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ノルマンディーの風

カテゴリ:うちの犬物語( 3 )

続・アカントが行方不明!

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            久しぶりに通常の生活に戻って気がついたけれど、
            そういえばこの日、プリュムの姿が夕方になっても見えない。

            牧草地に猫を探しに行くのは私の定期的行事ながら、
            うちの子猫たちもだいぶ大人になり、
            その回数もすっかり減った。

            特にプリュムはうち1番のオトボケだから、
            朝ごはんに来るのも遅いし、お昼ごろにノコノコとやってくるのも普通。
            でも、夕方になっても見えないことは、さすがにないかも。

            最近、忙しくて猫たちと散歩にも出かけてないし、
            久しぶりにプリュム探しに行きますか、
            と、残りの3匹の猫たちを引き連れて夕食前に牧草地に向かった。

            この頃になると、名前を呼ぶとどこからともなく探し猫が出てくるのが普通ながら、
            この日は牧草地の端までたどり着いても、プリュムが現れない。

            日が長いフランスの夏といえども、すでに日は短くなる一方で、
            うちの遅い夕食時ともあって牧草地はぐんぐん暗くなる時刻。
            仕方がないので、名前を呼びながら家まで戻ってくると、
            そういえばアカントの姿も見えないことに気がついた。

            普通ならば、夕食の支度をする私を、
            キッチンの窓越しに眺めているのがアカント。
            今日はすっかり遅い夕食になってしまったけれど、
            まだアカントも帰って来ないとは!

            夕食後、FanFanがアカントを呼んでみたけれど、
            やっぱり姿を現さず。
            寝る前に中庭を見てみたけれど、プリュムもやっぱり帰って来ていない。


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            翌朝、起きると昨晩帰ってこなかったアカントが、
            ちょっと気まずそうに家の前に座っているのが、
            ごく稀にあるいつものパターン。
            しかしこの日は、朝になってもアカントの姿が見えない!

            猫3匹はちゃんと朝ごはん待ちをしているというのに、
            やっぱりプリュムも見当たらない!!

            プリュムはともかく、初めて朝帰りもしないアカントに、
            FanFanはさすがにヤバイと思ったらしい。

            実家に電話をし、アカントは見ていないとの返事に、
            村のパン屋さんへ行き、近所を回って聞き込み調査をし、
            さらに実家の庭師さんを探して、右へ左へと走り回っている。

            その間に私は、プリュムとアカントの名前を呼びながら、
            残りの3匹の猫を引き連れて再び牧草地に向かった。

            と、あっけなく、
            鶏小屋の傍からプリュムが出てきてアカント探しに合流。
            しかし、牧草地の端までたどり着いても、アカントが現れない!!
            もちろん、お隣さんの庭に向かって名前を呼んでみたけれど、
            こちらもしんと静まり返ったまま。

            でも、猫が行方不明になるのとは違って、
            どう考えてもアカントが自分から姿をくらますとは考えられない。
            さらにあのデカイ図体なのだから、
            交通事故に遭ったならば大騒ぎになるだろうし、
            ましてやあの巨体を抱えて誘拐しようと思う人がいるとはかなり疑問。

            もしかしたら、捨て犬だと思われて保健所に連れて行かれたのかも。
            と思ったのも、先日、フランス南部のプロヴァンス地方に行っていて、
            迷い犬を拾ったからなのだ(話が長くなるのでここでは省略)。


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            何の収穫もなしで帰ってきたFanFanと話し、
            周辺の保健所に電話を掛けてみたところ、
            この日は日曜日でどこも留守電。
            
            お昼はFanFanの実家に行くことになっていて、もう出かけなくてはいけない時間。
            仕方がないから2人で車に乗り込み、
            うちの門を出てお隣さん家の前を通りかかると、
            ふと、「そういえば昨日、隣は外壁工事をしていたよね?」とFanFan。

            「まさか家の中に閉じ込められているのでは・・・」
            車を脇に止め、柵の門を乗り越えて、
            FanFanも堂々とお隣さんに不法侵入。
            工事用に貼られていた窓の保護シートを剥し、
            家の中を覗き込みながらアカントの名前を何度か呼ぶと、
            まさかまさかの、アカント発見!!!

            あんた、隣の家で一体何やっているのっ!!!!!!!!!

            外壁工事用の足場に貼られた業者の番号に電話すると、
            やっぱりこちらも留守電。
            運よく、先日の初対面で電話番号を交換していた新お隣さん。
            家に戻って彼らの携帯へ電話を掛けてみると、
            庭の隅に家の鍵が隠してあるとのこと!

