢を取る。
            これが雄鶏によって大きさはさまざまで、
            握りこぶしほどに餌でパンパンに膨らんだものもありました。
            まさに貯蓄家ですな。

            その後、取り出すのは内臓。
            もちろん、さっきまで生きていた雄鶏たち。
            内臓はまだまだ温かい。
            でもここまでくれば、いつもの鶏肉の様相なので、
            あまりびびることもなく。
            ただ、お腹の中にガスが溜まっているのが時々いて、
            やたらと臭い雄鶏もいました。

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            こうして絞めた雄鶏は計13羽。
            かなり巨大だと思っていたら、
            一番大きいものでなんと4.7kg。
            すべてをうちの大きな冷凍庫に入れたら、
            扉が閉まらなくなるくらいパンパンに。
            
            これらの巨大な鶏肉たちは年末に、
            うちに夕食に来た人々と分かち合い、
            そして最大の4.7kgのものは、
            クリスマスディナーの際に総勢10名で平らげました。

            その肉の旨さと言ったら!
            外を駆け回っていただけあって、
            身は引き締まり、まさに滋味に溢れた味わい。
            もちろん、大変な思いをして絞めたのですから、
            思い入れもひとしお。
            料理を美味しくするのは、
            その周りの逸話だって大切な調味料ですからね。

            さらには、うちの肉食は人間だけではありません。

            骨に残った肉は猫たちが、
            最後の骨はアカントが、
            何一つ無駄なく、みんなですべてをいただきました。

            もちろん、まだまだある冷凍された巨大な鶏肉たちは、
            今年も私たちのお腹を幸せで満たしてくれることでしょう。
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by yokosakamaki | 2013-02-11 05:37 | うちの鶏物語

“おんどり”から、さて・・・

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            生粋パリジェンヌ、シャンタルが言っていたけれど、
            「田舎に行ったって鳥の鳴き声がうるさくて、おちおち寝ていられないわ。
            パリにいた方がよく眠れる」

            FanFanも笑いながらよく言うけれど、
            「パリジャンたちは田舎が静かだと勘違いしているけれど、
            トラクターの音を聞いただけで、うんざりしてすぐにパリに逃げ帰るよ」

            そんな“田舎の騒音”のひとつといったら、
            “おんどり”の“おたけび”でしょう。
            雌鳥が卵を産み始めるくらいから、
            うちでも始まりました、朝一番のコケコッコー!

            ちなみにフランス語で雄鶏の鳴き声はココリコー(cocorico)。
            実際にそう鳴いているかどうかというと、
            そう聞こえなくもないって感じ(笑)?

            でもうちは家から鶏小屋まで距離があるし、
            夏の暑い日に窓でも開けて寝ないかぎり(そんな日は稀)、
            雄鶏の鳴き声で起こされることはない。
            
            畑向こうに住む、FanFanの姪っ子の家が一番鶏小屋から近いわけだけれど、
            「FanFanの雄鶏の鳴き声が聞こえてくるよ」とは言うけれど、
            そんなに気にしている感じではなく。

            ま、うちに雄鶏がいなかったとしても、
            四方八方から雄鶏の鳴き声が聞こえてくるのが田舎というもの。
            そんなこと、いちいち気にしていられないのかも。


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            よって雄鶏のおたけびは問題ないとして、
            ところでみなさん、
            雌鳥は雄鶏がいなくても卵が産めるって知っていました?

            私は知らなかった、というより、
            そんなこと考えたこともなかったのですが、
            “ひよこ”になる有精卵はもちろん雄鶏が必要ですが、
            日常的に私たちが食べている卵は有精である必要はなく、
            雄鶏がいなくても産まれる無精卵でいいわけです。

            となると食べるための卵を得るだけならば、
            はっきり言って、雄鶏って“いらない存在”・・・。

            ひよこの時には区別もつかないほど、
            同じ大きさでかわいらしかった雄と雌。
            今や雄鶏の方が雌鳥の倍ほどにも体がご立派に。

