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ノルマンディーの風

カテゴリ:うちの馬物語( 6 )

子馬の嫁入り

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            というわけで、去年の5月に生まれた子馬3兄妹。
            もう、母さんが恋しくて鳴くこともないし、
            体もだいぶ大きくなり、
            3頭一緒に仲良く暮らしています。

            でも、もちろんうちで乗馬クラブを作るわけではないし、
            生まれた子馬たちは買い手を探さなくてはいけません。

            そこで出すのが個人アノンス。
            さすが個人主義の国だと思うのだけれど、
            たいていの売買は個人対個人で行ってしまうのがフランス。
            いわゆる個人で出す3行広告なるものを、
            さまざまなところで見ることができます。

            新聞の折込広告、雑誌やフリーペーパーの巻末ページ、
            ブティックやパン屋さんの一角から電柱の柱まで。
            今やインターネットでも大盛況で、
            無料の個人アノンスのサイトがいろいろあります。

            その内容や、それはもう多彩。
            不動産や中古車を主に、アンティークやブロカントの家具や物、
            犬や猫、馬などの動物、さらには恋人探しまで、
            いろんなアノンスがぎっしり。

            ネット上の無料アノンスは定期的に出しているFanFan。
            でもこのご時勢ですからね~。
            競走馬や競技用のすばらしい血筋を持つ馬たちは別として、
            趣味の乗馬用としての馬なんて、なかなか売れない!
 
            まあね、エコロジー対策として、
            「乗用車の使用、所持は禁止。
            移動手段には馬を使いましょう!」
            なんて政策が発表されないかぎり、
            馬がバカ売れすることはないでしょうねぇ。

            とはいえ、季節は春。
            人々が馬に乗って外へ出かけたくなる時期なわけですよ。

            そこで、FanFanは少々広告費を出してでも、
            地方紙の折込アノンスへ3行広告を載せることにしました。


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            地方紙が発売されると、すぐさま知人から連絡が入った。
            「おい、最初のページに写真が載っているぞ!」
            慌ててFanFanが近所のパン屋さんに地方紙を買いに行くと、
            あはは、本当だ、アノンスの最初のページに、
            馬に乗ったFanFanの写真が載っている! 

            この最初のページは編集部が選んだ写真が掲載されるのです。
            キャプションには、
            「リュッキー・リューク(ベルギーのカウボーイ漫画)のように乗馬はいかが」
            なんて書いてある(笑)。
            FanFanがリュッキー・リュークかどうかはかなり微妙だとしても、
            中にある小さな写真と3行広告だけよりは、とりあえず目立つはず。
            ちなみに売り出しているのは子馬だけでなく、
            乗馬用に調教した馬もいるのです。

            でも、実は少し前に広告を出した時にも、
            生まれたばかりの子馬の写真が最初のページに掲載されたことがありました。
            しかし、それで買い手が現れたかというと別問題。

            うちに来る人々に自分の写真が載った最初のページを、
            いい気になって見せるFanFan。

            でもさ、それで売れなければ意味がないじゃない!

            アノンスを出すと、電話がちらほら掛かってくることは掛かってくる。
            でも、うちに馬を見に来るところまでは、なかなかいかない。


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            と、思っていたら、ようやく馬を見に来る人が現れたのです!
            時は4月1日、復活祭の振り替えの祝日、ランディ・パック。
            朝から目が覚めるほどの青空で、
            そうよね、もう4月だもの、といった春らしい日。

            馬を見に来ると約束をしたものの、
            なんと言っても見も知らぬ人との電話でのやり取り。
            本当に来るのかどうかは時間になってみないと分からない。

            で、ちゃんと時間通りにやって来たのは、
            なんと改造ワゴン車。

            車体には炎のようなペインティングがされていて、
            屋根の上にもなにやら装飾が施されており、
            車の中にもさまざまな物がぶら下がっているのが見える(汗)。
            いわゆる暴走族の改造車ってヤツですか?