            ようやくアカントを救出して、FanFanの実家のテーブルについたのは、
            約束から1時間遅れのことでした。


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            食事中、隣の外壁業者から連絡があり、
            FanFanが事情を説明すると、なんと向こうの言い分は、
            「自分たちが家に入ったら、すでに犬が中にいたため、
            そのまま家の中に入れたまま、ドアを閉めてきた」とのこと!

            前日、私がアカントを檻から出したのは朝10時を過ぎていたから、
            彼らが来る前に家の中にいたことは絶対にないし、
            そもそも別荘で家主がいつ来るかもわからない家の中に、
            犬を閉じ込めたままにしておく?

            FanFanは「アル中め!」と怒っていたけれど、
            他人の家の中に入り込むアカントも相当、おかしいでしょ。            
            FanFanが見つけなかったら、閉じ込められたまま死んでしまったかもしれない。

            それにしてもいくらお隣さんが賑やかだからといって、
            何がそんなにうちよりいいのかが分からない。
            そんなにお隣さんがいいのなら、隣の家の子になっておしまい!!!


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            その後、隣に人がいるときは檻の中に閉じ込めて禁固刑に処されたアカント。
            ある晩、友達のクリスチャンが自分の犬のデュヌを連れて遊びに来ていたため、
            恩赦してあげると、仲良しのデュヌを放ってまで、
            アカントがお隣さん家に行ったのには、みんなで唖然。

            FanFanが呼んだら、すぐに戻って来はしたけれど、
            その時、すでにアカントはお隣さんの食卓の下に陣取っていたとのこと。

            結局のところ、後で分かった話だけれど、
            アカントはお隣さんの食事中、お裾分けをもらっていたらしい。

            食べることが一番の楽しみである動物たち、
            ごはんがもらえるとなれば、そりゃまあ、勇んで隣の家に行くわなあ。
            アカントの目の前に隣からの鶏肉の骨を置き、
            「さあ、これを食べずにうちに忠誠を誓え!」と言ったって土台無理な話。

            となると、問題はアカントというよりも、
            “動物好きなお隣さん”なんではないか。

            いや、毒を盛られてはとんでもないから、
            “動物好き”であるには越したことはないけれど、
            でも他所の家の犬にごはんをあげる必要はないでしょう。
                        
            と思うと、これが犬だから檻に閉じ込めるなり、対処はできるものの、
            うちの猫たちだったらと思うとぞっとする。
            「お隣さんの方がごはんがおいしいから、隣の家の子になる」と、
            猫たちに言われたら一体どうしよう!!!

            作家の中島らもが、隣人と刺身のトロで猫の争奪戦をしていたけれど、
            まさかうちでも鶏肉の骨でアカントの争奪戦をすることになろうとは、
            思いもよらなかった。

            とにかく、お隣さんがたまにしかいない“別荘”で、
            本当によかったと、
            つくづく思う今日このごろなのです。 


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by yokosakamaki | 2013-09-23 01:57 | うちの犬物語

アカントが行方不明!

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            夏の私たちは1日24時間どころか、
            1ヵ月31日あっても足りないくらい、てんてこ舞い。
            (というわけで写真は春のものでスミマセン)

            今年は6月まるまるいっぱいまで、非常に寒く、
            うちの果樹園のフルーツたちは実を膨らませながらも、
            なかなか熟す様子を見せず。
            7月に入った途端、なんとかお天道様も機嫌を直した様子で、
            一気に夏日になり、びっくりするほど快晴続きに。
            2週間ほどの地方取材から帰ってくると、
            ようやくカシスが収穫の時を迎えてくれていた。

            本来ならば、7月頭に行うカシスの収穫が、
            7月中旬になってしまったのだから、
            今年の季節は半月ほど遅れているよう。

            したがって旅から帰ってくるなり、
            翌日からカシス収穫と相成ったわけだけれど、
            自分の地方取材につき合わせてしまったFanFanを、
            私も手伝わないわけにはいかない。

            夏休みのアルバイトでやってきた子供たちと一緒に、
            今年は手伝いましたとも!カシスの収穫!!