            鶏がこんなに大きくなるとは私は知りませんでした。
            雌鶏だって相当たくましい感じですが、
            雄鶏の美しい勇ましさといったら。
            どうりで品評会を開いて美を競いたくなるわけですよ。


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            が、見た目以上に獰猛にもなっているのも雄鶏。
            この写真を撮っている最中にも、私に襲ってくるくらい!
            もちろん、立ち向かってやりましたとも。
            両脚を開いて低姿勢で逆に向かって行ったら、
            雄鶏もビビッていました(フン!)。

            私みたいに立ち向かっていけない雌鶏は、
            まさに、いたぶられるがまま。
            雄鶏はひっきりなしに雌鶏に上にのって、
            交尾を仕掛けるらしいのですが、
            これがまた乱暴極まりない!

            それに比べれば、
            うちの種馬リソワールなんてかわいいもの。
            だから雌鶏が雄鶏にむやみに傷つけられることも多いのです。

            となると食べるための卵を得るだけならば、
            はっきり言って、雄鶏って“邪魔な存在”・・・。

            さて、この猛々しい雄鶏たち、
            一体、どうしましょうね?




            
            
            
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by yokosakamaki | 2013-02-06 22:58 | うちの鶏物語

“めんどり”から“たまご”

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            このブログ、一応、自然派ブログを目指しているのですが、
            完全に季節感を無視して、8月頭の話。

            うちの“めんどり”たちが初めて“たまご”を産んだのです。
            4月頭に“ひよこ”として家にやってきてから、
            ちょうど5ヶ月目のこと。

            FanFanがバケツに入れて持ってきてくれた最初の卵は、
            まだまだ小さい、小さい。
            通常のMサイズのものよりもふた周りほど小柄。
            形も微妙にいびつで、妙に細長い卵もあります。


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            あんなに小さなひよこだったのに、
            こんなに立派な雌鳥になって、卵まで産むようになるとはね。
            自然界は着実に前進しているわけですよ。

            鶏小屋と柵で囲まれた草地を自由に出入りしている、
            うちの鶏たち。
            鶏小屋の中には木製の2段になった卵産み場があるのだけれど、
            どうやってそこで卵を産ませるかというと、
            ただプラスチック製の卵に似せたものを置いておくだけ。
            
            その偽卵を見て雌鳥たちは同じように、
            そこで卵を産んでくれるという単純さ。
            産み落とされた卵は転がって、
            檻の外に出ているケースの蓋を開けると採取できるというすばらしさ。
            とはいえ、中には理解の悪い雌鳥もいて、
            ぜんぜん違う場所の土の上で産んでしまうのもいるのだけれど。


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            そこで私も“はじめてのおつかい”ならぬ、
            “はじめての卵とり”に挑戦。
            相棒は散歩に行くかと勘違いしたプリュム。
            もちろん猫は鶏小屋には入れませんので、
            小屋の扉の前で待っていなさい!

            卵ケースを開けるとありました、ありました。
            鶏小屋に細く差し込んだ光に照らされ、
            輝いている小さな卵たちが!
            そっと手に取ってみると、
            生まれたての卵はほのかに温かいのです。
            
            時々、殻の薄い脆そうな卵もあったりして、
            おっかなびっくりバケツに入れます。
            相変わらず、勘違いしたままの土の上の卵も忘れずに。
            今日も美味しい卵をたくさん産んでくれて、
            雌鳥さんたちありがとう!
            
            鶏小屋の前にいるプリュムはもう待ちきれず、
            さっきから扉の向こうでミョーミョー、ミョーミョー鳴き止まない。
            わかった、わかった、
            家に帰ってお昼ご飯にしましょう。


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            卵料理といったら、私は断然、
            おでんの煮卵か、ラーメンの上にのっけるゆで卵派。
            だいたい、味のついた卵は最後まで取っておいて、
            食事の〆として食べるのがオツ。
            卵サンドに挟むマヨネーズをあえたゆで卵も、
            うん、捨てがたい。

            目玉焼きならバターを塗った食パンの上にのっけて、
            外側から食べていき、残った半熟の黄身を壊さずに、
            最後に一口で食べるのがコツ。
            口の中でとろりと黄身が溢れ出してパンと混ざり合い、
            これぞ至福の時間。

            そういえば、フランスにも“ウフ・ア・ラ・コック(oeuf à la coque)”という卵料理がある。
            殻つきのまま卵を半熟にゆでてエッグスタンドに立て、
            殻の頭部分だけを割って細長く切ってバターを塗った食パンを中に入れ、
            黄身と白身をすくって食べると言うもの。
            見た目はお洒落でもちろん美味しいのですが、
            よくよく考えてみると、素材的に“目玉焼きのせ食パン”と同じじゃん!