            降りて来たのは白髪のカップルで、
            ムッシューの方はまあ普通な感じだけれど、
            マダムの方は赤いスリムパンツにヒョウ柄の毛皮という出で立ち。

            なんだか、すごい人たちがやって来た~!

            と私が興味津々で家の中から観察していると、
            FanFanは子馬を見せに牧草地に2人を連れて行く。
            その後、子馬の父さんを見せたり、母さんを見せたり、
            3人で車で移動した後、
            家に入ってくる頃にはしっかり話が決まったらしい。

            おぉ、子馬1頭、お買い上げ!!

            彼らが選んだのは雌馬コメットさん。
            3頭の中では一番小さく、
            ちょっと目が離れているヒラメ顔のコメットさんは、
            はっきり言って売れ残りそうなタイプでした。
            それでも、小さな馬が欲しいとのことで選ばれたらしい。
            ま、世の中には好みというものがありますから。
            
            でも問題は、馬を連れて帰るための馬運車がないとのこと。
            仕方がないので、FanFanが自分の馬運車に乗せて、
            連れて行くことに。

            「サーカスの中で暮らしているらしい!」
            とFanFanから聞きかじった私も、もちろん同行することに。

                        
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            うちから1時間ほどかけて到着した、
            ノルマンディー地方にある彼らの家は、
            残念ながらサーカスではなかったけれど、
            彼らの車同様、やっぱり奇妙。

            家に入る門の柵には、馬たちが躍り、
            郵便ポストはミニチュアの馬つき馬車!
            大喜びで出迎えてくれるのは、
            やたらに巨大でやたらに人懐こいニューファンドランド犬。

            さらにすごいのは家の中で
            ありとあらゆる隙間にオブジェが飾られているという感じ。
            一番多くのスペースを取っているのは、
            彼らが働いていたサーカスのロゴが入ったミニチュアカー。
            きちんとパッケージのまま壁に飾られているか、
            ちゃんとショーケースの中に並べられている。

            これってまさに“フランス版オタク”だよね~。

            なんて言いつつ、
            見た目的には奇妙なムッシュー&マダムだけれど、
            人柄はおだやかでやさしい。
            引退したけれど、その昔、サーカスで働いていた時は、
            なんとナイフ投げの演目を担当していたとか。
            もちろんマダムは頭にりんごを載せたり、タバコをくわえたり、
            ナイフを受けるマドンナ役ね。
            と言って、壁に向かってナイフ投げを披露してくれました。

            サーカスにいた頃はもちろん、いろんな動物を暮らしていたけれど、
            サーカスを離れて昔から好きだった馬を飼いたかったんだって。
            なるほどね、だからいろんなところに馬のオブジェが飾ってあるわけだ。
            そういえば、彼らの車の屋根の上についていた装飾も、
            近くで見てみると“馬”だということが発覚!

            とはいえ、自分で馬を飼うのは初めてという2人。
            毎日、にんじんをどのくらいあげるとか、
            干草は草が生えてきたらあげなくていい、
            などなど、FanFanから馬の飼い方を教わっている。

            実際に馬に乗ることはもうできないけれど、
            一緒に暮らせるだけでいいのだとか。

            日本でいわゆる“馬好き”といえば、
            大概が“競馬好き”だったりするじゃない?
            FanFanももちろん“馬好き”な人間の1人であるわけだけれど、
            愛馬として馬を飼うフランスでは、
            “犬好き”、“猫好き”と同じレベルで、
            “馬好き”というのが存在するんだよね。

            日本では馬に触れたこともなかった私としては、
            かなりカルチャーショックなことでした。
            もちろん、犬や猫のようにアパルトマンの中で、
            簡単に飼うわけにはいかないわけだけど。


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            強烈なキャラの買い手のおかげで、
            すっかり影が薄くなってしまった嫁入りのコメットさん。
            先住の去勢していない雄のロバをとりあえず、道路に出し、
            新しいお家となる小屋の中に無事に入場。

