「ほっ」と。キャンペーン

ノルマンディーの風

カテゴリ:うちの猫物語( 34 )

プリュム、その後

d0223186_22334197.jpg

       プリュムがいなくなってから、
       フランス中の迷い猫、見つけ猫が掲載されるサイトを見るのが習慣になった私。

       去年の春先、そのサイト上でふと、プリュムに似ている猫を見つけた。
       とは言っても、掲載されている写真は、
       俯瞰から撮ったもので猫の背中しか見えない。

       しかし、この背中がどうにもプリュムのような気がしてならない。
       手元にあるプリュムの背中の写真と何度見比べても、
       黒とグレーの色の割合、縞の太さ、模様の描かれ方など、
       どれを取ってもよく似ている。

       絶対にプリュムだ。

       サイトを見るのが習慣になっているとはいえ、
       毎日、フランス全土で見つけられる迷い猫の多さに、
       正直言って、実際にプリュムが見つかるとは思っていなかった。

       まさか、本当にプリュムが見つかるなんて!!

       喜びで興奮しながら、この写真の掲載者に電話を掛けてみると、

       「で、あなたの猫はどこでいなくなったの?」
       「ノルマンディーです」
       「そんな遠くからうちまで来るはずがないじゃない!」

       と、ずいぶんつっけんどんな言い方。
 
       掲載者はアキテーヌ地方に住んでいて、
       もちろん猫が独りで歩いて行ったとは思いもしないけれど、
       間違えてトラックに乗って連れて行かれてしまったという可能性があるじゃない。

       こんなにも写真の猫が似ているのに、
       “遠いから”という理由で、プリュムじゃないと却下されるとは!
       唯一の手がかりがなくなってしまうかも、と焦る私は、
       とにかくその猫の他の写真を見せて欲しいと必死で訴える。

       「で、あなたの猫はいくつ? 去勢はしているの?」
       「しています。3歳くらいなんですけど」
       「じゃ、違うわね。去勢はしていないし、まだ小さな子猫よ」

       と、あっけなく、頼みの綱をざっくりと切られたのでした。

       猫の顔の写真だったら一目瞭然なのに、背中の写真に騙された。
       というか、どうせ載せるなら猫の顔写真にしてくれ。
       
       その後はサイト上でも、そこまでプリュムに似ている写真は見つからず。
       相変わらず、何の手がかりもないまま、月日が流れ。。。

       と、その初夏、いきなりの急進展があったのです。


       事の始まりは、同じ村に住む叔母さんから聞いてきたという知人の話。

       うちから500mくらい離れたところに住んでいる彼女の叔母さん曰く、
       「他所の猫をさらって来て、家の中に閉じ込める頭のおかしい男が近所にいる」
       とのこと!!!!

       FanFanもその“頭のおかしい男”のことは知っていて、
       その男は50歳代で、いままで一度も仕事に就いたことはなく、
       両親の家で親と一緒に暮らしていたのだけれど、
       今や両親は亡くなり、相変わらず何もせずに一人で暮らしているとか。

       さらにその叔母さん曰く、
       「一人で暮らしていて寂しいから、猫を捕まえては家の中に閉じ込める」
       なのだとか!

       ひとつの村に一人はつきものの、名物変人というわけか。

       早速、FanFanがその叔母さんに話を聞きに行ってみると、
       「猫を飼っているはずはないのに、
       その男の家のカーテンが猫にひっかかれたように破けている」だの、
       「隣の猫にエサをやって手なずけている」とかいろんな話が出て来る。

       さらに、
       「村のパン屋のマダムはその男から自分の猫を取り戻したことがある」
       なんて話まで出て来た!

       パン屋のマダムと言えば、
       プリュムがいなくなった時に迷い猫のサイトを教えてもらったし、
       店内にはいまだにプリュムの迷い猫のチラシを貼っていてくれて、
       猫好きなのは私たちも承知。

       でも、いままで猫を取り返した話は聞いたこともなかった。

       早速、FanFanがパン屋のマダムに話を聞きに行くと、
       猫を取り返した話はしなかったけれど、
       「そういえば、“頭のおかしい男”がプリュムのチラシの前でじっと写真を見ていた」
       というさらなる情報を入手。

       これはもう、直談判に行くしかないでしょ!

       と、FanFanと2人で殴り込み話し合いに相手の家を訪れたのです。

              
       “頭のおかしい男”の家は、見たところ普通の2階建ての一軒家。
       両隣、後ろも他の家に挟まれ、道に面した敷地内の中央に家が建っている。
       表から見ると、1階部分は半地下に埋まっている感じで、
       右半分はシャッターつきのガレージ、左半分は高所に小さな窓しかついていない。
       テラスがついている2階部分が、居住スペースなのだろう。

       道側からは玄関は見えず、門にも呼び出しベルがなかったため、
       FanFanと私はずかずかと門を入って裏手に回り、
       家の裏側にある玄関の前に立った。

       玄関の前には猫用のエサ容器があり、
       うわさの隣の猫らしい、小さな猫がうろうろしている。
       
       “頭のおかしい男”が住む、“外から見えない半地下のある家”に、
       映画『羊たちの沈黙』のクラリスが犯人宅に踏み込むシーンが頭をよぎる。


       おもむろに、FanFanが呼び出しベルを押した。




       開口一番、
       「人の家に入り込んで何やっているんだ!」の怒鳴り声。

       玄関はガラス戸になっていて、
       外に出て来なくても“頭のおかしい男”の姿が見えるのだ。
       白髪交じりのぼさぼさの頭、Tシャツにスウェットパンツの長身の男。
       「ボンジュール」も「どちら様ですか?」も「何のご用ですか?」も何もない。

       「出ていけ!」と怒鳴るばかりの男に、
       FanFanがプリントしたプリュムの写真をガラス越しに見せる。

       「猫を探しているんです。この猫を見たことはありませんか?」

       「見たことはない。さっさと出て行け!」

       お話しにならない。

       仕方がなく退散した私たちながら、興奮冷めやらず。
       その足でパン屋に直行する。

       マダムにたった今起きたばかりの“頭のおかしい男”との顛末を話すと、

       「そうそう、私も自分の猫がいなくなった時に、
       “頭のおかしい男”に脅しの電話をかけたことがあるの。
       そうしたら、すぐに猫が戻って来たわ」

       私たちが“頭のおかしい男”の家に乗り込んだことは、
       果たして脅しになったのだろうか???