            したがって私としては、
            白身と黄身が分かれている卵料理の方が好みなんですね。
            お寿司用の甘い卵焼きもまあ好きですけど、
            スクランブルエッグやら、オムレツとなると、
            別に積極的に食べなくても・・・というレベル。
            白身と黄身が混ざり合ってしまうと、
            白黒はっきりしないというか、
            白黄はっきりしない味になってしまうのがイヤなのかも。

            
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            しかし、しか~し、
            うちで採れた卵を使って作るオムレツは別格!
            なんと言っても黄身の味が濃く、
            白身と混ざっても味がぼやけない感じ。
            “料理は新鮮な食材が命”とは、
            よくシェフたちが言うことだけれど、
            卵だけで作るオムレツってその究極な形では。

            朝採ってきた卵で作るシンプルオムレツ。
            これ以上、贅沢な一品があるでしょうか?
            さらには、オムレツってメイン料理になってしまうところがすばらしい。
            お昼ご飯を作るのが面倒くさい~と思っていても、
            卵を割って、混ぜて、焼く。
            1、2、3で作れてしまうお手軽さ。
            今やうちのお昼の定番メニューになっています。

            そうだ、もうひとつの究極なシンプル卵料理、
            “卵かけご飯”もうちの濃厚卵で、ぜひ作ってみたいもの。

            しかし、それには“ご飯を炊く”ことから、
            始めないといけないのですれど。






            
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by yokosakamaki | 2013-02-02 22:55 | うちの鶏物語

続・“ひよこ”から“???”へ

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            “にわとり”から“ひよこ”に再び戻ったわけではもちろんなく、
            俄然、鶏飼育にやる気を出したFanFan。
            黄色いひよこを買って来てから約1ヵ月後、
            さらに黒いひよこをなんと50羽!買って来た。

            私、黒いひよこを見たのは、
            生まれて初めてでございます。


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            クークー(coucou)と呼ばれる種類の鶏だそうで、
            通常の黄色いひよこよりもさらにかわいらしい!
            ふわふわの黒い物体がチョロチョロと動く様子は、
            宮崎駿映画に出てくるまっくろくろすけの“ススワタリ”のよう。
            もしくは、電球に照らされた地下の賭博場に群がる黒服たち、といった感じ。
            ひよこも色が変わるだけで、雰囲気がガラリと変わるものだのう。


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            性格も黄色いひよこより、好奇心旺盛で、
            カメラの方に寄って来る、寄って来る。
            体も小さく、“ひよこ期間”が黄色よりも長かった気がする。
            でももちろん、しっかり成長していくわけで、
            今や“にわとり”となり、大きな鶏小屋へ移動をした黄色い鶏たちの後を追うように、
            3週間後にクークーたちもアトリエから鳥小屋へと引っ越をした。


            羽根が生え、特徴的な白黒のまだらな姿になりつつも、
            まだかわいらしさが残るクークー。
            印象的なのはその目で、
            白く縁取られた黒い目が並んだ様子は、
            何かを見透すように神秘的。


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            そして、うちにやって来てから約1ヵ月半後、
            鳥小屋もさらに手狭になり、
            最終住居である鶏小屋に引っ越すことになったのです。

            FanFanはパリに行く日の朝にバタバタと引越し作業をしていたけれど、
            先住の黄色い鶏たちとも問題はなさそう、とのこと。

            と、その数日後。
            パリから帰ってきた日に鶏小屋へ直行したFanFan。
            青い顔をして戻って来た。

            「クークーたちの姿が見当たらない!」


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            鶏小屋は牧草地に網を張った柵の中に設置されており、
            鶏たちは自由に外を出入りできるようになっているのだけれど、
            その外にある柵の扉が開いていたというのだ!