            コメットさんはまだ小さいし、
            去勢していないロバほど凶暴なものはいないから、
            絶対一緒にしないように、そして早く去勢させること、
            と何度も念を押す花嫁の父、FanFan。

            まあともかく、
            奇妙ながらもやさしいお宅に嫁げて、
            よかった、よかった。


            ちなみに、アノンスのFanFanの写真を見たムッシューは、
            その写真を拡大コピーして手元に置き、
            馬を飼う夢を膨らませていたらしい。

            いやはや、
            アノンスの最初のページに掲載される効力はあるのですねぇ。
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by yokosakamaki | 2013-04-20 23:21 | うちの馬物語

3頭の子馬

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            季節はガラリと変わって、去年の5月のこと。
            ミヤマキンポウゲの黄色い花が咲き乱れる牧草地を走り回るのは、
            生後約1週間ほどの雌の子馬。

            最初に雄の子馬が生まれたのに続いて、
            それぞれ異なる母馬から雌の子馬2頭が誕生したのです。
            もちろん、父馬は同じ、うちの種馬リソワール。
            したがって、3頭は異母兄妹なわけですね。


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            こちらが彼らの父さんである、リソワール。
            アパルーサ種という馬で毛色が斑になっているのが特徴。
            雄の子馬が生まれたときは、
            背中にちゃ~んと白い斑点があったのだけれど、
            残念ながら雌2頭には斑点はなし。

            FanFanは残念そうながら、
            アパルーサは成長によって毛色も変わってくるから、
            これからどうなるのか分からないとか。


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            母さん連中がみんな白っぽい毛色なのに対して、
            子馬連中がみんな茶系なのが対照的。
            他に共通点といえば、頭に白い模様があることながら、
            たいていの子馬は生まれた時はそうなのだとか。
            子猫のように毛色バリエーションはあまり豊かではないらしい。
            まあ、縞模様はいないからねぇ。

            上の写真の一番右側は去勢した雄馬のマツ。
            彼のように白地に茶系の斑模様や、
            白地に黒系の斑模様などもアパルーサの毛色にはあり。

            母馬の中にも年を取るごとに白くなってしまった馬もいるようだし、
            今は茶色の子馬たちも母さんやマツのように、
            白っぽい毛色になってしまうこともあるのだそう。


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            父さんも母さんも正真正銘のアパルーサ種というわけで、
            子馬たちには血統書を作ります。
            そこで必要なのは名前。

            フランスでは動物の血統書を作るためにつける、
            名前の頭文字が年によって決まっていて、
            2012年に誕生した馬の名前は“C”から始まらなくてはいけません。

            これは犬や猫たちも同様で、
            気になって見てみると他にも、牛、羊、鶏、
            さらに魚や蛇まで!ペットや家畜には同じ決まりがあるのです。
            これらは書類を作るための便宜上で、
            もちろん後に飼い主になった人は好みの名前に変えることも可能。

            しかしながら他の動物たちは、2012年は“H”、2013年は“I”と、
            どの動物も共通の頭文字になっているのですが、
            なぜか馬だけは2012年は“C”、2013年は“D”とずれているのが謎。
            法律を制定した年が馬だけ異なったということかしらん?


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            そうして子馬3頭の名前は、
            雄馬がシラノ、
            頭に四角い模様がある雌馬はクリスタル、
            頭に鼻まで模様がある雌馬はコメット、
            に決定!

            上の写真は生後1か月のコメット。
            だいぶ体つきがしっかりしてきました。
            母乳を飲む傍ら、牧草地の草も食べ始めるのだけれど、
            可笑しいのが足の長さに対して、
            首の長さが足りないこと。

            この時期は足を折り曲げないと、
            地面の草に頭が届かないんです。
            そうよね、すでにすらりと長い足をお持ちだけれど、
            首はちんちくりんだもの。

            それとも、草を食べるために首を伸ばすことで、
            徐々に程よい首の長さに調節されていくということかしら?