       
       数日経っても、やはりプリュムは戻っては来ず、
       私たちの手ではどうにもならないため、動物愛護団体に協力をお願いすることに。
       今までの事の顛末を手紙に書いて送ると、
       すぐさま視察官から連絡が入る。

       今まさに“頭のおかしい男”の家に行ってきたと言う視察官は、
       私たちとまったく同じ扱いを受けたらしい。
       「もう少し様子を見てみます」と言い、
       また連絡すると約束して引き上げて行った。

       「家に来た人にいきなり怒鳴るなんて、やましいことがあるからだよね」
       と言うFanFan。

       「でもさ、“頭がおかしい男”ならそういう態度も普通なんじゃない」

       そもそも、その“頭のおかしい男”が、
       プリュムを家に閉じ込めているという証拠は何もない。
       あの叔母さんが言う、“猫に破られたらしいカーテン”は見なかったし、
       隣の猫にエサをあげるのは、猫好きだったらやりそうなこと。

       さらに、パン屋のマダムも脅しの電話を掛けただけで、
       実際のところ“頭のおかしい男”の家から猫が帰って来たのかどうかは分からない。

       そして、動物愛護団体の視察官からは、あれから何の連絡もない。


       なんやかんやあったけれど、
       結局のところ、すべては振り出しに戻ったようです。

  
d0223186_375118.jpg

[PR]
by yokosakamaki | 2015-06-14 02:46 | うちの猫物語

続・猫たちの春

d0223186_2242366.jpg

              時同じく、まだまだ寒い3月中旬のこと。
              いつものように猫たちと散歩から帰って来ると、
              珍しく出迎えてくれる者あり。





d0223186_20314815.jpg





              うちの子猫たちと血の繋がりがあるに違いないと、
              私が勝手に思っているあの“猫兄貴”。
              去年6月に姿を現してから、定期的にうちにやって来る猫で、
              時には外に置きっぱなしの猫ごはんを、
              朝、昼、晩と3食も平らげていく。

              うちの猫たちも何も言わないし、
              プリュムやミヌー母さんは、
              中庭にある木の根元や、
              納屋の中に置いてある藁の上に居座った猫兄貴の傍に座って、
              一緒に時を過ごすこともしばしば。

              私はこの猫兄貴が子猫たちの
              腹違いの兄弟もしくは親戚であるという確信を、
              ますます強めていたのです。
 


d0223186_20544497.jpg



              クロクロとパシャが、
              猫兄貴と一緒にいるところを見たのは、これが初めて。
              鼻キスであいさつを交わす友好的なクロクロはさることながら、
              最近、近所の黒猫とやり合っているパシャでさえも、
              まったく問題ないみたい。 

              今でもクロクロのことをいじめるパシャ、
              もしかしてあんた、“黒猫”というものがただ単に嫌いなのか?


d0223186_21482168.jpg



              しかし、この日はミヌー母さんの虫の居所が悪いようで、
              猫兄貴にケンカをふっかけたのはミヌー母さんの方。
              いままで仲良さそうに見えていたのに、
              突然、猫パンチを一発お見舞い。

              まったく、猫の世界というものはようわからん!

              そして、他にもなんだかいつもと違う雰囲気が、
              猫たちの間に漂っていることに気が付いたのです。




d0223186_2022326.jpg
  


                
              どうやら猫兄貴は、
              さっきからクロクロの後ばかりをつけ回しているらしい。

              そういえば、世の中は猫たちの求愛の季節。
              約3年前にミヌー母さんが子猫たちの父親であるフーテン父さんと、
              ほんの一瞬の恋愛関係に陥ったのも、
              まだまだ寒い春先のことでした。

              クロクロももうすぐ3歳になるところで、
              恋猫の1匹や2匹を持ったとしても不思議はない。
              うちのクロクロもそんな年頃になったんですねぇ(涙)。


d0223186_21463137.jpg


              
              と思うと、まさに自分の娘の初デートを見守る母のごとく、
              なんだか、すごいドキドキしてきた!

              猫兄貴はちょっと血縁関係が近そうなのが問題だけれど、
              他の猫とも仲がいいし、気のよさそうな男だし、
              なんといってもプリュムにどこか似ているところが大合格。
              クロクロの相手としては問題なし!

              ミヌー母さんは、たぶんその気配にいち早く気がついて、
              娘猫につく悪い虫を追い払うために攻撃を仕掛けたのだろうけれど、
              大丈夫、ミヌー母さんには私から説得しておくから。


d0223186_2225215.jpg
    


              なんて、親ばかりが盛り上がってみたところで、
              肝心の本猫の気持ちを聞いてみないことには始まらない。



              で、本猫クロクロはというと、 




    


d0223186_22395293.jpg
      


              完全に無関心。



              そうでした。
              うちのクロクロ姫はとっくのとうに避妊済みでした。

              人間好みの惚れた腫れたは、
              オンナを失った雌猫には通用しないのだ。

              と考えると、人間である私は勝手に哀しくなってしまった。





d0223186_23464511.jpg



              猫に避妊や去勢手術をしないと、
              もちろん猫たちはじゃんじゃか繁殖してしまうし、
              交尾で病気をもらうこともあるだろうし、
              雄猫ならばケンカをして大怪我をすることもあるし、
              そして雌猫を探していなくなってしまうこともあるでしょう。

              だからこそ、私も自分の猫たちに手術をしたわけだし、
              猫の避妊や去勢手術を反対するつもりは毛頭ない。

              でも、と思うのは、
              それら云々の猫に手術をする理由というのは、
              すべて人間の都合でしかないということ。

              子孫を残すという、生物として当然の権利を、
              有無を言わさず取り上げていることに変わりはない。

              とはいえ、雄猫のパシャやプリュムのことは特に何も思わない。

              もし去勢していなければ、
              パシャは黒猫とのケンカで大変な目に会ったかもしれないし、
              いや、そんなことになる前にいなくなっていたかもしれない。

              去勢していても、行方不明になったプリュムだって、
              生きているなら今ごろ、
              野原のどこかで繁殖してしまう可能性があるわけで、
              やっぱり去勢しておいてよかったとも思う。







d0223186_23261534.jpg

              
   

              それでも、木々が芽吹き始め、ひよこたちが孵化する、
              生で満ち溢れる春だからこそ、
              人為的な手術で新しい命が産めないという、
              不自然さを考えてしまう。

              そして、3年前にミヌーが身ごもり、
              もたらしてくれた小さな6つの命を思い出し、
              いなくなったプリュムのことと、
              今、目の前にいるクロクロとパシャのことを想う。

