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ノルマンディーの風

収穫祭のはじまり

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                   はじまっています!フルーツの収穫!!
                   何種類かあるうちの一種類のさくらんぼがふっくら膨らみ、
                   愛らしい色に頬をぽっと染めたのを皮切りに、
                   じわじわといろんなフルーツが実を成しつつあります。

                   次に収穫を迎えたのは、赤黒々としたカシスの実!
                   って、うちにカシスがあるなんて、
                   FanFan、言わなかったじゃない!!
                   と、カシスの花は今年すっかり見損ねましたけど、
                   そちらは来年のお楽しみ。
                   その横で熟しつつあるスグリの実も、
                   あるなんてまったく聞いていませんでしたけどねっ!


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                   これらのフルーツ収穫のために、
                   毎週うちにやって来るのはアルバイトの学生たち。
                   “夏休みに果樹園でバイト”なんて、
                   なんともフランスらしいアルバイトではないですか!

                   といっても、バイト意欲が満々というわけではまったくなく、
                   FanFanが近所のパン屋さんに貼った、
                   求人広告の紙切れを見てやってくるわけですが、 
                   ママンが子供のために電話で問い合わせしてくる
                   パターンが多いこと(特に男子!)。
                   それから1週間(正味3日)以上は続かない!

                   これってフランス人だからなのかな~。
                   私が学生の頃はバイトばっかりしていましたが、
                   現在の若者全体がこんな感じなのかしら
                   (なんて書くと私も完全におばさん)。
                   
                   できれば、私も赤い長靴に麦わら帽子をかぶって、
                   収穫祭に参加したいところですが(本当に!)、
                   私自身の仕事(&子猫の世話とか)があるため、
                   記録係&味見係に徹することに(おい!)。


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                   次々と家に運ばれてくるカシスの実は、
                   ジャムに変身させられます。

                   フランスでジャムといえば、
                   果肉と砂糖を煮たコンフィテュール(confiture)と、
                   果汁と砂糖を煮たジュレ(gelée)があります。
                   上記のカシスやスグリの実、他にもりんごやマルメロは、
                   ジュレにするのが一般的。

                   普通の家庭では漉し布などで漉して果汁を絞ることもできますが、
                   FanFanはこんな3段重ねの果汁抽出機(って言うの?)を使用。
                   一番下に水を入れ、一番上にカシスの果肉を入れ、
                   火にかけると蒸気でカシスが蒸され、
                   真ん中に落ちた果汁のみが出るという仕組み。

                   最後に果肉をつぶして果汁をすっかり落としたら、
                   鍋に入れて砂糖と一緒に煮ます。
                   カシスはもちろんコンフィテュールにしてもいいのですが、
                   FanFan曰く、
                   「小さなカシスのそれまた小さな枝を、
                   ひとつひとつ取ってはいられない!」とのこと。
                   果汁のみを使うジュレにすれば、そんな手間も省けるわけですね。 

                   といってもジュレにするのもフルーツによって向き、不向きがあるようで、
                   一般的にジュレにするフルーツでも場合によっては、
                   うまくゼリー状にならないことも。
                   ペクチンなどを加えすぎて、まさに固いゼリーになってしまってもいまいち!
                   そんなこんなで私自身は、ゼリーちっくなイメージのあるジュレは、
                   食べるのもあまり好きではないのだけれど、
                   カシスのジュレは別格!

                   抽出されたカシスの甘酸っぱい果汁が、
                   ジュレで凝縮され、さらにさらに濃厚な味わいに。
                   まったりとゼリー状になった赤黒いジュレは、
                   見ているだけで口の中にじんわり唾液がたまってしまう。

                   というわけで現在、
                   家中がカシスの甘酸っぱい香りで充満しています。
                   それはそれは、
                   やさしく甘美な初夏の香りです。
                   

                   
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by yokosakamaki | 2011-07-10 20:52 | うちの果樹園