ノルマンディーの風

“たまご”から“ひよこ”

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            フランスは全国的にお天気マークが輝き、
            一気に気温が上がって、
            このまま夏に突入しちゃうんじゃないかと、
            思うほどの快晴続きだった3月。

            私はノルマンディーにこもって、
            原稿書きの傍らでせっせと励んでいたこと。

            「鶏の卵を温めていました。」

            えぇ、もちろん、
            私のお尻の下で温めなくとも、
            世の中には便利なものがあるわけで、
            FanFanがネットで購入した卵の人口孵化器を使ってです。
            とはいえ、出費をケチった(本人曰く見つからなかった)ため、
            すべて自動というわけではなく、
            ある部分は人間が手を掛けないといけないのです。


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            仕組みは至って簡単。
            まずは現在、うちにいる雄鶏1羽と雌鶏15羽の間で産まれた有精卵から、
            形や大きさの基準に合う卵を選びます。

            卵51個も入る孵化器ながら、うちの卵たちは大きめで、
            基準に合う卵だけにすると半分も埋まらないため、
            なるべく小さなものを混ぜながらようやく46個を選択。

            卵形をした容器に1個ずつ並べているのは、
            これから1日2回、朝と晩に外に飛び出た取っ手を回して、
            卵をひっくり返さないといけないからです。

            さらに重要なのは温度と湿度。
            温度は37~38℃に保たなくてはいけず、
            湿度は60%、最後の2日間は70%にしなくてはいけないとのこと。
            温度は自動で調節してくれますが、
            湿度を保つためには、毎日水を加えなくてはいけません。

            しかしながら、設置された湿度計がなぜか表示しない!
            いやまったく、幸先がよろしいようで~。



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            こうして待つこと、21日間。

            私は毎日、孵化器に水を加え、
            朝と晩に取っ手を左右に振って卵をひっくり返し、
            という地道な作業を繰り返しながら、
            卵を観察し続けたのですが、
            その間、ウンともスンとも言わない卵たち。

            ライトで卵の中を照らして検卵という方法もあるのですが、
            見てみたところ、何にも見えないし、
            はっきり言ってワタクシ、疑っていました。

            だって、うちでは普通に食べている有精卵。
            本来、冷蔵庫の中に入っている卵はオムレツになるところ、
            孵化器の中で温めた卵はひよこになっただなんて、
            どう考えても、子供だましみたいな話でしょ?

            最後の2日間は、卵を容器から出して網の上に置き、
            もうひっくり返さずに孵化するのを待つのだけれど、
            卵を手に持ってみたところ、卵はただの卵。

            何も変わっていないじゃ~ん!!!



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            と、前日まで思っていた、21日目。

            朝、起きて孵化器を覗いてみると、
            まさかまさかの、卵1個に穴が開いている~!!!

            さらには、この状態でひよこの鳴き声も聞こえるんですね。
            もう、これからは仕事どころじゃありません。

            仕事位置を孵化器の横に移動させ、
            いつ出てくるか、いつ出てくるか、頻繁に覗き込む。

            が、一向に穴が大きくなる気配がない。

            説明書によると、殻を開けるのに難儀するひよこもいるそうで、
            その場合には手助けをするように、とのこと。

            なんといっても生まれて初めて見る、卵の孵化。
            記念すべき、最初のひよこが難儀しているのかどうかが分からない。

            ピンセットでちょっと穴を大きくしてみたけれど、
            果たしてどこまで手助けすればいいのかも分からない。


            
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            ネットで調べてみると、
            世の中にはいっぱい卵を孵化させた人がいるもので、
            「最初の穴が開いて24時間は卵から外には出ない」そうで、
            「そこを無理やり開けてしまうと、
            内臓が体の中に入りきらない状態で出てきてしまう」とか!
            げっ、穴を大きくしてしまったけれど、うちの子は大丈夫かしら?

            とにかく、すぐには出てこないことが分かり、
            ようやく気を落ち着けることに。
            ピヨピヨと聞こえてくるひよこの鳴き声に、
            適当に返事を返しながら、その日の午後を過ごしたのでした。
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by yokosakamaki | 2014-04-04 23:13 | うちの鶏物語