              この猫たちは、ミヌー母さんが産まなければ、
              存在しなかった命だということを。



              やっぱり、クロクロには、
              1回くらいお産を経験させてあげればよかった。

              と、どうしても雌猫クロクロが気になってしまうのは、
              私が同じオンナだからでしょう。
[PR]
by yokosakamaki | 2014-12-01 00:57 | うちの猫物語

猫たちの春

d0223186_693620.jpg

             朝起きて外に出ると、
             冷気で身が引き締まり、吐く息も白い、
             3月頭のこと。

             この頃の猫たちのお気に入りの場所といえば、
             中庭のど真ん中に停めてあったトラクターの運転席。
             オンボロでもガラス張りになっているため、
             温室状態で暖かいのだろう。
             大抵、ミヌー母さんとパシャが交互で、
             座席の上に座っているのが家の中から見えた。

             でも、その朝は運転席に2匹一緒に並んで座っているのが見える。


             これは珍しい!
             とカメラを片手にトラクターに近づくと、何だか変だ。

             パシャは常に朝からハイテンションな男なので、
             私が朝起きるとキッチンの入り口のガラス扉の前に陣取り、
             何やらわめいているのがいつもの朝の光景。

             でも、私がトラクターに近づいても、
             何も言わないばかりか、降りても来ないなんて。
             先にミヌー母さんは降りて来たというのに、
             独りで固まって、微動だにせず。


d0223186_51691.jpg



             ますますおかしい。
             うなだれているようでもあり、
             よく分からないまま、とりあえずそのままにしておくことに。

             猫たちに朝ごはんをあげ、
             自分も朝ごはんを食べ終わったけれど、
             パシャはトラクターから動く気配をみせない。
             さすがに、体の具合が悪いんじゃないかと心配になり、
             力ずくでトラクターから降ろすことにした。

             パシャの大きな体を抱えると、抵抗はしないのだけれど、
             何かを訴えるかのように鳴き止まない。
             そのまま家のサロンの中の彼の場所に運んでいくと、
             うずくまったまま、じっとしている様子。

             朝ごはんも食べていないし、
             一体どうしたのかと気になりながらも、そばで仕事を開始。
             午後になって、ふと起き上ったかと思うと、
             後ろ足をかばうようにひょっこひょっこ歩いている。

             やっぱり怪我したんだ!と思い、
             パシャの足を点検してみたけれど、外傷はなし。
             夕方になって、再び起きたパシャは、
             ゆっくりながらほぼ普通に歩けるようになり、
             小さな声でごはんを請求するまでに復活。

             結局、体には問題ないようだけれど、
             パシャに一体何が起こったというのか。



d0223186_559980.jpg




             思いつくことと言えば、
             最近やたらと中庭に出没するようになった大きな黒猫のこと。
             家まではやって来ないのだけれど、
             向かいの納屋の前をウロウロする姿をよく見かける。

             パシャとにらみ合っている姿を見たこともあるし、
             暗くなってから猫が喧嘩する声が聞こえたことも。
             もしや、あいつがパシャの意気消沈の原因か!

             念のために、ネットで検索してみると、
             縄張り争いで負けた猫は後ろ足を怪我するらしい。

             そうか、負けちゃったんだね。。。

             と思うと、朝からのパシャの様子が可笑しくて仕方がない。
             いや、猫だって落ち込むことはあるでしょうし、
             それを笑ってはいけないけれど、
             何といってもあの強気なパシャが、
             朝ごはんも喉に通らないほどのダメージを受けるとは!!

             さらに、ミヌー母さんの傍にいて慰めてもらっていたかと思うと、
             それはもうすぐ3歳にもなる大の男のやることなのか?

             いやいや、やっぱりパシャらしい(笑)。


d0223186_643524.jpg


             
             
             逆に腹が立って来るのが、あの黒猫。
             聞くところによると、畑向こうにある家の新しい賃借人の猫だそう。
             自分の家の縄張りで負けてしまうパシャもパシャだけれど、
             他所の家に入って来て、喧嘩を仕掛ける黒猫はどうなのよ!

             喧嘩に負けようが、何しようが、パシャはうちの猫ですからね。
             勝手にうちを縄張りにしないでよ!!


             その後も何度か黒猫の姿は見かけたけれど、
             それ以上の喧嘩には至らなかったよう。

             でもこの春、うちにやって来た猫は、
             黒猫だけではなかったのです。






             
             





             


             
[PR]
by yokosakamaki | 2014-11-09 07:19 | うちの猫物語

猫の不在

d0223186_20521792.jpg

            その頃、私は家で缶詰状態だったため、
            幸いにもその始まりに点を打つことができる。

            11月30日。
            プリュムが姿を消した日。

            実はその前々日にも、
            プリュムが帰ってこない日があった。
            だから、その前日の午前中に、
            みんなでプリュムを探しに行こうと決めた途端、
            姿を現し、ホッとしたところだったのだ。

            だから、その最後の日のことも、
            とてもよく覚えている。


            遅めの朝ごはんを食べたプリュムは家の中に入ってくると、
            いつも通り、私の仕事机の後ろにある、
            椅子の上に置かれたクッションに飛び乗って、
            夕方まで寝ていた。

            ふと、目を覚まし、
            仕事をしている私のところにやってきて膝の上に飛び乗ると、
            いつも通り、重低音でゴロゴロと喉を鳴らして、
            しばらく甘えていた。

            そしてふと、用事を思い出したかのように、
            膝から飛び降りて、そのまま外に出て行ったのだ。


d0223186_0492125.jpg






            パリに行っていたFanFanに、
            プリュムが帰ってこないことを電話で話すと、
            「ちょっと遠出しているんだろう。すぐ帰ってくるよ」とのこと。

            前々日の例があるように、
            いままでも1日くらい姿を見かけないことはあったし、
            私もそうかもしれない、と思う。
            それでも、帰ってくるのをじっと待ってもいられず、
            翌日から毎朝、プリュムを探しに牧草地に出かけた。

            雨続きだった11月も末になると、
            落とす水がすっかりなくなったようで、
            曇りがちながら、時折薄日が差すほどに回復。
            気温もあまり下がらず、心地よいほど穏やかな気候だった。

            でも、プリュムは帰ってこない。



            3日後、初めてうちの牧草地を出て、
            どこまでもついてくるパシャを連れて、
            外の世界にプリュムを探しに行った。

            でもあるのは、
            お屋敷のような大きな建物と、大きな農家が1軒。
            その周りを囲むのは、さらに延々と続く牧草地や畑、果樹園。