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            生後4か月の雌馬2頭。
            体格ががっしりしてきて、母さんと一緒に走る、走る。

            生まれてからず~っとそれぞれ母馬の傍に寄り添ったままで、
            食べるのも、走るのも、寝るのも、
            いつも母親と一緒。
            
            どの生き物も子供のころは、
            なんといっても母親が一番ですから!



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            そんな幼少時代も過ぎて、
            今年2月初めに子馬たちを親から離したFanFan。
            子馬3頭は家から一番近い牧草地に一緒にし、
            安心させるために、
            子馬たちから見える位置の牧草地に母馬たちを放す。

            でもやっぱり母親が恋しいようで、
            最初のころは子馬たちが鳴く声が、
            家まで聞こえていました。


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            親離れ、それも成長する上で必要な過程です。


            
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by yokosakamaki | 2013-04-07 02:05 | うちの馬物語

子馬誕生!

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            その日は、うちの家の門を自動化するために、
            ほぼ毎週のようにやって来る電気技師のフランソワがいて、
            朝からバタバタしていた日だった。

            私は何の用事だったか忘れてしまったけれど、
            中庭にちょうど出ていて、
            牧草地から興奮ぎみに戻ってきたFanFanにバッタリ。

            「なに、子馬が生まれたって!」
            
            大慌てでカメラを取りに家に戻り、
            2人で一緒に牧草地に向かう。
            たいてい、子馬が生まれるのは夜の間で、
            FanFanでもいまだに出産に立ち会ったことはないのだとか。
            よって、ある日、牧草地に行くと、
            突然、馬が1頭増えているというわけ。


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            本当だ!昨日までいなかったチビッ子が、
            突然姿を現した!!

            とはいえ、生後1日目とは思えない立ち振る舞い。
            驚くべきはその強靭な足で、すでに母馬とほぼ同じぐらいの長さ!
            その4つの頑丈そうな足の上に小さな体が乗っかっているのだから、
            アンバランスなことと言ったら!

            子馬と言うより、
            “太足のバンビ”みたい!!

            セリア母さんにぴったりくっついたまま、
            すでに小走りだってできる。
            生後1週間でも目すら開いていなかった子猫たちとは大違い。
            まあ、子猫たちが2ヶ月ほどで生まれてくるのとは異なり、
            子馬は11ヶ月も母馬のお腹の中にいるのだから、
            準備万端で外界に出てくるというわけなのだろう。


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            生まれたてという証拠は、
            草の上に残った胎盤などを排出した生々しい後産だけ。
            テレビや映画でよくある、
            生まれたばかりの子馬が立ち上がる感動的瞬間なんて、
            そうそう見られるわけではないのですよ。

            出産後の母馬も気が立っているため、
            あまり近づかない方がいいとか。

            ちょうどこの日の午後にやって来た、
            毎週、うちにチーズを運んで来てくれる、
            シェーヴルチーズ屋さんのドミニク。
            以前、生まれたばかりの子馬を見にFanFanと牧草地に入ったところ、
            不注意にも出産直後のセリアの首を撫でた途端、
            わき腹をガブリと噛み付かれたことがある。
            プロレスラー並みにガタイがいいドミニクながら、
            なんと肋骨を折る羽目になったとか!