            FanFanが閉め忘れたのか、それとも柵の外にいる、
            先日生まれた子馬と母馬が何かの拍子で開けたのか。
            とにもかくにも、黄色い鶏たちはみんないるのに、
            黒い鶏のクークーは数羽しか残っていないとか。


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            翌日、鶏小屋を見に行ってみると、
            すっかり立派な“にわとり”になった黄色い鶏の足元を、
            見え隠れする黒いクークーは、たったの5羽。
            あんだけワンサカいたクークーたちは、
            一体どこに行ってしまったのでしょう?

            
            そこで浮かび上がるのが、
            容疑者1、うちのアカント。


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            まだクークーたちがひよこだった頃、
            FanFanが目を離した隙に、
            黒いひよこ1羽を口にくわえて外に連れ出した前科者。
            FanFanがすぐに気がついて、
            無事にアトリエに戻したから大事には至らなかったけれど、
            アカントは大目玉を食らっていた。

            奴がひよこをどうしたかったのか、定かではないが、
            彼女の性格上、遊び相手にしたかったのかも、と私は思ってみたり。
            まあ、アカントの大きな口なら、ひよこ1羽なんてひと飲みだもんね。

            な~んて言いつつ、
            最近、FanFanの実家で面倒を見てもらえなくなったアカントさん。
            毎週、私たちと一緒にパリ近郊の山小屋に行っているわけだから、
            身の潔白は証明済みなんですけれど。

         
            となると、次に浮かび上がるのは、
            容疑者2、うちの猫ども。


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            特に!どこでも顔を出したがるパシャが一番怪しい。
            しかしながら、クークー45羽を、
            猫1匹で平らげられるとは、到底思えない。
            うちの猫4匹で山分けしたとしても、
            1匹につき11羽の取り分は多すぎるだろ!
            さらにさらに、万が一、猫たちがクークー45羽を襲ったとしたら、
            さすがに黒い羽根が至るところに飛び散っているはずながら、
            鶏小屋も、小屋周辺も羽根1本落ちてやしない。

            となると、となると、クークー45羽は、
            一体どこに行ってしまったのでしょう?
            
            
            近所に住む、ルバーブ屋さんは43匹ものキツネを仕留めたらしい、
            とFanFanが情報を仕入れてきた。
            へぇ、残念ながら私はまだ見かけたことがないけれど、
            うちの周りにはキツネもいるんですねぇ~。
            
            そういえば、先日遊びに行ったマリーとジョルジュの家でも、
            鶏を飼っていて、毎朝、庭に放し、夜になると小屋の中に入れると言っていた。
            ところがある日、小屋に入れると鶏が1羽足りない。
            すると庭の隅に大量に羽根が落ちていたため、
            「キツネにやられたか!」とがっかりしていたら、
            その翌々日に襲われたはずの鶏が戻ってきたとか。
            キツネから逃げるために、どこかに隠れていて、
            安全になったから出てきたのかもだって。

            したがって、FanFanの中では、
            容疑者3のキツネが有力候補。

            でも、それだって羽根が落ちていないのは不思議だし、
            キツネにしてもクークー45羽は食べきれないだろう。

            ただ逃げ出したにしても、
            なんといっても45羽のクークー団体ご一行様。
            近所の人々だって大仰天というもの。
  
            さらに問題なのは、クークーたちはまだ鶏小屋に慣れていず、
            マリーの鶏ならともかく、自力で家に戻ってくる可能性は少ないということ。        
 

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            果たして一体、あの子たちは、
            本当にどこへ行ってしまったのでしょう?




                     
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by yokosakamaki | 2012-06-03 23:00 | うちの鶏物語

“ひよこ”から“にわとり”へ

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            今年、一番にうちに春をもたらしてくれたのは、
            去年同様、黄水仙。


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            そして、



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            ひよこ30羽!