            こんなに何にもない場所で、
            いったいどこに行こうっていうんだろう。
            人間の私だって途方に暮れる。


d0223186_1433450.jpg




            FanFanは村唯一の商店であるパン屋さんに、
            探し猫の張り紙を持って行った。
            するとマダムが大の猫好きで(店の前に時々猫もいる)、
            親身になって相談に乗ってくれる。

            「探し猫のサイトもあるから、
            そこにもアノンスを出した方がいい」

            早速、サイトを見ると、
            フランス中の探し猫、見つけ猫がいるわ、いるわ。
            写真あり、なしとともに、猫の特徴から、
            いなくなった、または見つかった場所とともに明記されている。

            世の中の猫たちは、
            いったい何を求めて彷徨っているのだろう。


d0223186_0562588.jpg




            パシャの出戻りの一件から、
            私は「猫も自分の家を選ぶのだろう」と思っている。
            我が家で一番賢く、悪知恵の働くパシャが、
            わざとベッドにおしっこをしていたと白状しても、
            私はまったく驚かない。

            産まれた時から、うちの家から出たことのないプリュムが、
            外猫じゃなくて家猫になりたかったとか、
            近所の家の方がおいしいごはんをもらえるとか、
            家主不在に我慢がならないとか、
            うるさい弟妹のいない家がいいとか、
            いろいろと文句があったとしてもおかしくないのだ。

            外で暮らしている猫たちが自由であるならば、
            自分の家を選ぶのも自由だということ。


d0223186_058960.jpg



            現に、パシャとの仲が悪くなっていたのも事実。
            何がきっかけでそうなったのか、私にはさっぱり分からないのだけれど、
            10月末ごろから外で唸り合う声が聞こえるように。
            時にはわめく声も聞こえることもあり、
            その度に私は外に走り出し、仲裁に入ったのだけれど、
            プリュムとパシャのにらみ合いは激しくなるばかり。

            温和なプリュムがまるで人間のような声を出して、
            唸っているのを見るのは本当にびっくりで、
            気の強いパシャが彼をそこまで怒らせたのか、とも思うけれど、
            猫には猫の事情があるのだろう。

            そして、たぶんパシャが外にいたため、
            身を低くして、そろりそろりと去って行った姿が、
            私が見た最後のプリュムだった。




            もし、私に後悔できることがあるとすれば、
            あの頃にみんなで散歩に行かなかったこと。
            そうしたら、すんなりと仲直りしたかもしれないのに。
            私は2匹のことを気にかけながらも、
            日々の生活に追われていた。

            仕事の合間に、家から一歩外へ出るだけなのに、
            私は唯一、自分が猫にできることを怠っていたのだ。


d0223186_059251.jpg





            もちろん、プリュムがいなくなった理由は、
            他にも考えられる。

            FanFanを含め、周りの人々が言うのは、
            狩猟の時期で猟師に撃たれたのかもしれない、ということ。

            交通事故だって考えられないことはないけれど、
            こんな田舎で車にはねられるより確率が高いのではないか。
            猫がいると獲物に逃げられてしまうため、
            狙い撃ちをする猟師もいるといううわさながら、
            狩猟免許を持つ(!)パン屋のマダムは、
            「そんなことは禁止だし、罰金だ」と否定していた。

            狭いところにはまって出られなくなったのかもしれないし、
            心無い人に毒を盛られたり、罠にはめられたのかもしれないし、
            間違って車に乗って遠くに連れて行かれたのかもしれないし、
            うちから姿を消した45羽の鶏のように、
            もしかしたらキツネに食べられたのかもしれないし、
            それともそもそも、うちの敷地にブラックホールがあるのかもしれない。


d0223186_151092.jpg




            心優しい人々は、
            「3ヵ月後や6ヵ月後に猫が帰ってきた話があるよ」と慰めてくれる。

            実は、プリュムがいなくなる前から、
            村上春樹の“ねじまき鳥クロニクル”を読んでいたのだけれど、
            その話はいなくなった猫を探しに行くところから始まる。
            その後、プリュムが本当にいなくなって、他人事ではなくなるのだけれど、
            話の中で猫が戻ってくる場面があり、
            小説とはいえ、何と勇気づけられたことか!

            そうだ、猫は1年経っても帰ってくるんだ!!!



d0223186_171193.jpg





            村役場にも張り紙をお願いし、
            保健所にも連絡してメールで写真を送ったけれど、
            いまだにプリュムの消息は何もなし。

            迷い猫サイトにアノンスを載せてからは、
            この地域で迷い猫や見つけ猫が出ると、
            メールが送られてくるようになった。
            そして、毎日、地域以外の見つけ猫をチェックするのが日課になった。
            中には死んでいる猫を発見したアノンスもあって、
            私みたいに猫が帰ってくるのを待っている人がどれだけいるか、と思う。

            こういうサイトを見ると、
            世の中の猫たちは、
            どれだけ多くの猫を愛する人々に助けられているのだろう、
            とも思う。




            いくらでも悪いバージョンの“かもしれない”は考えられるけれど、
            考えたところでプリュムが帰ってこない限り、
            結局のところ、答えが出ることはない。

            作家、内田百閒はいなくなった猫のために、
            よくまあ、毎日泣いて暮らしたものよ。

d0223186_2195495.jpg



            それならば、良いバージョンを考えてみよう。

            たぶん、今頃、プリュムは猫好きの優しい人の家に入り込み、
            ごはんをたらふく食べ、ぬくぬくと暮らしているに違いない。
            愛嬌のある子だし、産まれた時から外猫だったんだもの、
            そう簡単に死ぬような奴じゃない。




            そして、もし、想像が未来を作るのならば、
            私は何度でもイメージするだろう。

            みんなで散歩に出かけると、
            草むらからひょっこりプリュムが顔を出すところを。



            そうして、私は今日も猫たちと散歩に出かける。
            プリュムを探しながら。



d0223186_2152952.jpg

[PR]
by yokosakamaki | 2014-02-24 02:23 | うちの猫物語

猫兄貴現れる!

d0223186_219746.jpg

            サロン兼仕事場でせっせと仕事をしていて、
            ふと、顔を上げると、窓の外に猫の後姿が見える。

            背中に白い斑点があるから、
            「あれ、パシャがいつの間に外に出たんだろう?」
            と、隣にあるソファーを覗くと、
            当の本人はいつものごとく、ひっくり返って寝ている。

            「となると、あれは一体誰かしら?」
            窓に近づくとプリュムっぽい丸みのある体。

            「げ、知らない間にプリュムの背中に白い斑点ができた!」
            大慌てて窓を開けると、
            びっくりして木の陰に逃げ込む猫一匹。


d0223186_2394316.jpg



            う~む、初めて見る猫だ。

            でも、よくよく見てもプリュムに似ている。
            毛色がより薄いグレーで、
            顔に傷があるから野良猫っぽいし、
            目つきも鋭くワルな感じだから、
            プリュムの方が断然美男子だけれど、
            面影があるある!


d0223186_2563789.jpg



            まるでプリュムの顔つき、体つきに、
            


                                   
            
            
d0223186_3334078.jpg



            パシャの背中の斑点を組み合わせたら、


                                   
            


d0223186_237862.jpg



            こんな猫ができちゃった感じ?