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            いつもならば、動物の方が多いうちの人口。
            収穫に来る子供たち以外にも、
            この時期はうちに夕食を食べに来る大人たちも多く、
            人間の数が3倍にも、4倍にも増えるのだから、
            賑やかなことこの上ない。
            、
            さらに朝から晩まで果樹園にいるし、
            昼ごはんも、夕ごはんも外のテラスで食べるため、
            1日のほとんどを外で過ごしているようなもの。

            そんな大賑わいの状況を一番喜んでいるのは、
            うちのドイツシェパードのアカントさん。

            なんといっても、いつもならば、
            住人の1人目は家の中で猫と一緒に閉じこもって仕事をしているし、
            住人の2人目は右へ左へと大忙しで走り回っているしで、
            誰にも相手にされないアカントさん。

            でもこの時期は、お客さんたちは大抵最初は構ってくれるし、
            子供たちなら飽きもせず遊んでくれるしで、
            有頂天のアカントさん。

            人々の間を飛び回り、その巨体で思う存分体当たりした上、
            撫でてもらってはべろんべろんと舐め回す。
            その狂喜乱舞する姿といったら、
            突如スポットライトに照らされて調子に乗る、売れない芸人みたい。

            いやはやまったく、あんたがスターよ!


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            そんなカシスの収穫も一段落し、
            次に収穫するさくらんぼが熟れるのを待って、しばしの休息の日。
            その日はFanFanたちは午後から馬乗りに出かけてしまい、
            私は1人残って家の中で自分の仕事をしていた。

            夕方、馬乗り組が帰ってきてしばらくすると、
            門のチャイムが鳴った。
            インターホンのカメラで覗いてみると、
            見知らぬ男の子たちの後ろにいるのは、
            なんとうちのアカントさん!


            古い農家を改築したうちの家は、
            昔は同じ敷地にあったもう1軒の家が隣接している。
            したがってFanFanの書斎やトイレ、物置などの裏側にある窓を開けると、
            そこはお隣さんの庭という不思議な造り。
            窓から家屋が見えるわけではないし、
            生け垣でうまい具合に目隠しされているから、特に困ることもなく。
            
            逆に樹木が立ち並ぶ間を小路が曲がりくねって続く様子は、
            うちの窓から覗く秘密の小庭といった感じ。

            そんな隠れ家的庭をうちの猫たちが放っておくわけがなく、
            裏側にある窓を通っても通らなくても、
            隣の敷地に堂々と不法侵入しているのは当たり前のこと。

            隣の家が別荘として使われていることもあって、
            所有者たちは時々しかやって来ないし、
            猫たちは自分たち専用の庭のように自由に出入りしている状態なのだ。

            以前、アカントを探していた時、
            私の呼ぶ声に反応してガサガサと音が聞こえてくるのに、
            どうしてか姿を現さないことがあった。

            どうも裏から音が聞こえてくるためお隣を覗くと、
            どこからか隣の庭に入り込んだのはいいけれど、
            出るに出られないアカントが塀の向こうにいて、
            その巨体を必死の思いで引っ張り上げたことがある。

            FanFanがトイレに入っていて、
            窓の向こうにアカント発見!
            と、大急ぎで救出しに行ったこともある。
            アカントにしてみれば、隣に侵入したはいいけれど、
            出られなくなることもあったため、
            この頃は無茶な侵入をあきらめていたよう。
            
            その隣の家が売りに出されていて、
            つい最近、所有者が変わったばかりだったのだ。
            とはいえ、すでに数ヶ月は経つというのに、
            「隣接した隣なのに何のあいさつもない」
            と、FanFanは嫌な顔をしていたのだった。


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            その新しいお隣さんが、
            アカントを連れてやって来たというわけ。

            子供たちの後ろには彼らの祖母だという年配のマダムもいて、
            初対面のあいさつをし合う。

            人懐っこそうな、おしゃべりなマダムで、
            アカントが勝手に入り込んだのを侘び、
            「うちには猫が4匹もいて、これからもお邪魔するかもしれません」
            と話すと、
            「うちにも犬がいるし、みんな動物は大好きだから大丈夫よ!」
            と言ってくれ、ほっとひと安心。

            家はやはり別荘に使うとのことで、FanFanも私もさらに大満足。
            「近いうちにアペロでもご一緒しつつ、ゆっくり話しましょう」と言って、
            お隣さん一行は帰って行った。

            しかし、アカントにしても、
            隣の家に人がいる時に入り込むとは、初めてのこと。

            私が思うに、最近、スター気取りだったアカントさん。
            うちにもお昼までいろんな人がいたのに、
            急に誰もいなくなり(私は家の中にいましたけど)、
            静かになった我が家で聞こえてくるのはお隣さんの声。
            その賑やかさに引かれて、
            ここは一丁、隣でもスポットライトを浴びてやろうじゃないか、
            と調子に乗ったに違いない。

            そういえば、去年の夏休みのアルバイトに、
            同じ村に住む女の子がいたのだけれど、
            ある日、お昼休みで自宅に帰る時にアカントがついて来てしまい、
            仕方がないので午後に一緒に連れて帰ってきてくれたことがあったっけ。

            何が忠犬アカントだ!
            やさしくしてくれる人なら誰でもいいっていうわけ?


