春爛漫
うちのテラスの温度計が30度を指す暑い日が訪れた週、
うちの果樹園が一斉に活気づき始めた。
つい先日までただの黒い林だったのに、
日に日に色とりどりの別世界へと変身していく様子は、
ただただ唖然とするばかり。
すごいね、すごい!
まさに色の洪水。
視界から色が溢れ出している。
といっても、すべての果樹が一気に花を開くわけではなく、
それぞれが時間差をつけて最盛期を迎える。
片側に並ぶ洋ナシの木の列が、
天へと枝を伸ばし、花を開いたら、
もう片方に並ぶさくらんぼの木の列が、
大きく広げた枝にこぼれんばかりの花をつける。
果樹園のあちらこちらで、
喜びのウエーブを起こしていくかのように、
もしくは果樹合唱団として一団となり、
自分のパートをタイミングを見計らって歌い上げていくように、
みんながそれぞれの役割で、
春の歓喜を表しているみたい!
そんな果樹園の春の宴もそろそろ終わり。
今や満開となったりんごの花が最後の演目を演じ上げたら、
次の季節へと進まなくてはいけない。
彼らにはこれから実を成すという大仕事が待っているのだから、
いつまでも春を喜んでいる暇はないのだ。
でも、私たちにはまだまだ春を堪能できる。
牧草地全体に広がったタンポポの野原を走りまわる、
遊びに来ていたベティに声をかける。
ね、あんたもうれしいよね。
私もうれしいよ!
by yokosakamaki
| 2011-04-16 20:49
| うちの果樹園