            ってどう見ても、あんたたち、

            兄弟でしょ!!!





d0223186_5173736.jpg



            ちょうど外からやってきたプリュムは、
            世紀の大発見に興奮する私にも、
            腹違いの兄貴にも超無関心で、
            猫ご飯を求めて
            私たちの前を通り過ぎていく。

            ホント、あんたたちって飯にしか興味がないんだから! 


            もちろん奴らの兄貴も、
            外に置いてあるうちの猫ご飯を
            平らげて去ったことは言うまでもなく。 

            ま、“奴らの兄貴”だから、
            仕方がありませんけどね。          
[PR]
by yokosakamaki | 2013-06-23 05:49 | うちの猫物語

子猫、1歳6ヶ月

d0223186_213380.jpg

            新たなる猫問題も一段落し、
            いつも通りに猫がみんな、
            家の中に入って来てくれるのはうれしいのだけれど、
            ここで、さらに別の問題が出てきた。

            猫の居場所が足りない!!!

            うちは床がタイルのため、
            畳や絨毯がある家のように猫がどこでも寝転がるわけにはいかない。
            まあ、たまには床の上でゴロゴロしていることもあるけれど、
            長居をする場所ではなく。

            いままでは、ジャンボクッション、クッションが置いてある椅子の上、
            または私の膝の上の3ヶ所が猫たちの居場所だった。
            でも、体が大きくなるにつれ、家の中の限定された猫場所に、
            猫たちが収まらなくなってきたのです。


d0223186_23462727.jpg



            どこからどうみても、はみ出してますな、プリュム。

            パシャだけは早々に、許可も与えていないソファーの上を、
            自分の陣地にしやがったけれど、
            他の猫たちはそこまでふてぶてしくなく。

            さらにミヌー母さんも家の中にいることに慣れ、
            猫4匹全員が家に入ってくると、まさに椅子取りゲーム。

            よ~いドンで、
            パシャがソファーの上、
            クロクロが私の膝か、横の椅子の上、
            ミヌーがジャンボクッションの上に落ち着く。

            となると、いつも遅れてやってくるプリュムの居場所がない。


d0223186_23265091.jpg


            
            
            小さい時はみんなで一緒に使っていたジャンボクッションは、
            1歳の誕生日プレゼントで拡張したものの、
            今や女子2匹がなんとか一緒にのれるくらいで、
            男子2匹一緒には、もうまったく無理。
            今、写真を見てみると、ミヌー母さん、
            このクッションの上で授乳までしていたなんて、
            信じられない!!

            まあ、あれから1年以上も経てば、
            


d0223186_23143539.jpg



            溢れ出てしまうのも無理はありません。

            それにしても、まだまだ大きくなるうちの子猫たち。
            1歳半を記念に再び体重を量ってみた。

            プリュム ― 4.9kg
            パシャ ― 4.9kg
            クロクロ ― 4.0kg

            げ、男子たち、5kg越すんですか?
            というか、猫ってこんなに大きくなるモンなんですか?
            私は1歳で成長しきったと思ってましたけれど。

            外は相変わらず雨続きの11月。
            家の中に居場所がないと、外に出て行ってしまうプリュムのために、
            作りましたとも、1歳半のプレゼント!


d0223186_113174.jpg



            久しぶりにアンティークミシンを引っ張り出し、
            使い古した掛け布団カバーを使って、
            巨大クッションカバー1枚とソファーカバー2枚を作製。

            クッションはクローゼットの中で眠っていた、なんと羽毛!で、
            椅子2つを向かい合わせた上に設置。
            ここはプリュムの陣地に確定したらしい。

            ソファーカバーは2つある1人用ソファーの上にかけて、
            “土足”で上がってくる猫たちから保護。

            FanFanは革張りのソファーを爪で引っかかれるんじゃないかと、
            猫に開放することを相当嫌がっていたけれど、
            ソファーカバーまで作ってしまった私に、しぶしぶ許してくれた。

            でもね、うちの猫たちは、外でバリバリ爪を研いでいるため、
            家の中のものをひっかいたことは一度もありませんから!


d0223186_1432441.jpg

            

            ソファーが解禁になり、
            今まで以上にデカイ態度でふてぶてしく寝るパシャ。
            えぇ、えぇ、大いに体を伸ばしてご活用ください。


d0223186_1583146.jpg



            ジャンボクッションから動かないかと思いきや、
            ミヌー母さんもすぐさま、もうひとつのソファーを自分の陣地に。
            何気にみんな、ソファーを狙っていた?


d0223186_3284728.jpg



            でも、1匹だけソファーには目もくれず、
            私の横から動かないのがクロクロ。
            今や、うち一番のマザコン女子は、
            まあ、唯一椅子の上にのっていられるサイズでも。
            さらにソファーにはパシャがいるというのも、
            彼女にとっては近づくべからず地帯。


            なにはともあれ、みんなそれぞれ自分の陣地を見つけたよう。
            でも、これが家の中で割り当てられる、
            最大限の猫スペースですからね。

            まさかこれ以上、
            あなたたちも大きくなることはないでしょうが。。。





            
[PR]
by yokosakamaki | 2013-03-09 03:39 | うちの猫物語

猫問題、再発!

d0223186_18275936.jpg

            夏の終わりと共に、家の中へ、
            私の元へと帰ってきてくれた猫たちだけれど、
            数日経つと再びクロクロが家の中に入ってこなくなった。

            外は雨だというのに、そんなに外がいいものか?