            「じゃ、今から一緒に子馬を見に行くか?」とFanFanに聞かれ、
            「勘弁してくれ!!!」と悲鳴を上げていた。
            

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            午後に再び、こっそりと子馬の様子を見に行ったら、
            ちゃ~んとセリア母さんの母乳を飲んでいました。
            生後1日目にして、
            生きるための必要な術を心得ている子馬。
            もちろん出産にも事故はつきもので、
            元気に生まれてくるとは限らない。

            FanFanがセリアの気を荒立たせないように、
            足の間を覗き見た子馬は、立派な男の子だそう。
            毛色はリソワール父さんと同じような茶色に、
            アパルーサ種の特徴である白い斑点がある。
            まだ短い尾の付け根から背中にかけては、
            黒っぽい線が入っていて、
            FanFan曰く、「これは価値があるぞ!」とか。


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            お腹がいっぱいになったら、次はお昼寝。
            これは子猫たちと変わらないね。

            ゆっくりとお休みなさい。
            地上に生まれ出た最初の日は、
            あなたにとって、
            それはそれは大変な1日だったことでしょうから。
            
            

            

                       
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by yokosakamaki | 2012-05-17 00:28 | うちの馬物語

種馬、リソワールの活躍

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            最近のFanFanは、ノルマンディーの家に帰るなり、
            子馬が生まれたかどうかを見に、牧草地へ直行するのが習慣。
            が、牝馬のセリアのお腹は、
            これ以上膨れそうにないくらいパンパンだというのに、
            毎回の報告は「まだ」。

            そんな中、いち早く吉報をもたらしてくれたのが、
            うちの子猫たちでもお世話になった獣医のアニエス。
            FanFanの携帯に「カリフォルニア(子馬の名)誕生!
            毛色はお父さんそっくり。いつでも見に来てください」
            とメッセージが送られてきた。

            思い起こせば、去年の今頃、
            私たちが子猫誕生で大騒ぎをしていた時に、
            彼女は自分の馬をうちに連れて来ていたのだ。

            FanFanはアパルーサ(appaloosa)という、
            北西アメリカ原産の特殊な馬を飼育している。
            したがって自分の持ち馬に種付けをするため、
            馬を連れてくる人もたまにいるというわけ。

            といっても特に人工的なことをするわけではなく、
            うちの種馬くん、リソワールと一緒にひとつの囲い地の中に入れるだけ。
            ただ、行為自体はかなり乱暴なものになるため、
            馬同士がケガをすることもしばしば。

            去勢していない牡馬リソワールは、
            たまりにたまった欲望をここぞとばかりに発散!
            ということは容易に想像がつくのだけれど、
            実は牝馬の方が主導権を握っていたりするのだ。


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            牡馬とお見合いさせられた牝馬は、
            発情していると大量におしっこをする。
            それを合図に同じ囲いの中に入れるのだけれど、
            興奮大全開のリソワールは、
            牝馬が囲い地の中に入ってくるのを待ちきれないとばかりに、
            柵を乗り越える勢いで牝馬に向かっていく。

            巨体のリソワールが、自分よりもさらに巨体の牝馬にまたがるのだから、
            それはそれはロマンティックとは程遠く。
            愛をささやき、やさしく愛撫しながら、
            なんて手順も踏まず、即、行為に至る。

            したがって、牝馬が“その気”になっていても、
            乱暴なこと、この上ないのだけれど、
            「今日はちょっと疲れているのよ!」と乗り気でない時には、
            足蹴りはもちろんのこと、体当たりで拒否される。
            リソワールの背中に歯型!が残っていることもあったり。

            そんな暴力を心配する母、アニエスからの要望は、
            「1回につき、1回の挿入のみでやめさせてください」とのこと。
            「過保護じゃあるまいし、そんなうまくやめさせられるか。
            そもそも1回でなんて、うまくいくわけがない」と、
            FanFanは苦笑いしていたっけ。
            
            結局、アニエスの牝馬は1週間ほどうちの牧草地に滞在し、
            怪我もせず、無事に帰宅。
            その後、エコグラフィー検査を受けさせて、
            妊娠が確認されていた。

            まあ、交尾で馬に怪我されて困るのはFanFanも同じこと。
            そこで方法を変えてみることに。
            常に種牡馬と牝馬を一緒にしておけば、急激な興奮も少なくなり、
            怪我をする確立も少なくなるだろう、と。

            そこで徐々に牝馬の数を増やしてゆき、
            最後には4頭もの牝馬とひとつの囲い地の中に放されたリソワール。
            彼にとって、これ以上すばらしいハーレムはないでしょう。
            そしてその活躍や、めざましく。


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            その約11ヵ月後の今、
            アニエスの牝馬の出産を皮切りに、
            うちでもセリアに続き、他2頭の牝馬のお腹が膨らんでいる。
            そろそろ、子馬出産ブーム到来です!!
            
