ラベンダーのボビン
季節はガラリと変わって、
去年の夏の話。
プロヴァンス地方に取材で行って、
物作り願望がふつふつと湧き起ってしまったのです。
何を作りたかったかというと、
「ラベンダーのボビン」。
何それ?と言う方も、
1から説明しますので、少々お待ちになって。
まず必要なのは、もちろんラベンダー。
フランスでラベンダーと言えば、
プロヴァンス地方が有名ですが、
何、馬鹿にしちゃいけない、
ノルマンディーにだってラベンダーは咲くのです。
日本も北海道の富良野のラベンダー畑が有名なので、
南の地方がいいというわけではないのですよね。
要は乾燥しているところがいいらしいのですが、
そう考えると、ノルマンディーはプロヴァンスに負けるわな。
ま、延々と続くラベンダー畑とはいかなくても、
道端の花壇なんかでラベンダーを見かけるのがノルマンディー。
我が家にも毎年、咲いてくれるラベンダーがあるのです。
えぇ、たったの一株ですけれどもね、
立派なものではありませんか!
これを使って作るのが、
「ラベンダーのボビン」。
必要なのは、
ラベンダー、
はさみ、
リボンだけ。
本当は蚤の市でアンティークなリボンを探したかったのですが、
さすがにそんな暇はなく、
パリのボンマルシェで大急ぎで買ってきたリバティのリボン。
すんません、イギリスもんで。
作りたい大きさによってラベンダーの本数はいくらでもいいのですが、
何本も作ってる時間はないし、
かと言って家にある本数も限られているので、
ボビン1本につき、70~80本を使用して、
大きめに作ります。
切り取ったラベンダーは葉や小さな花を取り除き、
太い茎だけにします。
ラベンダーを束ねて、
花の根元の部分をリボンで結びます。
実はプロヴァンス地方の師匠は、
リボンの結び目の短い方も長く残していました。
一番最後に蝶々結びで留められるようにです。
私は間違えて短くしてしまったのですが、
最後の留め方は何でもいいっちゃ、何でもいいので(←適当な人)。
次に結んだラベンダーをひっくり返し、
花を包むようにすべての茎を折り曲げていきます。
とは言っても茎を折るわけではないのでご注意を。
茎が折れないように、
切り取ったばかりのラベンダーでなくてはいけないのです。
「ラベンダーのボビン」作りには、
ラベンダーの鮮度が重要だということ!
茎の間からリボンの長い方を取り出し、
茎を1本ずつ均等に出しながら1周させます。
1周目で出した茎を今度はリボンで隠し、
その間にある茎をさらに均等に出しながら2周目を終えます。
この最初の部分が一番難しいポイント。
3週目は2周目で出した茎を隠し、隠した茎を出します。
ここからはスイスイできますよ~。
これを花がすべて隠れるまで繰り返すのです。
リボンと茎で編み込んで、
花を包むかごを作る感じですね。
最後に編み込んだリボンの端と、
最初の結び目の短い方のリボンを引き出して、
蝶々結びで留めればOK。
茎は適当な長さで切り揃えます。
こうしてできたのが、
「ラベンダーのボビン」。
本来は、天然の芳香剤&防虫剤として、
たんすの引き出しの中に入れていたもの。
でも、仕舞ってしまうにはもったいない、
かわいらしさですよね。
芳香剤として部屋の片隅に飾っておきたいもの。
ちなみに香りが薄くなったら、
花の部分を手でつぶすと香りが再び発散されるとか。
私は取り除いた小さなラベンダーでも、
ミニミニバージョンを作ってみました。
これならキーホルダーにしてもいいかも!
と、何でこんな話を突然しているかと言うと、
「ラベンダーのボビン」のプロヴァンス取材が、
本になったからなのです。
「フランス 暮らしの中のかわいい民芸」
どうぞ、本場モンを見てみてくださいね~。
もっと詳しく知りたい方もそちらでどうぞ(笑)。
そういえば、パリブログで紹介し忘れましたが、
「ベル・イル島のカーテン」も取材しています。
こちらは、私、我が家用に再度作るつもりです!
さて、いつになることやらですが。
by yokosakamaki
| 2014-03-22 04:38
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