            と、最初は思っていたけれど、
            観察していると、どうにも様子がおかしい。

            外からサロンに入るガラス扉の前には来るのである。
            それなのに、私が扉を開けると、
            中を覗き込むようにして、またどこかへ行ってしまう。

            扉の周りをウロウロしていることもあり、
            「クロクロ、おいで!」と呼ぶと、
            私の足元に体をすり寄せては、
            やっぱり外へ出て行ってしまう。

            何があったか知らないけれど、
            サロンの中に入りたそうにはしているので、
            扉の周りをウロウロしているクロクロを追いかけては捕まえ、
            サロンの中に強制的に連れ込むこと数日。
            ようやく、自分からサロンの中に入ってくるようになった。

            が、その後ろに忍び寄る黒い影アリ。

            なんと、パシャがクロクロに、
            猫パンチをお見舞いしているのだ!

            パンチをくらったクロクロは凄まじい悲鳴をあげて、
            食器棚の下に潜り込む始末。

            どうやら、パシャがクロクロをいじめていたらしい。


d0223186_1858349.jpg



            またしてもパシャ、おまえか!

            独りでいるのが耐えられず、
            パリのアパルトマンから出戻ってきたパシャ。
            兄妹とミヌー母さんがいる賑やか家族に戻り、
            さらには自然の中を思う存分走り回れる環境だというのに、
            一体全体、何が気に入らないって言うのよ!
            ちゃぶ台ひっくり返すぞ!!

            まあ、パシャが出戻ってきた時から、
            あまり仲良くはなかった2匹ですけどね。
            プリュムとは取っ組み合って、噛みつき合って
            兄弟愛を確認しあったみたいだけれど、
            オンナであるクロクロとはさすがにそうはいかない。

            さらにクロクロは冷たすぎるほどクールな奴なので、
            落ち着きがなく神経質なパシャは、
            はなから相手にされなかった感じ。
            
            あの頃はクロクロよりも小さく、やせっぽっちだったパシャ。
            クロクロよりも体が大きくなった今になって、
            ようやく復讐でもしているってわけ?


d0223186_19414163.jpg



            何も言わず、非難がましい目で見つめるクロクロ。
            もしかしたらクロクロはうちにいて幸せじゃないのかも、
            と思ったら、胸がズキズキしてきた。

            兄妹げんかの仲裁に入ろうと思っても、
            何も言わない猫たち。
            まあ、言葉で話し合える人間だってけんかや争いは絶えないし、
            仲が悪い者同士はいつまでたっても仲が悪いまま。

            だから猫ばかりを非難するわけにはいかないけれど、
            それでも人間と違うところは、猫社会の狭さ。
            うちなんか、外猫だからもちろん、
            他の猫たちとの交流は家猫よりは広いだろうけれど、
            とにかく常に一緒にいるのは4匹しかいないわけですよね。

            パシャは一度パリに行ったことがあるから、例外だけれど、
            クロクロやプリュムはうちの敷地内だけが彼らの世界。

            そんな狭いところに住む、限られた4匹なのに、
            な~んで仲を悪くする必要があるのかね?
            みんなで仲良く暮らした方が、
            どう考えたってこの限られた世界は、
            住みやすい場所になろうというものなのに。

            でも、それだって人間にしても同じこと。
            規模こそ違え、
            この地球という限られた場所でしか住むことはできないのに、
            どうしてみんなで仲良く暮らせないのかしら?

            
d0223186_20394474.jpg
            
            
            
            そんなことを一生懸命説いて聞かせたところで、
            猫らが分かってくれるはずもなく。
            そこで私は強硬手段に出ることにした。

            常にパシャの動きを見張っていて、
            クロクロに近づきそうになったら間に入って阻止。
            クロクロに手を出した時には、
            パシャを追い掛け回してふん捕まえ、
            雨が降っていようが槍が降っていようが外に放り出す。

            うちは外に大きな部屋がひとつあるようなものですからね。
            外で何をやろうが、誰も文句は言いません。
            でもサロンの中は永世中立国。
            争いごとは私が断じて許しません!

            外に放り出されると、すぐに扉のところに戻ってくるパシャ。
            「サロンの中に入れてくれ~」とニャーニャー鳴いて催促する。

            もちろん、すぐに入れてあげることはせず、
            しばらく“廊下に立たせておいて”から中に入れてあげる。

            反省しなさい、反省を!

            すると、あたかも反省したかのように、
            なにやら弁解しながら私の足にまとわりつくパシャ。

            絶対、反省していないよね、アンタ。


d0223186_21504469.jpg
 


            それでも功を奏したのか、
            ようやく2匹の仲が落ち着いてきた。  

            と、同時にクロクロの私に対する態度が一変。
            いままで、自分からは滅多に、
            私の膝に飛び乗ってくることはなかったのに、
            今や彼女の居場所は私の膝の上か、
            隣の椅子の上。

            ま、椅子の上で私の傍の方が安全だと思っているのかもしれないけれど、
            その突然のマザコン女子デビューっぷりは、
            うちのマザコン男子2匹もびっくり!

            その態度の変わりようは、
            相手が“敷物”から“正義の味方”に変わったような雲泥の差!

            って言うかさ、クロクロ、
            いままで私のことを本当に、
            “ただのホットカーペット”だと思っていたでしょ。

                               

d0223186_2141498.jpg




             母さんはようやく出世できたみたいで、
             ホントうれしいよ。

            



            
[PR]
by yokosakamaki | 2013-02-16 21:45 | うちの猫物語

孫猫誕生!

d0223186_473059.jpg

            もちろん、避妊手術をしたうちのクロクロが産んだわけではなく。
            うちから“パリにゃん”になった長女(想像)のリタの話なのです!!