            
            
            
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by yokosakamaki | 2012-05-13 23:19 | うちの馬物語

馬のネイルサロン

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           暖かい(暑いくらい)日が増え、
           どこもかしこも生き生きとした緑や花で彩られ、
           馬と一緒にお出かけしたい季節になりました。
           でもせっかく出かけるならばその前に、
           ちょいとおめかしをしようではありませんか。

           今回、かり出された馬は、
           イスパノおじいちゃんとヴィオレットおばあちゃん。
           20歳以上にもなる、FanFanの馬の中でも最高齢の2頭。

           私みたいな馬乗り初心者は、
           元気いっぱいの若い馬を乗りこなせないため、
           動きものんびりとした老馬があてがわれるのです。

           この2頭をお出かけ用にきれいにしてくれるのが、
           馬に蹄鉄を打ちつける装蹄屋さん。
           職業のイメージから、その道ウン十年という、
           ベテランのおじいさんがやってくると思いきや、
           予想よりも若手だったのでびっくり。

           「この仕事は腰を痛めるからね、年寄りには厳しいんだよ。
           という僕もそろそろツライ歳なんだけどね」と話すのは、
           装蹄師のエルヴェ。
           作業を見ていると、始終中腰姿で行うため、
           見ているだけでもこれは大変そう。

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           まずは古い蹄鉄を取り除き、蹄をきれいにすることから始める。
           両足で挟むか、膝の上で馬の足を固定し、
           蹄の先端を3~4cmほど切る。
           裏の汚れた部分を削り、平らになるようにやすりをかけ、
           蹄の大きさを見ながら、蹄鉄の形を金槌で整える。
           蹄鉄を蹄に合わせてみて、
           さらに蹄を削り、蹄鉄を変形させ、
           2つがぴったりと合うまでこれを何度となく繰り返す。

           少し前までは蹄鉄も馬の蹄の形に合わせて、
           その場で作っていたとか。
           蹄鉄がまだ熱いうちに蹄につけるため、
           その度に煙が出て見ものだったらしい。

           今では蹄鉄から作る人は稀で、
           約12サイズほどに揃った既成品を使うのが一般的。
           それでも馬によって異なる蹄の大きさに合わせて、
           蹄鉄の大きさを微調整していくのは大変な作業だ。

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           その間、2頭の老馬はまったく動かず。
           泥で固まったたてがみをFanFanにパッツリ切られて、
           おかっぱ頭になったヴィオレットおばあちゃんなんて、
           居眠りしている様子。
           美容院でパーマをかけられながら、
           こっくりこっくり居眠りするご婦人といったところか。

           そんな2頭の足元でせっせと働くエルヴェ。
           最初は真っ黒だった蹄は今や白く輝き、
           新しい蹄鉄もピカピカに光っている。
           まさに爪のお手入れを入念にされ、
           オーダーメイドの靴を新調したような、
           至れりつくせりの扱い。

           こうした一連の微妙な作業は、
           もちろん機械ではできず、
           人間がやるからこそできるというもの。
           でも、こんな大変な作業をやる人は、
           今では少なくなっているのではないかしら?