            実はうちには鶏小屋もあるのだけれど、
            ず~っと家主が不在だったのだ。
            ひよこから育て始めるには春!
            というわけで、FanFanと一緒に、
            ちょっと遠いところにあるマルシェへひよこを買いに行ったのです。

            飼育用に生きた家禽類が、
            マルシェで売られているのもフランスならでは。
            といってもパリではさすがに見かけないですけれどね。
            しかし、ひよこは注文販売のみとのことで、
            後日、近くの街まで運んで来てくれることに。

            そうしてうちにやって来たひよこたちは、
            生まれたその日のはず、という生まれたてほやほや。
            FanFanは自分の作業用アトリエの中の一角を板で塞ぎ、
            おが屑を敷いて保温電球を吊るし、
            ひよこたちの寝床を拵える。
            

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            ごそごそやっていると、やって来たのが偵察隊、
            ミヌー母さんとパシャ。

            おまえら、ひよこに手を出したら、承知しないからな!


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            それにしても、ひよこを見るのなんて、
            数年前にパリの農業見本市で見た以来。

            農業見本市とは、毎年春に行われるもので、
            巨大な会場にさまざまな家畜や農産加工品が集められ、
            コンテストなども行われる農業国フランスらしいイベント。

            パリに突然、農村が現れるというわけで、
            一般の人々にも大人気。
            特に家畜の赤ちゃんシリーズは人だかりができるほどで、
            母豚に吸い付く仔豚たちなんて、みんな顔をデレデレさせて見ている。
            保温電球に照らされ、ガラスのケースの中でギュウギュウ
            おしくら饅頭しているひよこたちも集客率大。

            いや、あのひよこたちがね、
            まさかうちにやって来るとは!


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            ふわふわの産毛もさることながら、
            ひよこのかわいさってやっぱり、このまん丸の体型。
            はっきりいってお尻に頭がついている感じでしょう!
            子猫たちを膝乗り猫に立派に育てたのだから、
            次の目標は手乗りひよこかしら?

            うひうひ騒いでいるとFanFan曰く、
            「そんなひよこのかわいさはあっという間さ」とのこと。

            その通り、その1週間後には、



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            すでに首が出来、羽根が生え始めている子がいる。
            あんたたち、成長早すぎ!

            ぴーぴー、ぴーぴー、アトリエに絶えず反響していた甲高い声は、
            一時ほど止むことがあるようになり、
            ちまちまやたらに押し合いへし合いしていた動きも、
            だいぶ落ち着いてきたよう。
            でも、手の平に乗せるとバタバタと羽根を動かし、
            すぐさま降りてしまう。
            やっぱり1週間に1度の対面に、
            30羽もいては、手乗りにするのはムリか。


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             がっくりしていると、やって来たのが第2偵察隊、
             アカントさん。

             あんたもひよこに手を出したら、承知しないからね!



             さらに2週間後、グイグイ成長していくひよこたちで、
             アトリエの一角はすっかり手狭に。
             というわけで、より広い物件へお引越しです。


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             馬の牧草地内にあるこの手作り鳥小屋は、
             大昔にFanFanのお父さんが作ってくれた物だとか。
             網張りになった壁は、開閉できる板で覆ってあり、
             下には可動用に車輪までついている!
             網しかない部分の壁にはFanFanがビニールのシートを張って塞ぎ、
             さらに保温球を吊るして居心地のよい温かな家に。

             それでもこの引越し作業中に、3羽が脱走したそうで、
             FanFanは網を持って追いかけっこするはめになったとか。


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             この頃には、頭と首周りに産毛が残っていつつも、
             体は羽根で覆われた珍妙な格好に。
             すでにとさかもちょっぴり生えています。       
             
             だいぶ“にわとり”らしくなってきたもんだ!


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             感心していると、やって来たのが第3偵察隊、
             アパッシュ。

             まさか、あなたは鳥は食べないでしょう。


             とはいえ、自分の陣地に大勢でやって来た生き物に、
             ちょっぴり迷惑そう。

             さらに大きくなって鶏小屋に引っ越すまで、
             しばらく我慢していてくださいな。
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by yokosakamaki | 2012-04-15 02:32 | うちの鶏物語