            リタの里親になったコリーヌから連絡をもらったのは、
            10月末のこと。
            「リタが赤ちゃんを身ごもっているよ。もうすぐ産まれそう!」
            その翌日には、
            「昨日の昼間に産まれたよ!5匹もいる!!!」
            というメール。

            そりゃ、あなた。
            「今すぐ、会いに行くわ」と言いたかった訳ですけれどね、
            私の仕事の状況&奴らがチビすぎるというわけで、少々待つことに。
            そして、11月末に会いに行ってきました!


d0223186_2119788.jpg



            コリーヌの家の玄関を入ると、
            すぐさま足元では一斉に四方八方に散らばる毛玉たち。
            そうか、あんたたち、
            最初は“ひよこ”みたいなものだったのよね。

            入り口にあるキッチンでは、
            1年4ヶ月ぶりに会うリタがお出迎え。


d0223186_1942448.jpg



            あんなに↑ちっちゃかったのに、こんなに↑立派なお母さんになるなんてね。
            うちの子猫たちの中では、一番大人でませていた長女、リタ。
            うちに残ったクロクロなんて、
            私にとってはまだまだ赤ん坊みたいなもので、
            お母さんになるなんて想像もつかないけれど(現実的にも無理だけれど)、
            母親になれる年になったんだよね。


d0223186_2035046.jpg



            今、よくよく見ても、ミヌー母さん↑にやっぱりそっくり。
            (注:ミヌー母さんのこの写真は子猫たちを産んだ後、
            リタと同じくらいの時期のもので現在の体型はもっと丸い)

            って、ミヌー母さん、
            “ミヌー婆さん”になっちまったよ、おい!(私もか)
            いや、まったく、
            こんなにも早く、孫の顔が見られるなんてねぇ(涙)。
            さすが、うちの長女だわ!!


d0223186_20163551.jpg



            パリ郊外のサン・ドニに住むコリーヌ。
            中庭つきの一軒家で、
            リタは家と中庭を自由に出入りしているのだけれど、
            とうやってお婿さんを見つけたのかしら?と聞くと、
            なんと、ヴァカンス・アヴァンテュールだったとか!

            今年の夏、コリーヌと旦那さんはヴァカンスで家を空けるため、
            大西洋側のヴァンデ県にある実家にリタを預かってもらっていたとのこと。
            ヴァカンス明けに両親がパリまで連れて来てくれたリタを見たら、
            なんだかお腹が大きくなっている!

            ヴァカンス先の親の目の届かぬところで、
            一夜限りのアヴァンテュールを楽しむのは、
            まさに“パリにゃん”らしい話だけれど、

            リタ、おまえもそうだったのか!!!


            
d0223186_17372012.jpg
                        

            というわけで生まれてきた、うちの孫猫、5兄妹。
            相変わらず勝手に想像させていただくと、
            生まれ順は写真の並び順のようだと思うわ。

            まだ生後1ヶ月で性別が分からないけれど、
            最初の黒白(はちわれ?)と灰白(サバ?)が男の子、
            残りのキジトラ系3匹が女の子っぽい。

            右上の長女はやっぱり、リタ母さん、ミヌー婆さんにそっくり!


d0223186_19594310.jpg




            父さんが分からないから残念だけれど、
            うちの子猫たちよりも全体的に色が明るいから、
            父さんはグレーかサバトラなのかしら?

            中でも私が気に入ったのが、長男の黒白。
            ピンクの鼻に黒い点々があって、まるでイチゴのよう。

            な~んて、家に帰ってきてから孫猫の写真を見せると、
            「こいつは爺さん似なんじゃないか」とFanFan.

             じいさん・・・?


d0223186_19151070.jpg



            ああ、今でもうちに飯だけを食いに来る、
            フーテン父さんのことね。
            ま、系統は同じですな。

            慌てて、パシャと同じように、
            背中に白い斑点があるかどうか確かめてみると、
            長男イチゴの背中に斑点はありませんでした(惜しい)。



d0223186_20245594.jpg
        


            それにしても、孫猫たちのかわいらしさといったら!
            “子よりも孫”とはよく言ったもので、
            こうやってふらりと会いに行って、
            キャーかわいい!!と撫で撫でしていれば言い訳なのだから、
            まったくそのとおり。

            FanFanは行く前に何度も、
            「1匹ももらってくるなよ!」と念を押していたけれど、
            まあねぇ、1匹ぐらいはいいよねぇ(冗談)。

            ブログを更新していない間にも、
            まだまだ成長し続ける、うちの3匹&ミヌー母さん。
            もう私の家の中はこの4匹でパンパンですもの!


d0223186_205438100.jpg
            
                

            遊び疲れると、一斉に寝出すのも、
            やっぱり子猫そのもの。
            コリーヌの腕の中でぬくぬく、スヤスヤ。

            まあ、この子達も、
            あっという間に大きくなるんだろうな。



d0223186_21151763.jpg



            後日連絡を入れると、
            ちゃ~んとみんなに里親が見つかったとのこと。


            さて、孫猫たちがどこにもらわれていくのか、
            私は興味深々なのでございます。
[PR]
by yokosakamaki | 2012-12-09 21:37 | うちの猫物語

夏の終わり

d0223186_4391545.jpg

            パシャ閉じ込め事件の後は、
            フランスのヴァカンスの始まりだった。
            天候はめずらしく、夏並みに天気がよくなり、気温もぐいぐい上り、
            世の中は輝かしい季節を迎えていた。
            FanFanはフランス人並みにヴァカンスを取り、馬乗りに出かけ、
            私は日本人並みに家で仕事をしながら、留守番をする1週間だった。

            家に閉じ込められたパシャは、
            やっぱり相当寂しい思いをしたようで、
            数日間、誰とも喋らなかった鬱憤を晴らすように、
            いつも以上に喋りまくり、私の傍から離れない。

            
d0223186_19103828.jpg



            そうだよね。
            ベッドにうんちをしてしまったところを見ると、
            前例的に、家にいない家主に構ってもらいたかったわけだ。
            私は家にいることを幸いに、
            いつも以上にパシャの面倒をみることにした。

            パシャのおしっこをかぶった猫用のクッションは、
            洗濯機に突っ込もうとしたけれど入らず、
            中身はスポンジの切れ端だらけだったので、
            快晴なのをいいことに、とりあえず外に干してみた。


d0223186_20125699.jpg



            となると、いつも通りにサロンにやって来るプリュムの居場所がない。
            私の膝の上はパシャが占領しているし、
            クッションは外に干されている。
            サロンにやって来てはすぐに出て行ってしまうプリュム。

            そういえば、クロクロはサロンの中に入りもせず、
            ご飯を食べるとどっかに行ってしまうようになった。




d0223186_1913991.jpg



            8月、フランスはヴァカンス真っ盛り。
            私は相変わらず、日本人並みにパリで仕事があったので、
            ノルマンディーにいる日はいつも以上に少なかった。
            さらに、いる時はヴァカンス中のFanFanのお守りをしないといけないし、
            知人の家に遊びに行くことも、知人が家に遊びに来ることも多くて、
            猫を構っている暇がない。

            たまに家にいても、やって来るのはパシャばかりで、
            他の猫どもはどうしたものか?
            猫用クッションは、日干し後あっけなく、
            ミヌー母さんとプリュムが平気で座っているのを見て、
            あんたたちも案外無頓着なのね、と思ったり、ほっとしたり。