           「ノルマンディーは馬が多いからやる人も多いし、
           仕事も多いんだよ」
           エルヴェ自身、馬の飼育をしながら、
           装蹄屋さんも受け持っており、とても忙しそう。
           人間の爪同様、馬の蹄も伸びるものなので、
           蹄鉄を替えるのも約3ヶ月ごとに行うものだとか。
           さらに周りを見回しても、馬だらけなノルマンディーで、
           装蹄屋さんが大忙しなのも納得。

           自然があって、馬がいて、馬に乗る人がいて、装蹄屋さんがいる。
           無理なく、ごくシンプルな流れの中で、
           昔ながらの職業が自然と残っていることが、
           なんだかとってもうれしい!

           さて、老馬2頭の足元も美しく変身したことだし、
           春の陽気の中、お散歩に出かけましょうか?


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           と、さっきから私たちの足元を、
           ウロウロしているのはうちの犬、アカント。
           今日の彼女はサロンの掃除婦を買って出ているようです。
           なぜならば、切り取った蹄のおこぼれに預かるのが狙いだそう。
           お味としたら軟骨みたいなモン?旨いんすか、それ?

           何はともあれ、無駄なくすべて召し上がれ。
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by yokosakamaki | 2011-04-09 23:04 | うちの馬物語

はじめまして

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                   うちにはこんなにデカイ間借り人たちもいる。

                   デカすぎて家にも納屋にも入ることができず、
                   広い牧草地をあてがわれている。
                   頭数も多いからひとつに収まりきれず、
                   いろんな場所にある牧草地で暮らしている。

                   さらに一定の時期を過ぎると、
                   他の牧草地に引っ越したりするから、
                   私はいまだに、うちの家族構成を把握できずにいる(汗)。

                   そこらへんは、おいおい把握していくことにして、
                   まずは身近なところから紹介していきましょう。

                   
                   うちのすぐそばに住んでいるのが、
                   アパッシュとアレジアの2頭。
                   家の窓から時々、頭が2つ動いているのが見え、
                   もっとも家族の一員らしい距離にいる2人組。

                   去年の夏前に生まれた、まだ1歳未満の子馬ながら、
                   すでに身長は140cmほど。
                   体は大きいけれど、中身は子供そのもので、
                   柵の中に初めて入った私に興味津々。
                   どんどんどんどん、どんどんどんどん、
                   2頭一緒に、私に向かってすごい勢いで近づいてくる。

                   一気にドアップになった顔の長さに圧倒されそうになるけれど、
                   まずは匂いを嗅いで人物チェックをされる。
                   見るからに大きな鼻の穴から出される鼻息はやはり荒く、
                   このまま吸い込まれてしまいそう。

                   それでもフンフン匂いを嗅いでいる姿はかわいらしく、
                   人懐っこい巨大な猫みたい。
                   そういえば猫に限らず、犬だって、
                   動物たちはみんな匂いを嗅いで相手を知ろうとするけれど、
                   さて、私の匂いにどんなデータがインプットされているのか、
                   非常に気になるところ。

                   コノヒトハ、フランスジンデハアリマセン。

                   コウブツハ、ワインデス。

                   なんてバレていたり。
                   
                   人間でも匂いを嗅ぐのが好きという友達がいるけれど、
                   私には匂いを嗅ぐという趣味はいまいちないな。
                   匂いを嗅ぐ時と言えば、冷蔵庫の中の賞味期限が気になるものぐらい。

                   そういえば、うちで日本食を出したりすると、
                   フランス人たちは決まって見ず知らずの食材を、
                   まずは匂いを嗅いでから食べ始めることに気がついた。
                   匂いは口に入れる前に最低限チェックできる、
                   安全基準といったところだろうか。

                   美味しそうな匂いか、不味そうな匂いかなら、
                   私にも判断できるぞ!

                   なんてことを思っている最中も、
                   2頭の子馬たちは匂いを嗅ぐのを止めず、
                   そのままエスカレートして私の服の袖口に噛み付き始めた。

                   まさか、君たち、
                   私を食べ物だと思ってはいないでしょうね?



                   
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by yokosakamaki | 2011-03-23 00:53 | うちの馬物語