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            その翌日は、収穫もないため家には誰も来ず、
            ホント久しぶりに通常の生活に戻った1日。
            私は朝から家の中で仕事をし、
            FanFanは相変わらず右へ左へと外を走り回っている様子。

            例年のごとく、夏は家の中になかなか入ってこない猫たちだけれど、
            特に知らない人々がいると、
            アカントのようにスポットライトを浴びる気はさらさらなく、
            ご飯を食べてはさっさと姿を消してしまう。
            今日は他人は誰もいないし、なんと言っても私が家の中にいるし、
            久しぶりにパシャが自分の陣地でひっくり返って寝ているのが見える。

            外はきらめくばかりの夏の真っ盛り。
            まるで春に十分に働かなかったことを後悔しているとでもいうように、
            太陽がせっせ、せっせと光と熱を降り注いでくれている。

            お隣さんも朝早くにいなくなったようで、
            午前中は業者が隣の外壁を工事する音が聞こえていたけれど、
            午後になるとすっかりいつもの静けさを取り戻していた。

            と、そんな静かな日常が戻ったのもつかの間、
            この後にさらなる事件が待ち構えていたのです。




           
           

                   
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by yokosakamaki | 2013-09-16 01:42 | うちの犬物語

忠犬アカント

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                   この子も紹介しなくてはいけません。
                   うちのジャーマンシェパード犬、アカント。

                   アカンサスの花に名前を由来する、
                   うら若き乙女ながら、まさに八方美人。
                   人間と見ると長い尻尾をブォンブォン振り回して、
                   誰彼かまわず抱きついてしまう。
                   しかも自分はか弱き娘だと思い込んで飛びついてくるため、
                   その怪力に倒されそうになることしばしば。

                   雨が降った後はさらに大変。
                   泥だらけの体で体当たりをしてくるため、
                   「お願いだから近寄らないでー」と逃げ惑うことに。

                   えぇ、彼女に悪気はないのです。
                   ただただ、うれしくって仕方がないのです。

                   といってもFanFanへの忠義の心は別格で、
                   中庭で仕事をする彼の後を用もないのにくっついて歩く。
                   果樹園と牧草地の向こう側に住むFanFanの実家に彼が車で向かうと、
                   さっき家で別れたはずのアカントが、
                   すでに先回りして実家でお出迎えしてくれるというから可笑しい。

                   猫がかわいらしさで主人の心をゆさぶるならば、
                   犬はやっぱりその忠誠心で全面アタックというわけだろう。
                   常にFanFanを目で追っているアカントの後ろ姿、
                   まさに健気な乙女そのものではないですか!

                   猫派な私としてみれば、
                   「もっと気楽にいこうぜ~」と言いたいところだけど、
                   時にはFanFanの言うことも聞かないアカント。
                   結構、何気に手を抜いているらしい。
            
                   私たちが家を留守にする時は、
                   アカントはFanFanの両親の家に連れて行かれる。
                   しかし実家でもドイツシェパードが3匹もいて、
                   みんなと一緒に大きな檻の中に入れられてしまうのが気に入らない。
            
                   したがって、たいてい車に乗せられる時は、
                   実家に連れて行かれる時なので、
                   名前を呼んでもやって来ない。
                   それどころか、見るからにイヤイヤのやる気のない態度で後ずさりし、
                   垣根の後ろに隠れたりする。
                   それとも、「私はいませんよ」と言う顔をしてそっぽを向き、
                   聞こえない振りをする。

                   それ、バレバレですから。

                   四駆の荷台に乗せられるのも好きではない。
                   なんせ高さがあるので、
                   飛び乗るためには助走をつけなくてはいけないのだけれど、
                   何度も飛び乗りきれず、痛い思いをしているので、
                   荷台の前でどうしても止まってしまう。

                   跳び箱の踏み切り台で、
                   どうしても止まってしまうのと同じことですな。

                   というわけで、跳び箱、じゃなくて荷台に飛び乗るために、
                   何度もFanFanに練習をさせられるはめに。
                   それでも技をイマイチ習得できず、
                   相変わらず、FanFanに抱えられて乗せられることも多いアカント。

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                   警察犬をも務める優秀なジャーマンシェパードともあろうお方が、
                   そんなことでいいのだろうか?
                   情けない。。。

                   そんなお間抜けなアカントが、
                   唯一、うちの中で強気に出られる相手と言えば、
                   いわずと知れたチビ猫のミヌー。

                   この2人の激しい攻防戦は、
                   また改めてお伝えしますね。
                   
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by yokosakamaki | 2011-04-02 23:03 | うちの犬物語