            それでも2匹が来るのもたまにで、
            クロクロはやっぱり、まったくやって来ない。


d0223186_2027311.jpg



            近年、稀に見る8月のすばらしいお天気。
            外はこれ以上はないほど太陽が輝き、暑い夏を作り出している。
            中庭のバラは、家に生ける用に切っても切っても、
            次から次へと蕾を膨らませ、
            この輝かしい季節を少しも無駄にすることがないように、
            せっせと花を咲かせている。

            たまに家で仕事をしている私は、
            そんな夏の眩しすぎる光を避けるべく、雨戸を閉めた暗い室内で、
            陰鬱に写真の整理なんぞをしているものだから、
            そりゃ、あなた。猫たちにもてなくて当然。
            年中、ホットな愛を与える人間カーペットは、
            この時期、お払い箱というわけ。


d0223186_20325118.jpg



            陰気なサロンにやって来るのは、相変わらずパシャのみ。
            といっても暑苦しい私の膝の上にはのらず、
            自分で勝手に決めた、1人用ソファーの“自分の陣地”が奴の寝床。
            そして、ひとしきり眠ると、
            やっぱり彼も夏を謳歌しに出て行ってしまう。

            外では太陽が陽気に笑い、
            草花から動物までが手を広げ、夏の恩恵をめいいっぱい浴びている中、
            誰も来なくなった涼しすぎるサロンで1人、仕事をしていると、
            ふと、心に隙間風が吹き抜けてゆく。

            これがもしかして、もしかして、
            “子猫たちの自立”ってことなのかしら?
            もうみんな、私のことなんて忘れてしまったのかも!!!


d0223186_203756100.jpg



            9月に入ってもいつも以上に秋晴れが続き、
            気温も高かったフランス。
            そんな状況が変わったのは、9月も半ばのこと。

            サロンの中では、
            ソファーの“自分の陣地”にはパシャが、
            クッションの上にはプリュムが、
            そして私の膝の上にはクロクロがのっている。

            雨戸を閉める必要のない窓の外では、
            弱い光の中、秋の冷たい雨が朝から降っている。
            細かい雨粒が音もなく、火照った大地に降り注ぎ、
            夏の賑わいを急速に、容赦なく消してゆくよう。


d0223186_19383449.jpg



            突然の秋の訪れに、
            ふと、思い出したようにサロンに集まってきた猫たち。
            私の膝の上で久しぶりに丸くなっているクロクロをなでながら、
            うれしく思う反面、そうか、とちょっぴり寂しくなった。

            そうだね、
            夏は終わってしまったんだね。
            

            





d0223186_1954232.jpg
            
            

                        
            
            

            
            

                        



            
[PR]
by yokosakamaki | 2012-10-24 04:37 | うちの猫物語

夏の始まり

d0223186_250673.jpg

            それは7月半ばのこと。
            ある日、パリからノルマンディーにFanFanと一緒に帰ってきたら、
            家の前に猫が2匹いるのが見えた。

            よしよし、お出迎えとはエライぞ、お前ら。
            と家に近づくにつれ、
            あれ、何だか様子がおかしい。

            ミヌー母さんの横に並んだように見えるのは、
            いつものように何やらわめいているパシャ。
            その姿は、
            げっ!何とガラス窓の内側に見える!

            「パシャが家の中にいる!!」

            FanFanに叫び、大慌てで扉を開けると、
            びゃーびゃー泣き叫びながら擦り寄ってくるパシャ。
            独りでぐるぐると大騒ぎしているのをヒシッと抱きしめ、
            とにかく元気そうでほっとひと安心。

            FanFanと私がパリに行っている間は、
            家の中は誰もいなくなるため、
            猫たちは外で暮らしているのが私たちの家。
            でも、私たちが家にいる時は、
            昼間だけサロンを自由に出入りしているため、
            パリに出かける日は猫が家に入ってくるのを阻止しなくてはいけない。

            出発前はなんと言ってもバタバタだし、
            荷物を出すのにキッチンの扉が開けっ放しになっていることも多く、
            ちょっと目を離した瞬間に、
            猫が家の中にちゃっかり入り込んでいることもある。

            だから、家を出る前に各部屋を見回り、猫がいないのを確かめてから、
            家の鍵を閉めるのが私たちの習慣。
            それでもパリに出発した後で、
            猫を閉じ込めたまま出て来てしまったのではないか、
            不安になることも多い。

            子猫が6匹だった時はさらに大変で、
            家中を確認した後で点呼を取らないと落ち着かない。
            しかも、みんながみんな、揃っているなんて、
            ほぼあり得ないから、パリで眠れない夜を過ごしたことも何度もある。
            でも、今まで何とか事なきを得ていたのだ。

            前回、パリに出発した時は私は先に行っていたため、
            FanFanが1人ですべての作業をしなくてはいけなかったのも問題。
            「絶対、1度は閉じ込めることがあるよね」とFanFanと話し合い、
            家の中にカリカリを入れたバケツを置いておいて本当によかった。
            
            食べ物はあるとはいえ、3日間家の中に閉じ込められ、
            さぞかし、げっそりしているかと思えば、
            閉じ込められていた本人はいたって元気そう。
            家の扉を開ければ、即効で外に飛び出すかと思いきや、
            私の足元にわめきながら、まとわりついて離れない。
            ごめん、ごめん。寂しかったんだよね。

            とりあえず、パシャの無事が確認できたとなると、
            次の問題はもちろん家の中。
            猫用の住居とされていない家の中には、
            なにがないって、猫用トイレがない!!!

            恐る恐る家の中を点検してみると、
            サロンの床は植木鉢から掻き出された土が撒かれ、
            その植木鉢&床の土の上は糞が散乱。
            猫たちのクッションの上はおしっことおぼしき形跡があり、
            さ・ら・に、
            2階の私たちのベッドの真ん中には、
            うんちがのっかっている~~~!!!

            パシャ!ベッドの上で用を足すクセは止めてよねっ!!!
            とはいえ、家の中に閉じ込めてしまった私たちの方が、
            どう考えてもはるかに悪い。

            ともかく、パシャが無事でよかった、よかった、
            と喜びを噛み締めながら、
            掛け布団を手洗いしたのでした。

            臭いが取れるまで、何度も、何度も。
                                    


d0223186_253533.jpg

            
            


            
[PR]
by yokosakamaki | 2012-10-21 03:17 | うちの猫物語