
その日は、うちの家の門を自動化するために、
ほぼ毎週のようにやって来る電気技師のフランソワがいて、
朝からバタバタしていた日だった。
私は何の用事だったか忘れてしまったけれど、
中庭にちょうど出ていて、
牧草地から興奮ぎみに戻ってきたFanFanにバッタリ。
「なに、子馬が生まれたって!」
大慌てでカメラを取りに家に戻り、
2人で一緒に牧草地に向かう。
たいてい、子馬が生まれるのは夜の間で、
FanFanでもいまだに出産に立ち会ったことはないのだとか。
よって、ある日、牧草地に行くと、
突然、馬が1頭増えているというわけ。

本当だ!昨日までいなかったチビッ子が、
突然姿を現した!!
とはいえ、生後1日目とは思えない立ち振る舞い。
驚くべきはその強靭な足で、すでに母馬とほぼ同じぐらいの長さ!
その4つの頑丈そうな足の上に小さな体が乗っかっているのだから、
アンバランスなことと言ったら!
子馬と言うより、
“太足のバンビ”みたい!!
セリア母さんにぴったりくっついたまま、
すでに小走りだってできる。
生後1週間でも目すら開いていなかった子猫たちとは大違い。
まあ、子猫たちが2ヶ月ほどで生まれてくるのとは異なり、
子馬は11ヶ月も母馬のお腹の中にいるのだから、
準備万端で外界に出てくるというわけなのだろう。

生まれたてという証拠は、
草の上に残った胎盤などを排出した生々しい後産だけ。
テレビや映画でよくある、
生まれたばかりの子馬が立ち上がる感動的瞬間なんて、
そうそう見られるわけではないのですよ。
出産後の母馬も気が立っているため、
あまり近づかない方がいいとか。
ちょうどこの日の午後にやって来た、
毎週、うちにチーズを運んで来てくれる、
シェーヴルチーズ屋さんのドミニク。
以前、生まれたばかりの子馬を見にFanFanと牧草地に入ったところ、
不注意にも出産直後のセリアの首を撫でた途端、
わき腹をガブリと噛み付かれたことがある。
プロレスラー並みにガタイがいいドミニクながら、
なんと肋骨を折る羽目になったとか!
「じゃ、今から一緒に子馬を見に行くか?」とFanFanに聞かれ、
「勘弁してくれ!!!」と悲鳴を上げていた。

午後に再び、こっそりと子馬の様子を見に行ったら、
ちゃ~んとセリア母さんの母乳を飲んでいました。
生後1日目にして、
生きるための必要な術を心得ている子馬。
もちろん出産にも事故はつきもので、
元気に生まれてくるとは限らない。
FanFanがセリアの気を荒立たせないように、
足の間を覗き見た子馬は、立派な男の子だそう。
毛色はリソワール父さんと同じような茶色に、
アパルーサ種の特徴である白い斑点がある。
まだ短い尾の付け根から背中にかけては、
黒っぽい線が入っていて、
FanFan曰く、「これは価値があるぞ!」とか。

お腹がいっぱいになったら、次はお昼寝。
これは子猫たちと変わらないね。
ゆっくりとお休みなさい。
地上に生まれ出た最初の日は、
あなたにとって、
それはそれは大変な1日だったことでしょうから。
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